コラム

 公開日: 2015-07-15  最終更新日: 2015-10-15

質的研究って結局、主観でしょ?.......という問いに対して

色々な方のサポートをしていると、指導をする先生方の立場に、量的研究の信奉者グループ対質的研究の信奉者といった構図が見えることがあります。

目的に沿って、最適の方法はあるわけで、そういう視点ではなく、その方法は認めないというスタンスは本質を見失うようにお思います。

今日は質的研究の主観性を「薄める」ことについてまとめてみます。

質的研究の客観性

科学とか客観性という側面においては確かに、結果が純粋客観的な数値で表現される量的研究に軍配があがると思います。
しかしその一方で、「代表的」数値で置き換えられた結果は、もはやどこにも実在しない「対象」であって、そこには個々の特徴は平均化され、特殊性のあるケースは圏外に飛ばされてしまいます。

そこで、個々の特徴に焦点を当てるフィールドワークやインタビュー調査などの質的研究の意義が出てくるわけですが、しかしこの質的研究の問題として常に指摘されるのが、主観性を完全に排除できるかのということです。

質的研究の主観性との落としどころ

答えからいうとNo。完全には無理です。

このため、それを補うという方策が必要となります。

まず一つの方策は調査対象や調査を行った場の選択基準を明確に示すこと。
これによって、ある程度の客観性を高めることが可能となります。

しかし、前述したように最終的に100%の主観性を、排除することは難しい。

そこで、二つ目の方策として、というか、妥協点ですが、総合考察の終わりの方で、研究者がどのような立場でこの研究を行ったのか、とか、この研究でどこに限界があったかを明確に呈示することが考えられます。
これは言い換えれば、、納得の得られる妥当性を示す配慮をすることでもあります。。

また、質的研究の中で一つの対象について詳細な調査を行う事例研究の場合は、これまでの同領域の先行研究で得られている知見と関連付けて、総合的・系統的に分析して新たな知見を述べることによって、単に一事例の紹介でなく、研究としての意義をもたせることができます。


これまでのサポートで、インタビュー調査は話を聞き取る、事例研究はその事例を説明する=紹介する、という表面的なとらえ方で質的研究を考える方が時々おられたのっで、今日はこの記事を書こうと思いました。

質的研究をこれから行おうとする方は、主観性を「薄める」ことについても配慮しつつ進められてくださいね。

今日の記事がどなたかのご参考になれば幸いです。

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