コラム

 公開日: 2015-08-03 

100の倒産あれば、100の決着がある

いままで倒産処理のお手伝いをたくさんしてきたが、どれとして同じ倒産の決着はなかった。
負債総額が違うといえばそれまでだが…。

例えば、金融機関からの借入債務にしても、債務保証の形は以下のような違いがある。
① 金融機関からの借入債務
・代表者保有の不動産に(根)抵当権あり
・代表者以外の方所有の不動産に(根)抵当権あり
・代表者の連帯保証あり
・第三者の連帯保証(複数名)あり
②金融機関からの借入債務
・代表者保有の不動産に(根)抵当権あり
・代表者以外の方所有の不動産に(根)抵当権あり
・代表者の連帯保証あり
・第三者の連帯保証(単数)あり
③金融機関からの借入債務
・代表者保有の不動産に(根)抵当権あり
・代表者の連帯保証あり
・第三者の連帯保証あり
④金融機関からの借入債務
・代表者保有の不動産に(根)抵当権あり
・代表者の連帯保証あり
⑤金融機関からの借入債務
・代表者保有の不動産に(根)抵当権あり
⑥金融機関からの借入債務
・代表者の連帯保証のみ
⑦金融機関からの借入債務
・代表者以外の連帯保証のみ
⑧金融機関からの借入債務
・一切の抵当権や連帯保証なし
厳密にいえば、定期預金や保有株式、あるいは在庫商品や動産などに抵当権をつけられている場合もある。
このそれぞれによって処理が違ってくるのだ。

(根)抵当権のついた不動産についても、以下のような違いが出てくる。
①(根)抵当権のついた不動産
・複数の金融機関に(根)抵当権がつけられている
・金融機関以外の法人や個人に(根)抵当権がつけられている
②(根)抵当権のついた不動産
・単数の金融機関に(根)抵当権がつけられている
・金融機関以外の法人や個人に(根)抵当権がつけられている
③(根)抵当権のついた不動産
・単数の金融機関に(根)抵当権がつけられている
しかも、
・ローンが残っている(ローン残が少ない)
・ローンが残っている(オーバーローンになっている)
さらに、
・自宅不動産を買い戻したい(資金はある)
・自宅不動産を買い戻したい(資金がない)
また、さらに
・固定資産税の滞納がある
・固定資産税の滞納はない
またまた、さらに
・自宅不動産の所有権が家族数人になっている
・自宅不動産の所有権は代表者ひとり
などなど、の条件によって処理は天と地ほどの違いが生じてくる。

社員の労働債権にしてもそうだ。
①社員の労働債権
・退職金(規定がある)
・給与
・解雇予告手当
②社員の労働債権
・退職金(規定がない)
・給与
・解雇予告手当
③社員の労働債権
・退職金(規定はないが実績はある)
・給与
・解雇予告手当
④社員の労働債権
・退職金(規定もないし実績もない)
・給与(未払がある)
・解雇予告手当
⑤社員の労働債権
・給与(未払はない)
・解雇予告手当
さらに、
・労働債権は支払えない
・労働債権は支払える
・国の立替え払い制度にお願いする
また、さらに、
・支払資金はある
・事業停止後に入金になる売掛金で支払いたい
などなど、これらの条件の違いは運用の結果に大きく作用する。

挙げていけばきりがない。

しかも、こうした条件の違いによる運用の見極めは、倒産の当事者のダメージをいかに軽減するかを考えると、さらに複雑になる。
それも、最終的には破産管財人次第の要素もある。

倒産処理はことほどさように千差万別なのだ。
だからこそ、弁護士に駆け込む前に専門家のアドバイス(事前相談)を受け、基本的方針を持たなければならないのだ。
弁護士は初対面の依頼者だと、基本的には裁判所の設定した通りの運用に従う傾向にある。
すなわち、ほとんどの弁護士は依頼人の利益のためにいろいろとは考えてはくれないものだ、ということを知っておくべきなのだ。

※これら、[倒産]や[破産]についての詳しい情報は、わたしのホームページ
  『倒産と闘う!』http://nitemare.jp/を参照してください。

この記事を書いたプロ

内藤明亜事務所 [ホームページ]

経営コンサルタント 内藤明亜

東京都新宿区北新宿1-17-3 金元ビル202 [地図]
TEL:03-5337-4057

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
相談料金 報酬

当事務所は、主として小規模零細企業の[経営相談]、[経営危機相談]に対応しています。対応している形態は、大きくは[相談対応]と、[アドバイス顧問契約対応]と、[委任...

著作の無料ダウンロード

内藤明亜の以下の二冊の著作が、PDFにて無料でダウンロードしていただけます。版元のご厚意で、無料で提供できるようになりました。かなり前の著作なので、実情に...

 
このプロの紹介記事
中小零細企業の経営危機、倒産に対するサポートを行う経営危機コンサルタント、内藤明亜(ないとうめいあ)さん

倒産の危機に面した経営者の利益を守り、最適な対策をアドバイスする(1/3)

 経営危機に直面した経営者にとって、事業を継続するか、倒産を受け入れるかを判断するのは、とても困難な問題です。特に中小零細企業にとっては、身近に相談できる相手がいないこともほとんど。そんな時に力になってくれるのが、経営危機コンサルタントの内...

内藤明亜プロに相談してみよう!

朝日新聞 マイベストプロ

自らの倒産経験を活かし、依頼人に寄りそった最適な対応が可能

事務所名 : 内藤明亜事務所
住所 : 東京都新宿区北新宿1-17-3 金元ビル202 [地図]
TEL : 03-5337-4057

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

03-5337-4057

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

内藤明亜(ないとうめいあ)

内藤明亜事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
(根)抵当権設定の不動産の売却はできるのか

この問題も、[100のケースがあれば100の解決法がある]のであり、単純な問題ではない。以下、仮定のケースで解...

[ 倒産の周辺 ]

【改定】 Too Late,Too Large 「遅すぎ」かつ「大きすぎ」

※ このコラムは、より判りやすくするために2016年11月28日に改定した。わたしの事務所に相談に来られる方のほ...

[ 小規模零細企業の経営者の周辺 ]

【改定】 なぜ、【切迫倒産】が多いのか

※ このコラムは、「なぜ、希望の少ない倒産が多いのか」というタイトルで作成したものだが、より判りやすくするた...

[ 小規模零細企業の経営者の周辺 ]

【改定】 倒産に至るプロセス(過程)、フロー

※ このコラムは、より判りやすくするために2016年10月31日に改定した。800件を超える経営危機相談を経て、わた...

[ 倒産の周辺 ]

【改定】 倒産の判断はいつするのか ② (半年早ければ…)

※ このコラムは、より判りやすくするために2016年11月7日に改定した。先に、『倒産の判断はいつするのか ① (倒...

[ 倒産の周辺 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ