コラム

 公開日: 2015-07-06 

事業経営の醍醐味

事業経営の醍醐味というのは、第一には[事業の設立]であり、第二には[経営の持続]だと思う。

決して[経済的な成功]が第一義ではないと思う。

経済的な成功を事業の醍醐味(目的)とするのは、それは誤りではないか。
もちろん、結果としての経済的成功は否定しないが、それを第一義的な目的とすることに疑問を持っているのだ。

事業は永遠ではない。事業には必ず衰退期低迷期はあり、永遠に成長安定を続けることはない。
経営は、商品やサービスを安定供給する必然や、雇用を維持する必然などから、これを持続させることを目的化することは充分に必要なことと考えている。

よって事業はさまざまな体質改善をしながらも、経営は持続させることが事業経営の醍醐味となる、と考えている。

ところが、この点の誤解が蔓延していると思うが、どうだろうか。

これはわたしひとりの世界観かもしれない。
なぜ、このような世界観に至ったか、それは経営危機のコンサルテーションを20年ほども行っていると、この誤解が有能な経営者たちを結果的にスポイルしてきたことが、痛いほどわかるからなのである。

経済的な成功を目的とすると、事業経営の運営上にさまざまな〝無理〝が生じてしまうのである。
・当面の売上(利益)さえあれば、先のことはどうでもいい。
・顧客がよろこぶ商品やサービスの提供より、利益率のよい商品やサービスを。
・利益が少なくても売上が上がればいい。
・[営業利益]より[粗利益(売上総利益)]を優先。
・一般管理費を抑えても利益を拡大。
これらは、本来の事業経営の目的(わたしは醍醐味と呼ぶ)ではないのではないか。

先に、[経済的な成功を事業の醍醐味(目的)とするのは、それは誤りではないか]と書いた。
誤解を招きそうなので、少し補っておく。

わたしは、利益を出さなければ(出せなければ)事業経営をする意味はない、と考えている。
経営コンサルタントとして、わたしが顧問をしている契約先に対応するときは、必ず利益が出せるように最大の配慮を払っている。

ただし、その利益を〝無限拡大〝させることには大いに疑問を持っている。
と言って、その可能性が、まったくないとは思っていない。
先駆者利益に与れるような機会である。ときに、そのような商品やサービスに遭遇することはあり得るとは思っている。事実、今までに一例だけ経験したことがある。
きわめてイノベイティブで、競合他社がない事業に携わったときである。その時は無限拡大に邁進するよう強くアドバイスしたものだ。

経営〝危機管理〝コンサルタントとしてのわたしがこころがけているところは、当該事業が勢いを失って停滞しはじめたところを見極めることである。
この考え方の正反対にあるものが、当該事業の価値を正当に評価することなく、やみくもに事業の拡大再生産をはかることだ。

前者の考え方が、事業推進の障壁になると指摘するむきもあろうが、これはそういう視点(危機管理意識)を持つこと重要性を言っているのだ。
逆に、後者はそのままうまく展開できればいいのだが、わたしが見ている限り、この意識こそが事業運営の障害になるものなのだ。すなわち、倒産する事業経営者の多くが、この先にある隘路にはまるのである。

このような行き方は、事業経営を〝ギャンブル〝にしてしまうのだ。
わたしは、事業経営を〝エンジニアリング〝としたい、と願っているのだ。

それではどのような方向がもっとも望ましいと考えているか。
わたしは〝背丈ほどの規模〝という言葉をよく使う。
決して〝背伸び〝をしない。無理をしない。〝そこそこ〝のところを目指す。

理想は〝ごく緩やかな拡大再生産〝であることは言うまでもない。

現実は〝必要最小限〝の事業規模を維持すること。
で、それに少しでも陰りが見えたら直ちに軌道修正をする。

とくに、経済の停滞期にある今のような時代にあっては、これに尽きる。

※これら、[倒産]や[破産]についての詳しい情報は、わたしのホームページ
  『倒産と闘う!』http://nitemare.jp/を参照してください。

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