コラム

 公開日: 2016-02-22 

社長は離婚すべきか -連帯保証人とは

この質問は根強い。
経営危機コンサルタントを20年以上やっているが、いまだになくならない質問だ。

「社長は離婚すべきか」

この質問には以下の問題が控えている。
・倒産すると社長の家族(妻)も責任を問われるのか。
・離婚しないと妻の財産もとられるのか。

これらの問題は、要は[連帯保証人]の問題なのだ。

債務は、それが借入債務であれ支払い債務であれ、債務の当事者(主債務者)が責任を負うものだが、その債務に連帯保証人がついていれば、その連帯保証人はその債務から解放されることはないのだ。

つまり、夫である社長の債務に妻が連帯保証人になっていれば、社長が払えなくなれば妻に支払い義務が生じてしまう。
たとえ離婚しても、元妻は連帯保証した債務から解放されることはないのだ。
もちろん連帯保証人が妻ではなく第三者であっても同じことだ。

配偶者(妻)だからという理由だけで債務責任が生ずることはない。
会社の役員であっても社員であっても連帯保証していなければ債務責任は一切生じない。

◆(単なる)保証人と連帯保証人の違い
[保証人]は、保証人が何人かいる場合には、債務責任に順番があり、主債務者(もしくは上位の保証人)が払えなければその下の人に移行するのだ。よって下位の保証人に請求があっても、「主債務者(もしくは上位の保証人)のところに行ってください」と追い返すことができる。最終的には主債務者(および上位の保証人)が破産でもしない限り、差押えなどの債務責任が生じることはない。
[連帯保証人]は主債務者と同等の義務があるので、主債務者が払えないと連帯保証人にも支払い義務が生じるので、連帯保証人の財産に差し押さえなどのことは起こり得るのだ。連帯保証人が何人いても同等の支払い義務が生じるので、連帯保証人が集まって誰がどれほどの債務を負うかを協議して債権者の了解を取り付けなければならない。

経営者たるもの、妻(あるいは家族)や第三者の連帯保証は決して設定すべきではない、とわたしは考えている。
金融機関がリスクヘッジのために連帯保証人を求めてくるのは常套手段だが、それは必須条件ではないはずなので、最後まではねつけるべきである。
以前お目にかかった依頼人は、自宅不動産は奥さんの名義で、なおかつご主人の会社の借入債務の連帯保証は一切していなかった。そのため、ご主人の会社が倒産した折に自宅不動産が無傷で残ったばかりでなく、奥さんも連帯債務を負うことなく破産からまぬかれた。

連帯保証は、一度設定すると金融機関はなかなか解除してはくれない(解除するためには最初に設定した連帯保証人以上の連帯保証人の設定を求めてくる)ので、ハナから応じないことが最も需要である。

ただし別の意味で離婚したいのであれば、当然のことながらこの限りではない。

※これら、[倒産]や[破産]についての詳しい情報は、わたしのホームページ
  『倒産と闘う!』http://nitemare.jp/を参照してください。

この記事を書いたプロ

内藤明亜事務所 [ホームページ]

経営コンサルタント 内藤明亜

東京都新宿区北新宿1-17-3 金元ビル202 [地図]
TEL:03-5337-4057

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
相談料金 報酬

当事務所は、主として小規模零細企業の[経営相談]、[経営危機相談]に対応しています。対応している形態は、大きくは[相談対応]と、[アドバイス顧問契約対応]と、[委任...

著作の無料ダウンロード

内藤明亜の以下の二冊の著作が、PDFにて無料でダウンロードしていただけます。版元のご厚意で、無料で提供できるようになりました。かなり前の著作なので、実情に...

 
このプロの紹介記事
中小零細企業の経営危機、倒産に対するサポートを行う経営危機コンサルタント、内藤明亜(ないとうめいあ)さん

倒産の危機に面した経営者の利益を守り、最適な対策をアドバイスする(1/3)

 経営危機に直面した経営者にとって、事業を継続するか、倒産を受け入れるかを判断するのは、とても困難な問題です。特に中小零細企業にとっては、身近に相談できる相手がいないこともほとんど。そんな時に力になってくれるのが、経営危機コンサルタントの内...

内藤明亜プロに相談してみよう!

朝日新聞 マイベストプロ

自らの倒産経験を活かし、依頼人に寄りそった最適な対応が可能

事務所名 : 内藤明亜事務所
住所 : 東京都新宿区北新宿1-17-3 金元ビル202 [地図]
TEL : 03-5337-4057

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

03-5337-4057

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

内藤明亜(ないとうめいあ)

内藤明亜事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
(根)抵当権設定の不動産の売却はできるのか

この問題も、[100のケースがあれば100の解決法がある]のであり、単純な問題ではない。以下、仮定のケースで解...

[ 倒産の周辺 ]

【改定】 Too Late,Too Large 「遅すぎ」かつ「大きすぎ」

※ このコラムは、より判りやすくするために2016年11月28日に改定した。わたしの事務所に相談に来られる方のほ...

[ 小規模零細企業の経営者の周辺 ]

【改定】 なぜ、【切迫倒産】が多いのか

※ このコラムは、「なぜ、希望の少ない倒産が多いのか」というタイトルで作成したものだが、より判りやすくするた...

[ 小規模零細企業の経営者の周辺 ]

【改定】 倒産に至るプロセス(過程)、フロー

※ このコラムは、より判りやすくするために2016年10月31日に改定した。800件を超える経営危機相談を経て、わた...

[ 倒産の周辺 ]

【改定】 倒産の判断はいつするのか ② (半年早ければ…)

※ このコラムは、より判りやすくするために2016年11月7日に改定した。先に、『倒産の判断はいつするのか ① (倒...

[ 倒産の周辺 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ