コラム

 公開日: 2013-12-11  最終更新日: 2014-07-31

休職期間の長さはどのくらいが妥当か


休職期間に関する相談がありました。

以前より会社を休みがちな社員がいます。この度、かかりつけの医師が「メンタル不全により1ヶ月の自宅療養を必要とする」という内容の診断書を出したとして、会社に提出をし休職させてほしいと申し出があったとの事。

会社としては、申し出を承認しても構わないか、その場合の休職期間は1ヶ月とすればいいのかというものです。

休職とは、社員が労務を提供することができない、または提供できない理由が生じた場合に、使用者=会社が労働契約を残したままで労務提供を一定期間免除することです。

本人から休職を希望されたから認めるというのではなく、会社が本人の就労状況を確認した上で、健康な状態で労務を提供してもらえないと判断し、主体的に休職を命じて休んでもらうものです。

また主治医は日常生活ができるかかどうかで判断しますが、産業医は現状の業務を問題なく行えるかどうかを判断し診断します。

このような場合は、産業医の診断が重要となります。従業員数が50名未満で産業医の選任要件を満たしていない場合は、会社が指定する医師の診断により休職させるか判断します。

では休職期間の長さはどの程度が妥当なのでしょうか。

これは企業規模・業務内容により異なります。

よく大企業の就業規則やひな型をそのまま流用し、休職期間が勤続年数に応じて設定されていたり、2年と長期間になっているケースがあります。

企業規模が大きく、本人が休職しても業務に支障が生じない程度に他の社員で補充が可能であれば、休職期間が長くても問題はないでしょう。

中小企業では従業員にあまり余裕もなく、長期間の休職では業務に支障が生じる場合も多いため、休職期間は数ヶ月程度とします。

最近は精神疾患による休職が増えており、復職できない場合の解雇猶予措置としての意味が重要となります。

通常、休職と復職はセットで定められますが、この休職・復職とも法律で決められているものではなく、企業がどう定めるかにより内容も異なってきますので、休職をルールとして運用するには就業規則に定めておく必要があります。

では就業規則に休職・復職ルールが定められていない場合は、どうなるでしょう。

この場合、状況によっては解雇権濫用ともされかねませんので、私傷病により長期欠勤となっている社員を、すぐに解雇するのではなく、一定期間の欠勤を認め休職と同様の扱いをとってから解雇とする形にすべきと考えます。

欠勤を経て休職を指示する場合、欠勤期間をどうカウントするかという点もよく問題になります。

就業規則に「欠勤となってから〇日経過した場合~」と定めているものを、よくみかけます。この形では、起算日がいつになるのか、一度欠勤状態から元に戻り、再度欠勤を繰り返した場合は、休職を指示する事ができないのか、など疑問が生じてきます。

この休職を指示するまでの欠勤期間をどうカウントするかについては、一定期間内に一定数以上の欠勤が生じている状況であれば、休職を指示するという方法もありますし、欠勤期間を具体的にカウントせず、労務不能な状態が見られた時点で休職を発令するとする方法もあります。

休職期間中の社会保険料負担など、社員自身には相応の負担も発生します。企業側にも同様に負担が残ったままとなります。

休職・復職は、企業規模や実情に応じて個別に設定するものといえます。



★オフィシャルページもご覧ください
http://www.nari-sr.net/


この記事を書いたプロ

社会保険労務士法人スマイング [ホームページ]

社会保険労務士 成澤紀美

東京都渋谷区幡ヶ谷2-14-9 ヤナギヤビル4F [地図]
TEL:03-6300-0485

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
なりさわ社会保険労務士事務所 成澤紀美さん

元システムエンジニアならではの視点で、IT業界の人事労務の問題を解決します(1/3)

 新宿から京王新線で2つめの幡ヶ谷駅から徒歩1分。代表の成澤紀美さんを中心に、ほとんどが女性スタッフで構成される「社会保険労務士法人スマイング」は、とくにIT業界に特化して、人事労務のさまざまな問題に取り組んでいます。実は成澤さん自身が、も...

成澤紀美プロに相談してみよう!

朝日新聞 マイベストプロ

IT業界の人事・労務トラブル解決、就業規則に強み

事務所名 : 社会保険労務士法人スマイング
住所 : 東京都渋谷区幡ヶ谷2-14-9 ヤナギヤビル4F [地図]
TEL : 03-6300-0485

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

03-6300-0485

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

成澤紀美(なりさわきみ)

社会保険労務士法人スマイング

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
プロのおすすめコラム
社労士業務の専任担当者、給与計算実務経験者を募集中です

現在、業務拡大に伴い、社会保険労務士業務である各手続専任担当者と、給与計算業務担当者を募集しています。!...

不祥事を抑制する、会社の「価値観」の共有
イメージ

大企業を始めたとした企業の不祥事のニュースが絶える事がありません。なぜ、不祥事は繰り返されるのでしょうか...

[ 人事・労務 ]

働き方は量より質へ
イメージ

長時間労働、過重労働が問題になる中、在宅勤務を活用し、場所に捉われない働き方=モバイルワークを、企業が積極...

[ 人事・労務 ]

大学の就職内定率は、過去2番目の高水準
イメージ

文部科学、厚生労働両省の調査によると、来春卒業予定の大学生の10月1日時点の就職内定率は、前年同期比4.7ポイン...

[ 人事・労務 ]

「何のために働くか」という調査結果、「生活のため」が大半
イメージ

「何のために働くか」の調査によると、「今の仕事が好きか嫌いか」では、好き24%、嫌い27%、好きや嫌いという感...

[ 人事・労務 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ