コラム

 公開日: 2016-10-11 

表面利回りはあくまで目安。投資の成否は「所有期間利回り」で決まる

皆さんこんにちは。
和不動産の仲宗根です。
本日テーマは、【表面利回りはあくまで目安。投資の成否は「所有期間利回り」で決まる】についてです。

高利の表面利回りに飛びつくのはNG

不動産投資において、最も気になるのが利回りの数字ではないでしょうか?

確かに不動産を購入していくら収益が上がるのか、利回りに左右されます。利回りは投資物件の購入を決める判断基準の一つになります。しかし、この利回りにはさまざまな種類があるのをご存知でしょうか?

今回は、どのような種類があるのか、それぞれの意味やどんな時に役立つのかなどを解説したいと思います。また、最初に見せられた表面利回りの高さで判断してしまうと投資が失敗に終わることもあります。そのあたりの仕組みについてもご説明いたします。

haikei

不動産投資における利回りの種類と特徴

利回りとは、投資額に対してリターン(収益)がどれくらいあるかを測る指標のことを表しています。預貯金や債券、株式といった金融資産を運用する場合など、一般的に使われ用語です。

不動産投資における利回りは、投資額に対してどれほどのリターンが得られるかを見極める物差しだと思ってください。不動産投資では、利回りの種類を大きく分けて、表面利回り(グロス)、実質利回り(ネット)、ROI(投資家資本利益率)の3つがあります。では、ひとつずつ確認していきましょう

表面利回り(グロス)とは、年間の家賃収入の総額を物件価格で割り戻した率です。 以下の数式で表されます。

●表面利回り=年間収入÷物件価格×100

投資用物件を探していると「表面利回りで○%以上」と言った、興味をそそらせるような記事をしばしば見受けますが、これはこの数式での計算で出せる指標です。

たとえば年間の家賃収入が700万円、物件価格が7000万円であれば、
700万円÷7000万円×100=10% これが表面利回りのパーセントとなります。
ただし、この数字は、多くの判断材料の中のひとつに過ぎず、現実とは異なることも多々あるのを忘れないようにしましょう。あくまで目安であることを念頭においてください。
表面利回りは「想定利回り」と表示されていることもあります。それは、現在は満室ですが入居者がいると想定した賃料から算出した参考収益指標という意味が含まれています。

続いて、実質利回り(ネット)についてですが、こちらは年間の家賃収入から管理費や固定資産税など諸経費を差し引いた額から、さらに購入時の諸経費(登録免許税など)を反映させ計算します。 以下の数式で表されます。

●実質利回り=(年間収入-諸経費)÷(物件価格+購入時の諸経費)×100

たとえば年間家賃収入700万円、物件価格7,000万円、購入時の諸経費400万円、不動産保有時の諸経費が年間100万円の不動産に投資する場合は以下のようになります。

実質利回り(%) (700万円-100万円)÷(7,000万円+400万円)×100=8.1%

不動産投資は、表面利回りの高さだけで判断するのは時期尚早です。 実質利回りは、表面利回りと異なり、諸費用を含んだ計算なので現実に近いと言えます。
実際に1年間にかかった税金、管理費などの諸経費を差し引いて計算していますので、より正確な収益性を知ることができます。不動産投資においては、この実質利回りを重視すべきです。
年間の支出費に含まれる物として、建物管理費・修繕積立金・固定資産税・都市計画税・火災保険料、税理士・弁護士などの報酬費用が含まれます。

ただし、実際には修繕費用など予想外のランニングコストなどがかかってきます。それは、同じRCマンションでも、規模や構造で異なります。購入前に、実態に近い形で計算できるようにしっかりと物件の構造等も調査することをおすすめします。

特に築年数で、利回りが変わるので注意してください。一般的には、築年数が古いマンションの本体価格が安くなり、家賃相場がそれほど下がっていないため、表面利回りは「8%」以上の物件も多いようです。しかし、管理面での修繕積立金などが高くなるため、実質利回りは「5~6%」といったところでしょう。

一方、建設してから10年未満の築浅マンションは、本体価格が高い分、表面利回りは「6~7%」の物件が多いです。ただし、建物が新しいので管理費・修繕積立金は古いマンションより安く設定されておりランニングコストが抑えらます。したがって実質利回り は「4.5~5%」の物件が多いようです。

まず表面利回りを見てみて、その後必ず実質利回りを算出してみることが大切です。表面利回り、実質利回り、それぞれ物件を比較するときの第一段階の目安という程度に考えておきましょう。

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現時点での利回りだけではなく、将来の売却の動向までを見極める

ROI(投資家資本利益率)について補足します。ROIは、不動産投資の効率性の指数と前述しましたが、詳しく言うと「初期に投じた自己資金を1年当たりどれくらい回収できたか」を示す指標だと言えます。

「年間キャッシュフロー÷投資金額×100=ROI」という数式でした。

ROIが高いと投資効率が高いことを表し、同時にレバレッジも高いということになります。したがってリスクも高いということを表しているので、どのように投資家としてコントロールするか腕の見せ所となります。

これらの3つの利回りには、共通点があります。それは、どれも将来を見込んでおらず、「現時点」での裏付けに則した推測であるということです。最初から現実味が薄い表面利回りだけではなく、実質利回りやROIであっても、入居者の入れ替わりなどは、予測がつきません。修繕費用が予算オーバーすることも十分にあり得ることです。

「それでは困る、将来の見通しをもっと立てたい」と思われる方は、将来の不動産動向を加味した利回り計算をする必要があります。


そのためにはどのような計算をすれば良いのでしょうか?
その計算方法についてご説明する前に、現時点での利回りだけでの判断の危険性について申し上げます。
現時点での表面利回りの高さに飛びついて物件を購入すると、失敗するので気をつけないといけません。
たとえば、5000万円の物件が2つあるとしましょう。ひとつは、表面利回りが16%、もう一方は10%の場合、オーナー様ならどちらを購入しますか?
利回りが16%の物件を買う方が良いと思いがちですが、そうでしょうか? もっと将来を見据えるのが不動産投資です。

20年後を想像してみてください。20年後、利回りが高かった物件が半額に値下がりをして、利回りが低かった方は価格変動がなかったとしたらどうでしょうか。
たとえ高い利回りで家賃収益が上がっていても、売却損が生じればその投資は失敗だったということになります。
同じ価格の物件が、20年後にこのような明暗を分けることは本当にあるのかと思われるかもしれませんが、地方であれば値崩れの可能性は大きいでしょう。

一方、都心では利回りが低い傾向ですが、それだけ都心の物件は価格が下がりにくいからだと言えます。ベストなのは価格が下がりにくい物件を高い利回りで購入することかもしれませんが、そうそううまい話はありません。
むしろ、現時点で高利回りの物件はとても危険な要注意物件であることをしっかりと記憶しておいてください。

不動産投資は物件の購入だけではなく、売却を済ませるまでの長い道のりが取引となります。売却の動向までを見極めることができないといけないのです。

「所有期間利回り」のシミュレーションを活用

将来について確約することは誰もできませんが、物件の立地、築年数、構造、空室率などを考慮し、より実態に近いシミュレーションを作ることができます。それが、「所有期間利回り」です。計算としては、大変複雑ですが、数字を調整しながら何度も試算できるので検討材料としてはおすすめです。

以下が数式になります。まずは、売却時キャッシュフロー総額を算出しなければなりません。

●売却時キャッシュフロー総額=インカムゲイン累計+売却時キャピタルゲイン
         ↓
●所有期間利回り(%)=売却時キャッシュフロー総額÷自己資金×100÷所有年数

ただし、インカムゲインを算出するにはランニングコスト、減価償却費、利息などさまざまな費用を計上し数値化しなければならないので、自分で計算するのはなかなか難しいと思います。
今は、自動的に計算しシミュレーションしてくれる計算ツールがあるので、それらの便利なツールを活用して行うのがベストです。パソコンに「不動産投資シミュレーション」と打ち込んで検索すればすぐにわかりますので使ってみてください。

このシミュレーションにより所有期間利回りを容易に算出することが可能になり、最終的なリターンを知ることができます。そのリターンの数字を見て、それが十分な利益だと言えるのかどうなのか判断し、納得のいく数字であれば投資を決断しましょう。

では、不動産投資において重要事項を整理してみます。まずは、表面利回りの高さだけで判断しないこと、次に長いローン返済終了時の価格、また途中で売却するパターンの価格等、さまざまな売却のタイミングも考慮すること、そして売却してこそ最終的なリターンが確定するということです。最も注意したいのは、最終的な損失を防ぐことです。

不動産投資は、単純に賃貸マンションを経営するだけではなく、とても奥が深いのです。

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今回のコラムは、ここまでです。最後までお付き合い頂きましてありがとうございます。次回のコラムもお楽しみに!
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