コラム

 公開日: 2014-07-21  最終更新日: 2014-08-03

配偶者控除の対象となるか?

配偶者控除が女性の社会進出を阻害するという考えがあり、毎年のように配偶者控除の廃止が議論されています。

個人的な感想としては「せっかくある所得控除を縮小・廃止しようなんてもったいない」と思っています。努力を積み上げて社会進出を果たしている女性から見て、これを不要と考える気持ちもわかりますが、育児や介護、場合によってはリストラなどの事情で、いつなんどき自分が専業主婦(主夫)の立場になるかわからないからです。

働く・働かないは自分の意志で自由に決められて、子供を預ける先も不自由することなく、いつでも働く場所を見つけることができるような、そんな社会環境が整っていてこそ、配偶者控除をやめられる状況が整ったことになるのではないか、そのように考えます。

さてよく「103万円の壁」という話が出ます。たとえば配偶者のパート収入が103万円を超えると、所得税・住民税の控除対象配偶者に該当しなくなるため、配偶者控除を受けられなくなるという話です。

103万円という金額ばかりが有名になっていますが、これはパート収入などの給与所得を前提としている話にすぎません。配偶者控除の対象となる「控除対象配偶者」の定義は、「合計所得金額が38万円以下であること」とされています。

もし配偶者が103万円の給与所得だけである場合には、給与所得控除65万円を差し引いて38万円が配偶者の合計所得金額となりますので、パート収入の場合には「103万円の壁」となるわけです。

最近、友人から質問を受けました。妻が個人事業を始めたのだけれど、103万円の壁があるのかという質問です。

結論から言うと、奥様の所得が事業所得だけの場合には、収入金額から必要経費を控除した金額が38万円以下かどうかで判定します。ただし青色申告承認申請書を提出して帳簿をつけている場合などでは最大65万円の青色申告特別控除を差し引くことができますので、この65万円控除後で合計所得金額が38万円以下かどうかの判定を行います。

女性の社会進出を考えると給与所得者ばかりではありません。事業を始める配偶者も増えてくる中で、育児などが理由でフルタイム稼働ができるようになるまでは夫の配偶者控除で家計がサポートされることは歓迎すべきなのではないかと思います。

なお配偶者の合計所得金額が38万円を超えても、それが76万円に達するまでは配偶者特別控除を受けることが可能です(ただし本人の合計所得が1,000万円を以下の場合に限ります)。

配偶者特別控除とは、配偶者の合計所得が38万円を超えた瞬間に控除がゼロとならないように、配偶者の所得に応じて段階的に控除額を縮小しようとするものです。すわなち実際には「103万円の壁」ではなく「103万円の坂」と言い換えてもいいかもしれません。

この配偶者特別控除の知識がないことで、坂を壁だと思い込み、年末になると103万円でパート収入を寸止めすることに熱心になる方が多いようです。

ところで社会保険では、配偶者の所得ではなく収入見込みが130万円か否かで扶養判定をすることになっています。パート収入であれば比較的判定が容易ですが、個人事業の場合には、所得税での青色申告特別控除が認められないことに加えて、どのように見込みをするかなど判定に難しい面があります。年金事務所や社会保険労務士に相談することをおすすめ致します。

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