コラム

 公開日: 2016-01-09 

投資用ワンルームマンションの運用で抑えておきたい税金

皆さんこんにちは。
和不動産の仲宗根です。
本日テーマは、【投資用ワンルームマンションの運用で抑えておきたい税金】です。

ワンルームマンション投資に関わる税金、本当のところ

投資用ワンルームマンションを購入した後、オーナー様から子ども達などに資産として相続する場合、その評価額に応じた相続税を支払わなければなりません。

また、自らの資金を元手として利益を得ることを目的とする投資は、紛れもなく事業と見なされます。たとえそれが、サラリーマンの副業的なものであっても、何らかの利益を得ている以上は例外ではありません。そのため、ワンルームマンションを運用した投資を行うと、収益の事業に関わる所得税を納める義務が発生します。

このように、ワンルームマンションをはじめとする不動産投資を行うにあたっては、常に税金の支払いという義務が付きまといます。しかし、日本国民である以上は当然のこととはいえ、上手に節税して何とかその額を抑えたいというのは、人間心理として致し方のないところでしょう。
ここでは、マンション投資に関連して最低限覚えておくべき税金の仕組みを解説していきます。また、そこに関わる「必要経費」や「減価償却」、「帳簿上の赤字」といったキーワードを紐解きながら、そこに垣間見える節税効果に関する本当のところを紹介していきます。

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中古ワンルームマンションが持つ、相続対策としての優れた特性

親から子へ、子から孫へ。資産は相続によって受け継がれていくものです。
相続させる方(親)からしてみれば、相続する方(子・孫)に、少しでも多くの金額を、少しでも損をすることのない方法で受け継がせたいのが本音だと思います。

一定以上の資産を相続する場合、評価額によって割り出された税額の「相続税」を支払う必要があります。現金をそのまま相続するのであれば、額面金額がそのまま相続税計算のベースとなる相続税評価額となります。

一方、現金を投資用の不動産に組み替えて相続する場合、その評価額は1/3〜1/4程度にまで圧縮することができます。一時期、相続税を圧縮するための方策としてこの制度を活用し、借金をしてまでアパートを1棟買いするような投資方法がもてはやされたことがありました。
その結果、郊外や地方都市の利便性の悪い立地にまで投資用のアパートが数多く建設されるという、あまり歓迎すべきではない現在の不動産事情を生み出してしまいました。

そのように立地条件の悪い投資用の不動産は、相続税を節税するという一時的な対策にはつながるものの、以降は高い空室リスクに悩まされ続けるという、経済的に不利な事態を招いてしまいます。事実、バブル期によく見られた転売目的の不動産投資家の多くが多額の借金を抱えているのと同様、節税のみを目的として投資用物件を購入した人の多くが、大きな損益を抱えて困窮しているという例も少なくありません。

さらに前述のような1棟買いでは、遺産分割がしづらいという欠点もあります。このため、1棟のアパートを複数の相続人が共有する形となる場合もあり、取り分などで揉め事が生じやすくなります。また、売却するときなどにも全員の同意を取りつけなければならず、立地条件による売却のしづらさも加わって、相応な労力が必要となるのです。

不動産資産での資産相続を考えた場合には、1棟買いのように後々のリスクが大きいものではなく、東京23区内の中古ワンルームマンションへの組み替えが最適であるといえます。
中古ワンルームマンションも、相続税評価額を1/3〜1/4まで圧縮できるために、相続税対策に適したものです。加えて、そもそも区分登記されているので分割がしやすいという、1棟買いにはないメリットがあります。23区内の物件であれば賃貸需要が大きいために、いざというときの売却でも買い手に困ることはありません。

このように、東京23区内での中古ワンルームマンションは、目先にある相続税の「節税」という課題に対して非常に有効な資産となります。相続された以降も家賃収入が見込めるといったプラスの恩恵もあり、親から子へ、子から孫へと受け継がれる資産として非常に優れた特性を持っているといえるのです。

総収入額から決まる、不動産投資に関わる所得税額

しかし、不動産投資に関わる税金は、ここまで見てきたような相続税に関するものだけではありません。収入が続くことになれば、当然のことながら所得税を納める必要があることを忘れてはいけません。実際にマンション投資を行う上では、まず家賃収入による所得税がどのように計算されるかを知っておく必要があります。

オーナー様がサラリーマンなどの給与所得者であり、不動産投資も行っている場合、所得税額は給与額+不動産所得の総収入額から各種控除額(扶養控除、社会保険控除など)を差し引いた「課税所得額」に応じた税率で決まります。1年間の不動産所得に対する所得税を計算し、確定申告をして税金を納めることとなります。

課税所得金額が195万円以下であれば税率は5%、以降は金額が上がるにつれて税率が上がり、4000万円を超えれば45%となります。
給与500万円、不動産所得100万円で合計が600万円の場合、所得税率は20%です。この場合は不動産所得にかかる所得税として、100万円×20%の20万円を納める必要があります。

給与500万円、不動産所得200万円で合計が700万円の場合、「695万円超」という所得税率の境界があり、少し計算が複雑になります。不動産所得200万円のうち、合計が695万円以内となる195万円分に関しては20%の税率が適用されますが、695万円を超えた5万円分には23%が適用されます。これを計算すると、40万1500円が納めるべき所得税となります。
所得税率の境界は7段階で定められていますので、自身の所得に応じた税率を確認しておく必要があります。

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必要経費として認められる、物件管理の費用

ここで言う所得税額の計算のベースとなるのは不動産所得であり、家賃収入そのものではありません。不動産所得とは、家賃収入(礼金、更新料なども含む)から必要経費を差し引いたものを指します。家賃収入が大きくても、必要経費が大きくなれば結果的に不動産所得が小さくなるのです。

不動産所得における必要経費として計上できるのは、以下のものが認められています。不動産を第三者に貸して家賃収入を得るために必要なものとして、建物管理会社に支払うもの、ローンに関するもの、保険料、税金、減価償却費、その他に大きく分類することができます。

建物管理会社に支払うものには、管理費と賃貸管理代行手数料が代表的な費用として挙げられます。
管理費とは、その会社が行う設備の保守管理・共有部の清掃・消防設備の法定点検業務・管理組合の運営などに対して支払う費用です。賃貸管理代行手数料は、家賃の集金代行・入居者募集・トラブル対応・各種契約業務などに関わる手数料です。いずれも不動産の管理業務そのものに関わるもので、避けて通ることのできない費用といえるでしょう。

この他、将来的な大規模修繕を見越して建物管理会社に支払う修繕積立金も必要経費として認められます。ただし、不動産を売却する際に修繕積立金が返却される契約もあり、この場合は必要経費として認められませんので、規約などをあらかじめ確認しておかなければいけません。

必要経費にできるものとできないものの区分

不動産を購入する際には、ほとんどの場合でローンを使用することになりますが、ここでも必要経費として認められる部分があります。ローンに関する費用のうち、ローン保証金と返済額のうちの利息部分のみが必要経費に該当します。
注意すべきなのは、元本返済部分は必要経費として計上できない点です。実際には、ローンは利息と元本部分を合算して返済するのですが、その内訳を明確に区分して計算する必要があります。

マンションに住民が入居する際に不可欠となる損害保険(火災保険・地震保険)料も、必要経費として認められます。ただし、仮に保険料を全額前払いしても、1年につき1年分しか必要経費として計上することができません。

不動産購入時および保有し続けることで発生する各種の税金については、必要経費として認められるものと認められないものがあります。計上できるものとしては、不動産取得税と購入に伴う印紙代、毎年課税される固定資産税があります。一方、所得税と住民税は計上ができません。

減価償却費については、節税に関する項目で後述します。

その他にあたる部分としては、入居者が退去した後の修繕費、設備(エアコン、給湯器など)交換費用といった、建物そのものに関わる実費があります。なお、修繕費の中で原状回復のための費用は単純にその年の必要経費とすることができますが、不動産の価値を向上させるような修繕を行った場合は、利用可能な期間に分割して計上することになります。
また、上記の確定申告に必要な申告書の作成を税理士に依頼した場合の手数料も、必要経費として計上できます。

交通費や通信費なども、私生活で消費したものや必要以上の金額は計上できませんが、不動産経営に直接関わる部分(管理会社とのやり取りで利用した費用、物件の確認のために移動した費用など)は必要経費として計上できます。

不動産所得で必要経費と認められないものを整理すると、オーナー自身の自宅に関するもの(修繕費や保険料など)、私生活で消費した費用(食費や光熱費など)、ローン返済額のうち元本返済分などがあります。

なお、不動産を保有し続けて所得を得るのではなく、売却したときの必要経費についても、以下のような区分けがあります。
売却によって生じた損益は必要経費として認められません。売却に伴って生じる仲介手数料、立退料、取壊し費用などは必要経費として計上することができます。これらは恒常的な課税対象ではありませんが、いざというときのために押さえておいた方が良い知識です。

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確定申告によって、払い過ぎた所得税が還付されることも

ここまで所得税の詳細を見てきましたが、不動産投資が所得税全体の節税につながるという認識も一般的になっています。確かに節税になるケースも考えられますが、不動産を長期に渡って所有することを考えれば、あくまでも一時的なものと考えておくべきです。

とはいえ限定的ながらも、所得税の節税になるというのは事実です。
仮に、オーナー様が企業に勤める給与所得者である場合を前提として考えます。本来、所得税とは毎月の所得から額が計算され、それに該当する金額を納める税金のことです。企業に勤めている給与所得者の場合は、すでに所得税額が給料から天引きされ、その額を会社が代わりに納めている形になります。これを源泉徴収と呼びます。給料が所得の全てであれば、別途で所得税を納める必要はありません。

一方、不動産投資などで給料以外の収入がある場合、この時点で所得税を決めている給料の額と総所得額が異なってきてしまいます。従って自分自身で確定申告を行い、総所得額を計算して納税額を決定する必要が出てくるのです。ここで、新たに納税が必要なこともあれば、還付金としてお金が戻ってくることもあります。
給与所得が500万円であるケースで考えてみます。この給与所得に加えて不動産投資によって年間100万円の所得が得られている場合、総所得額は600万円です。このうち、500万円分に関する所得税はすでに源泉徴収されているので、100万円分に対する所得税額を申告して納付しなければなりません。

逆に、不動産投資で年間100万円の赤字となった場合、500万円の給与所得と差し引きした総所得額は400万円です。しかし、すでに500万円に対する所得税を源泉徴収されているため、赤字100万円分の所得税を余計に納めていることになります。この場合、確定申告によって払い過ぎた所得税分が返ってくる(還付)ことになります。

ただし、勘違いしがちなのが還付される金額です。上記の場合、還付される可能性のある金額は、給料500万円に対して源泉徴収された(=既に支払った)所得税額が最大であり、それ以上の金額が戻ってくることはありません。

減価償却による、帳簿上の赤字で節税効果が生まれる

上記の例で登場した、所得税が還付される根拠となる、不動産投資における「赤字」とはどのようなものを指すのでしょうか。
一般的に赤字といえば、収入以上に支出した分を意味し、手元にある金額が足りなくなる状況を意味します。

不動産投資における赤字とは、一般的な意味合いとは異なり、「帳簿上で売上を上回った費用」のことを指します。その素となるのが、先述の必要経費の項目でも挙げた減価償却費と呼ばれるものです。不動産は長期間に渡って消費されるのが前提のものであり、所得税の計算上、一年で消費されるものではありません。減価償却とは、一時的な費用(この場合、不動産の購入)を一括して計上するのではなく、利用可能であると想定される年数(耐用年数)で分けて費用化することです。

1000万円の投資用マンションを購入した場合を見てみましょう。もしも減価償却という考え方がなければ、購入した年は丸々1000万円という費用を計上した上で所得税が計算されることになります。その年は大幅な赤字となる一方で、翌年以降は費用ゼロの状態でマンションからの所得を得ることになってしまいます。
これが現実的・合理的ではないと考えられ、減価償却という概念が規定されているのです。

国税庁が定める、鉄筋コンクリート造の住宅用マンションは、耐用年数が47年とされています。耐用年数が20年残っている中古マンションを1000万円で購入した場合、減価償却を考慮すると1000万円を20年で分割して費用化することになります。減価償却費は計算上で便宜的に費用として計上されるものであり、実際は毎年の支出を伴いません。従って帳簿上は費用が上回った赤字の状態であっても、実際の現金の動きとしてはプラスになっていることがあるのです。上記の場合、帳簿上の動きとしては毎年50万円ずつ減価償却費として計上されていきますが、実際は50万円を支払っている訳ではありません。

所得税額は、手元にある金額で計算されるのではなく、帳簿上の利益によって決定します。例えば、年間の家賃収入が100万円であり、費用として20万円の支出を行った場合、手元に残る実際の不動産所得は80万円となります。
しかし帳簿上は、上記の例でいえば減価償却費50万円が計上されるので、計算上の不動産所得は30万円とされます。所得税は、後者の減価償却費を含む帳簿上の所得30万円で計算されるので、結果的にその差額分を節税と見なすことができるのです。

ここまでが、不動産投資による節税の大まかなあらましです。しかしこのような節税効果は限定的なものであり、節税の素となる減価償却による赤字も、いつかは黒字転換していきます。
また、節税や前述のような相続税対策、転売による短期的な収益を考えていては、相続人の間での諍いや投資そのものを失敗に導く要因ともなってしまいます。不動産投資の本来の目的は、長期に渡って安定的な収入を見込み、次世代に至るまでの確固たる資産を築くことにある、ということを忘れてはいけません。

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今回のコラムは、ここまでです。最後までお付き合い頂きましてありがとうございます。次回のコラムもお楽しみに!
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