コラム

 公開日: 2013-04-26  最終更新日: 2014-07-31

【ワンポイントQ&A】36協定に100時間の残業を明示したい

【今回のワンポイント】
1.延長できるのは「臨時的な理由」に限られる
2.限度がないとはいえ過重労働になり過ぎないよう注意が必要


協定についての質問です。

繁忙期に月100時間~200時間の残業が発生することがあります。

特別条項付きの協定を結べば、限度時間を超える時間を延長時間にできると聞きましたが、仮に労使の合意がとれたとして、月100時間や200時間の残業時間を設定することは可能なのでしょうか。


労働基準法で定める法定労働時間(1日8時間、1週40時間)を超えて労働させたり休日に労働させる必要がある場合に、36(サブロク)協定を締結し、労働基準監督署へ届け出をしなければいけません。

しかし業種や職種によっては、36協定に定める限度時間を超えて労働しなければならないときもありますので、これを一定の要件の下で認めているのが「特別条項」になります。

特別条項付き36協定を締結する際は、以下の事項について定める必要があります。

1)本来の36協定としての延長時間
本来の36協定の延長時間を限度基準の範囲内で定めます。
(1か月45時間、1年360時間)

2)特別の事情
「特別の事情」については「臨時的なものに限る」とされています。(H15.10.22 厚生労働省告示355)
「業務の性質上やむを得ない」は認められません。

3)手続きの定め
一定期間ごとに「特別の事情」が生じた際に、どのような手続きによって延長時間を超えて労働させるかを定めます。
手続きとしては、協議・通告など労使間で合意した方法によるものとするのが一般的で、手続きの内容等は、書面等で明らかにしておく必要があるとされます。

4)特別延長時間
「一定期間の延長時間×限度回数」が収まる範囲で定めます。

5)限度時間を超える期間の回数
限度時間を超える期間の回数については、1年の半分を超えないように定める必要があります。


特別条項付きの36協定を締結する際に、限度となる時間は法的には示されていません。

この特別条項付きの36協定は、一時的または突発的に時間外労働を行わせる必要がある際に定めるもので、全体として1年の半分を超えないことが見込まれる臨時的なもの限り認められるものであり、常態として労働時間を延長することを認めたものではありません。

限度時間について行政では、「できる限り短くするように努めなければならない」とされ、「働きすぎ」を抑制することに重点を置いている事から、特別条項付36協定そのものが労働基準法違反にあたらないとしても行政指導の対象となる可能性は否めません。

長時間労働は、メンタル面での不調や様々な疾患の原因となる事があり、労働安全衛生法第66条第8項では、時間外・休日労働時間が1ヶ月あたり100時間を超え、かつ疲労の蓄積が認められるときは、医師による面接指導を義務付けています。(1ヶ月あたり80時間を超える者については努力義務)

これらを念頭に、無理のない時間設定をする、または過重労働になるおそれがあるようであれば、人員配置を検討するなどが望ましいでしょう。



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