コラム

 公開日: 2016-09-27 

少額管財を実現するための要件

法人の破産の運用で[少額管財]は、破産管財人はつくものの(法人の破産では破産管財人がつかない運用はない)費用も予納金が20万円程度と安いし、簡易な運用なために、小規模零細企業の倒産処理としては最も望ましい形といえる。

しかし小規模零細企業のすべての法人の破産が少額管財を適用されるるわけではない。
では、小額管財が実現するための要件はどのようなものか。

① 少額管財の運用を採用している地方裁判所に申し立てる。
まず少額管財は全ての地裁では採用していない、ということに行き当たる。
つまり少額管財を採用していない地裁には申立てられないのだ。
東京地裁は少額管財に積極的だから、東京地裁で申立てすればかなりの確率で少額管財は実現する。

②弁護士を申立て代理人にした申立て。
東京以外の地方都市の会社が東京地裁に申し立てができるかという点だが、いくつかの条件が満たされた上に、弁護士を申立て代理人にすることが要件になっている。
もちろん、その弁護士が少額管財の運用を承知していることがこの要件には含まれているようだ。

③申立て前処理ができていること。
そうなると、東京以外の弁護士会に所属している弁護士が東京地裁に申し立てるというのは相当にハードルが高いということになるかもしれない。
さらに、[申立て前処理]がちゃんとできるか、という更なるハードルがある。

④債権者にその地方の事業者が多く含まれていないこと。
これは債権者集会は東京で開かれるので、そのために上京させるリスクを事業者に負わせないようにする配慮と思われる。
とくに[個人事業者]が含まれていると適用されないで、「その地方裁判所で申し立てしなさい」と指導されるようである。
そうならないためには、[申立て前処理]でその地方の個人事業者への支払いを完了しておいて、債権者一覧に載せない状態にしておかなければならないのだが、それは[偏頗弁済]に抵触し[詐害行為]とみなされる恐れがある。
それを回避するための方法はないことはないが、ここでは記せないので相談に来ていただくしかない。

⑤簡易な処理ができる状態での申立て。
少額管財は破産管財人がつく運用だ。
その破産管財人(申し出のあった弁護士から地裁が任命する)の費用は予納金から出される。
つまり、弁護士が20万円程度の費用で受けられるような簡易な形になっているかどうかが最大のポイントとなる。このことは弁護士という人種が20万円でどれだけのことをやってくれるか、ということだと理解されたい。
もしも破産管財人の作業量が多いと思われると、地裁の方針として予納金の20万円が30万円になったり50万円になったりすることがある。昨年あたりから出てきた運用方法である。
[不動産の処分]、[在庫の処分]、さらに[事業所の撤去]などは済んでいないと適用されないおそれが高くなる。
さらに作業量がかなりあると思われると、少額管財ではなく[管財事件]として扱われ、予納金はぐんと増えることになる。

少額管財の運用を実現するためには、破産管財人の作業量を減らさなければならなくなる。
そのためには申立て代理人の弁護士に [申立て前処理]をしていただき、破産申し立て段階では破産管財人の作業量を少なくしておくことが最大の要件となる。

このことを、費用の点で見ると以下のようになる。
・管財事件の予納金 + 並みの申立て代理人を雇う
・少額管財の予納金 + 申立て前処理の行える申立て代理人の弁護士費用を雇う
トータルでは後者のほうがはるかに安くつくだろう。

※これら、[倒産]や[破産]についての詳しい情報は、わたしのホームページ
  『倒産と闘う!』http://nitemare.jp/を参照してください。

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