コラム

 公開日: 2011-07-18  最終更新日: 2011-10-02

小規模宅地の減額

ずっと平成23年の税制改正についてあれこれ書き続けていますが、平成22年度の税制改正でも、相続税について大きな改正がありました。

「小規模宅地の減額」の縮小です。これは平成23年度の税制改正で予定されていた相続税の基礎控除の縮小とセットになった瞬間に、爆発的な影響があります。

小規模宅地の減額とは、被相続人の所有していた宅地について、税務上の要件を満たした場合には、次の減額があるものです。

・居住用宅地(マイホームの敷地)について240㎡まで評価額を8割引き
・事業用宅地については400㎡までの評価額を8割引き、
・貸付用宅地については200㎡までの評価額を5割引き

となります。

適用される要件としては、例えば居住用宅地の場合には、次の4つがあります。

① その居住用宅地を相続するのが配偶者である
② 被相続人と同居していた子供が相続し、相続税の申告期限まで居住している
③ 被相続人と生計を一にする子供が居住している宅地で、その子供が相続し、相続税の申告期限まで居住している(被相続人が同居していなくてもよい)
④ 相続開始3年以内に自己(配偶者含む)所有の家に住んだことがない子供が相続する

平成22年の改正前までは、もっと要件が緩かったのです。たとえば、同居もしておらず、生計も別の子供が相続する場合でも、配偶者が宅地の持ち分の一部だけ相続していれば、その子供の相続した持ち分も減額をしてくれていました。

もともと小規模宅地の減額は、相続税を払うために宅地を売却した結果、相続人が住むところがなくなったり、事業ができなくなるということがないように導入されたものです。平成22年の税制改正では、その目的にあった改正がなされたとも言えます。

ただし、これによって何が起きてしまったかというと、例えば、父親がなくなり、母親が実家でひとり暮らしをし、子供が独立して家を持っている場合、母親に相続があったときには、小規模宅地の減額がありません。

この小規模宅地の減額が縮小されただけであれば、まだ基礎控除が5000万円+1000万円×相続人の数であることから、一般の家庭では、まだ相続税の対象とはなってきません。

でもここに平成23年税制改正に予定されていた基礎控除の減額が入ると、ぐっと相続税が身近になります。

小規模宅地の減額の上記②の対策として「親と同居をする」といった方法があります。税金が目的の同居というのも変なものですが、孫と住めて喜ぶ祖父・祖母もいらっしゃると思います。

また上記④の対策として「子供がマイホームを手放す」という方法もあります。相続税の軽減目的に自宅を手放すというのは変なものだと思いますが、実家の宅地を相続税で手放したくないのであれば、ひとつの方法です。

税制というのは、個人の資産から強制徴収するものですから、納税者も十分に納得して対策を練らなくてはなりません。

また大切なことは、対策には現在の税制だけではなく、今後の税制のゆくえも考慮するべきことです。税理士と一緒に考えていきましょう。

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