コラム

 公開日: 2016-08-09 

破産管財人の実態

倒産の法的処理(法人の破産)には、必ず破産管財人が出てくる。

破産管財人は弁護士でなければならず、地方裁判所や弁護士会の法人の破産に関する研修に参加した弁護士が有資格者となる(東京地裁の場合)。
その資格を得た弁護士は地裁(地方裁判所)に破産管財人をやりたいとの届け出を行い、その届け出のある弁護士が、地裁によって選ばれる。

著名な弁護士や、有能で忙しい弁護士の多くは破産管財人を嫌がる傾向があるのは事実である。
倒産(法人の破産)の案件では倒産会社は全財産を失うことが前提なので、弁護士の仕事として依頼人と将来的に発展の可能性はほとんどないし、さまざまな債権者を相手にすること(ヤミ金やサラ金、さらにはたちの悪い債権者が弁護士事務所に乗り込んでくる場合もある)もあって、敬遠されがちになるのである。

では、どのような弁護士が破産管財人になるかというと、いくつかのパターンがある。

①食えない弁護士(あまり忙しくない弁護士)
-大都市の弁護士の中にはあまり仕事にありつけない弁護士も結構いるものだ。後述するが、破産管財人をやるというのはけっこうおいしい場合もあるので、食えない弁護士が登録しているケースは多い。

②独立直後の弁護士(イソ弁から独立したばかりの弁護士)
-独り立ちした弁護士は仕事であればどんな案件でも欲しいものだ。破産管財人もそうだし、国選弁護士や、弁護士会主催の法律相談など。その中でも破産管財人は魅力的な仕事のようである。

③イソ弁がいる弁護士(イソ弁の仕事を確保するボス弁護士)
-イソ弁(通称:居候弁護士。ボス弁護士から給料をもらって働く勤務弁護士のこと)にやらせる仕事の量に不安があるボス弁護士は、破産管財人の仕事をいただいてイソ弁にやらせるケースも多い。

④信念を持った弁護士(破産管財人の仕事が好きな弁護士)
-めったにいないが、弱者のために役に立ってやろうという弁護士もいるものだ。倒産の危機に瀕した経営者を再起させることは、破産管財人としてはとてもやりがいのある仕事だと思うのだが、実はこの手の弁護士は驚くほど少ないのが実情である。

こんなところだろうか。

破産管財人の報酬は、倒産会社が納付する[予納金]の一部と、倒産処理で得られた倒産会社の財産の一部(額や比率は地裁と協議する)になる。
少額管財で倒産会社に財産もない場合は、[20万円]ほどしか得られないことになる。
大きな倒産案件では、100万円以上の予納金に加え、売掛金の回収や倒産会社の所有不動産の売却などで得られた財産があるため、[1,000万円]を超える報酬が得られる場合もある。

そこで、より報酬の期待できる破産管財人の案件を得るためには、地裁からの評価が重要な意味を持ってくる。
そのために、 少額管財などのような規模の小さい案件でも〝全力投球〝して地裁の評価を高めようとする弁護士もいる。
地裁の評価とは、倒産会社の財産をより多く確保する、配当率を上げる、のような傾向が強いため、倒産会社(の経営者)が絞られるようなことがおこり得る。
もちろん、いただける報酬が少ないのであれば〝それなり〝にしかやらない、という弁護士の方が多いのは隠しようのない事実だが。

※これら、[倒産]や[破産]についての詳しい情報は、わたしのホームページ
  『倒産と闘う!』http://nitemare.jp/を参照してください。

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