コラム

 公開日: 2010-10-25 

11月は「労働時間適正化キャンペーン」


厚生労働省は10月21日付で、11月に実施する労働時間適正化キャンペーンを発表しました。

毎年11月には労動基準監督署のキャンペーンがあり、昨年と同様の趣旨となっており

今年も
(1)時間外労働協定の適正化等による時間外・休日労働の削減
(2)長時間労働者への医師による面接指導等労働者の健康管理に係る措置の徹底
(3)労働時間の適正な把握の徹底

を中心とした取り組みを実施するとしています。

これに伴い、労働基準監督署の調査が盛んに行われる時期でもあります。

上記もある通り、この時期の調査は「残業に関すること」が重点的に調査されます。

残業の取り扱いについては、
1)本人が勝手に残業したものでも残業代支払いが必要となる場合
2)労働時間の捉え方

が大きく影響してきます。

会社には「労働時間を適正に把握する義務」があります。

通達では、
労働時間の適正な把握を行うべき対象労働者は、いわゆる管理監督者及びみなし労働時間制が適用される労働者(事業場外労働を行う者にあっては、みなし労働時間制が適用される時間に限る。)を除くすべての者とすること。なお、本基準の適用から除外する労働者についても、健康確保を図る必要があることから、使用者において適正な労働時間管理を行う責務がある・・・

とされています。

残業に関する時間把握だけではなく、健康確保の点からも時間管理を求められているという事になります。

長時間の労働時間は、労災の認定基準にも関係してきます。

厚生労働省労働基準局労災補償課は、2001年12月に、これまでの認定基準に加えて新たに「長期間にわたる過重負荷」の考え方を導入し、最高裁判決に対応するとし、これまで否定してきた「長期間にわたる業務による疲労の蓄積と脳・心臓疾患の発症との関連」を認めるとともに、疲労蓄積のもっとも重要な要因である長時間労働について以下のような目安を示しています。

(1)発症前1ヶ月間におおむね100時間を超える時間外労働が認められる場合
(2)発症前2ヶ月間ないし6ヶ月間にわたって、1ヶ月あたりおおむね80時間を超える時間外労働が認められる場合
(3)発症前2ヶ月間ないし6ヶ月間にわたって、1ヶ月あたりおおむね45時間を超える時間外労働が認められる場合

このように、労働時間の問題は「残業代」だけの問題ではなく、「労災責任」にまで及んできます。

労災は、会社に責任を問うものです。
場合によっては、会社の責任をめぐり裁判となることもあります。

裁判となり、時間も労力も取られるような状況にならないためにも
就業規則で残業等のルールを明確にし、労働時間・健康管理を行うことが重要になります。

「まだ大丈夫」ではなく、問題を先送りせず、人員の再配置や業務を見直し、余力があるうちに自社の状況を確認し改善していくことが肝要です。


平成22年度労働時間適正化キャンペーン実施要領
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000uefi-img/2r9852000000ugp6.pdf

労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関する基準について
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000uefi-img/2r9852000000ugqb.pdf

過重労働による健康障害防止のための総合対策について(基発0212001号)
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000uefi-img/2r9852000000ugpe.pdf

脳・心臓疾患の認定基準の概要
http://www.mhlw.go.jp/houdou/0112/h1212-1.html

賃金不払残業の解消を図るために講ずべき措置等に関する指針
http://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/2r9852000000uefi-img/2r9852000000ugpu.pdf

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