コラム

 公開日: 2016-06-06 

詐害行為(さがいこうい)とは

破産申立てに際して、詐害行為があると問題が生じる、という話はよく聞く。

具体的にはどういうことなのか。

詐害行為とは、破産処理に際して破産者である債務者(会社であれ個人であれ)が故意に自己の財産を減少させ、債権者が正当な弁済を受けられないようにする行為を指す。
これには[詐害行為取消権]があるので、債権者に指摘され破産管財人に否認されれば返還しなければならなくなる。

破産処理にはいくつかの原則がある。
・債務者の財産は換金され債権者に配当される。
・優先債権(税金、社会保険、労働債権など)を除き、配当は債権者に一律でなければならない。
これらのルールに違反することが詐害行為となる。

どのような行為が詐害行為となるのか。
・破産申立て直前に不動産などの財産を誰かに贈与したり安く売却したりすること。
・破産申立て直前に不動産などの財産に担保権を設定すること。
・破産申立て直前に特定の債権者に支払いを起こしたり返済すること。
・破産申立て時に認められている自由財産以上の現金や預金を隠したりすること。
などがある。

明らかに詐害行為があり債権者に指摘されれば、破産管財人によって否認され、動いた財産は元に戻されることになる。

ただ、ここに大きな問題がある。
仮に、破産申立て直前に[500万円]の財産があったとする(給与などの労働債務はないものとする)。
そのまま申立てれば、優先債権の税金や社会保険に行ってしまうか、債権者への配当となってしまう。
しかし、どうしても返済したい個人(母親)からの借入金(300万円)や、連鎖倒産しそうな買掛金(零細企業5社計200万円)にはまわらない。
倒産する者の意志としては、個人(母親)からの借入金の返済や連鎖倒産しそうな買掛金に回したいのだが、それでは詐害行為になってしまう。

このような場合、申立て代理人の弁護士に相談するとどうなるか。
「ノー!」と言われるのは、火を見るより明らかだ。

しかし、申立て前処理の段階でこれをやれば救済されることはあり得るのだ。

ポイントとなる要素は、申立て前の時間だ。
一定の時間が経由してからの申立てであれば、救済される可能性はあり得るのだ。
※ この件は、たいへんデリケートな問題をはらんでいるので、これ以上のことは、ここでは触れられない。

倒産する者にとって、詐害行為になる可能性があっても、優先的に救済すべき債権者は、できるなら救済したいというのが本音だ。
その可能性があるのに、本来は依頼人の利益を守るべき弁護士である申立て代理人によって、その芽を摘まれるのはとてもつらいことだ。

わたしは考え方は、このような事態での“見逃しの三振“はしたくないので、“最後までバットを振るべき“だと思うのだが、協力していただける弁護士はかなり少ないのが現実なのである。

そのような相談に乗っていただける弁護士も、いるにはいる。
[弁護士(申立て代理人)の紹介]はこちら。

併せて、 [偏頗弁済とは] も参照していただきたい。
http://nitemare.jp/?p=2612

※これら、[倒産]や[破産]についての詳しい情報は、わたしのホームページ
  『倒産と闘う!』http://nitemare.jp/を参照してください。

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