コラム

 公開日: 2015-11-03 

大学。大学院でのコピペ等の論文の不正と研究室での指導

博士学位取り消しの一件

STAP細胞の一件がが、第一著者の博士学位取り消しというなんとも後味の悪い幕引きとなりました。

当事者の人となりはさておき、この一件の事実を淡々と追うと、20ページにわたるコピペの内容がしっくり馴染んでいたのか、はたまたそれ以外の問題があったのかなかったのか、気にかかるところです。

この問題に対して、大学での指導はどうなっていたのか、研究に対するチェックがなぜ入らなかったのかという指摘がありますが、もっともなことだと思います。

指導をスルーされてコピペしているケースが多い印象

Moon Circleでもこれまで多くの方の論文を色々な進捗段階でサポートさせていただきました。

その際、なぜ今まで、この内容でスルーされてきたのか、と時折驚くことがありました。
研究計画や第1章の「問題と背景」部分のほとんどがコピペでつぎはぎの貼り付けの人、統計分析の結果の基本的な分析が正しくなく、場合によっては悪意はないものの恣意的に歪曲している人、実験のデータの読み取り方が間違っている人、目的と仮説がかみ合っていない人などなど。

それらの方が共通して言われたことは、指導教官が指導してくれないということでした。
こんなのでいいのだろうかとか、こんなことやっていいのだろうかとか、疑問に思いつつも、特に指摘されないので、こんなものかと思いつつ、今までやってきたとのこと

指導の過程でコピペ・不正はわかる

受講生の方からご相談を受けた時、研究計画や用意されている調査票、実験計画、結果と分析、考察など、これまでに作成された資料を全部送っていただきます。

その後、その方のテーマに関して先行研究を検索し、精読します。
そして、その過程の中でコピペの部分はほぼ分かります。
また、コピペされている文章は、やはり流れ的に継接ぎで不自然ですし、文体も継接ぎで、何より、コピペされた部分と実際に書かれた部分の流暢さが甚しく違う場合が多いです。

また、書かれた文章に沿ってディスカッションしていくうち、よく咀嚼されないままコピペされていることが多いので、理解不足も露呈します。

そんな状況の中、私どものほうで研究の倫理をご説明しつつ、間違いを修正して、論文の洗練化を行っていきます。
受講生の方は論理的に辻褄が合わなくなったり、何かおかしいと自覚があってこられているので、もやもやしていたのがすっきりされたあとは、こちらからのサポートをすっと理解され研究に集中されていく余裕が生まれるご様子です。

しかし、私どもの方ではこのような過程を経ますが、実際の大学院では少なくない数の人が、よく分からない論文を提出して修了されている可能性を感じます

コピペは書き方を学ぶ一方策であるのだけれども・・・

初学の方が論文の書き方を勉強される過程でコピペから学ばれることは私は有効な方法だと思います。
指導の中でのディスカッションを通して先行研究を読み込んでいき、その過程でコピペしながら書き方や論理的な流れの作り方を学び、自分の研究の視点で咀嚼していくような書き方は初学の方にとって、とても勉強になります。

しかし、コピペで終わってしまったら、それはもはや研究ではありません。
もちろん意図的に盗作によるコピペは研究倫理の上からの指導が必要全くうけいれられるものではないことは言うまでもありません。

研究の指導が入らずスルーされることの恐ろしさ

前述したように著者と同じように周辺の先行研究を読み、真剣にその論文を読めばコピペはほぼ分かります。
ご指導の中でコピペがそのまま通ってしまうのは、論文をきっちりと読まれなかったのかなと思います。
それはラッキーではなく、露呈した時の結果を考えると恐ろしくもあります。

それともう一つ、指導が入らない怖さは、データの改ざんに目が行き届かないということ。
こればかりはきっちりと改ざんの有無を確認することは難しいです。
しかし、改竄された結果は往々にしてい歪で、他の研究結果から推測される結果と著しく離れていたり、何か不自然さを感じることが多いです。
少なくとも指導の段階で、生データから目を通されていたら、改善される可能性はかなり高くなると思います。

また、その研究がその分野で興味深いものであれば、追試が行われるでしょう。
その時点で、誰がやっても再現性がなかったならば、その研究の信頼性に疑問が生じ、最悪の場合、研究者としての経歴に汚点がつくことも考えられます。

大学教育がもつ旧来的な問題の露呈

今回の一件は、研究室の学生が研究で巣立つための指導という当たり前のことがなされているのか、大学としての教育の機能に社会の関心が集まるきっかけになったように思います。

一昔前、学級王国という言葉がありました。
小学校で、従順な子供たちを前に先生が縦横無人に王様のように学級経営をする様子をもじった言葉です。
今では子供達の人権を守る意識が高まり、かなり改善されているようですが、同じようなことが大学の研究室経営の中で行われている様子が、サポートをしながら見え隠れします。
アカデミック・ハラスメントのようにアグレッシブに出る横暴な王様や、何をどうしようともそれがおかしいとわかっていても誰からも何も忠言されない裸の王様、私は研究者で教育者ではないとタカビーな王様など。

STAP細胞は世間を騒がせた大きな不正問題でしたが、視点を変えると、高等教育の問題の「一端」が社会に露呈した一件であったように思います。
       
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