コラム

 公開日: 2010-09-21 

パワハラ・リストラ解決に金銭 労働者の申し立て増加


日経グローカル
不況で解雇されたり、パワーハラスメントを受けたりした労働者が、個別労働紛争解決促進法の「あっせん」を申し立て、会社側から解決金を得る例が全国に広がっている。
2009年度には、労働局だけで7821件の申し立てがあった。
労働者の多くは金銭解決と引き換えに退職を受け入れるが、解決金の額は40万円以下と低めで、基準のなさが問題になっている。

「東北の人というと、言いたいことをぐっとこらえて辛抱するイメージがあるが、若い人はそうではない。解雇されたままではなく、会社にも責任を取らせたいと考え、これだけ欲しいと計算書を用意して相談してくる人もいる」

山形労働局の松岡隆夫労働紛争調整官は、最近の相談者の気風の変化をそう説明した。
同調整官は09年度に129件と、前の年度に比べ9%増えたあっせんの多くを手掛けた。
「(リーマン・ショック後の)08年10~11月からは非正規社員、09年3月からは正社員の相談が目立つようになった」と話す。

あっせんは01年施行の個別労働紛争解決促進法で導入された手法だ。
都道府県労働委員会や労働局などが申請を受け付ける。
労働現場の実情に即し、紛争を迅速かつ適正に解決することが目的だが、実態は金銭の支払いによる解決そのものだ。
労使双方の申し立てが可能だが、ほとんどは労働者側によるもの。
ただし開催には労使の合意が必要だ。

この欠点を補う方法を考えた労働局もある。一例が埼玉労働局だ。
苧谷(おたに)秀信局長は「あっせんが不調でも、労働審判や訴訟にスムーズに移行できるよう地元弁護士会と連携した。市町村の広報誌にも広報を依頼した」という。
その結果「口コミで情報が広がり09年度のあっせん受理件数が 468件と前の年度の2倍に増えた」(同局長)。

労使が開催に合意した場合、大学教授や弁護士や特定社会保険労務士のあっせん人を中心に、労働局や労働委員会に話し合いの場が設けられ、1~3回の会合で解決金の額が決まる。

解決金は09年度の山形労働局の平均額で28万2千円、埼玉労働局の解雇が対象の事例は41万円だった。
労働政策研究・研修機構の濱口桂一郎統括研究員の研究でも、正社員の場合、解決金の額は10万円以上40万円未満が52.5%に集中した。
会社側のいじめ・いやがらせを理由とする場合は、解決金額が若干高くなる傾向があった。

この金額について関係者の多くは「やや低めの額だと思う」とみる。
だが、労働法にはトラブルの金銭解決の規定がないため、解決金額を推定する上で基本になる裁判例の蓄積がない。
解雇無効を争う裁判は多いが、内容は地位保全と不払い賃金の支払いを求める訴えで、直接の参考にしにくいという。
制度が活用され、金銭解決が定着しているだけに、基準のなさが新たな問題として浮上している。
(以上、記事より)

全国的にみても、あっせん申し立ては増加傾向にあり、労使間でのトラブルに対し労働者側が何かしらの解決方法を求めているのは明らかです。

記事にあるようなパワハラなどいじめによる退職でなくとも、退職する際には、仕事に対する不満というよりは上司や同僚との人間関係に対する不満が原因で、これが会社に対する不満となっているものが多いようです。

企業に対するコンプライアンスは当然のものとされてきている中、永遠のテーマともいえる人間関係をいかに良好にしていけるかというソフト面での対策を求められているという点は、常に認識しておくべきなのでしょう。

「働く人があっての企業、企業があっての働く場」
このバランスがとても大事であると常々思っているところでもあり、社会保険労務士に求められているものでもあると捉えています。

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