コラム

 公開日: 2015-05-05  最終更新日: 2015-06-02

「歳なので無理かも」・・・は? …60代で大学院進学、臨床心理士・産業カウンセラー合格のケース…

モチベーションの高い社会人大学院生

数年前、学歴ロンダリングという言葉が闊歩していた時代がありましたが、今はおそらくそんな風潮は下火になったのではないでしょうか。

これまで私どもでサポートした方々の7割以上が社会経験を経られた後、大学院に進学された方でした。
こちらに問い合わせいただいた時点で選別されているのかもしれませんが、純粋に研究をしたい、資格が取りたい、研究者になりたい、大学教員になりたいという方ばかりでした。

そのようなケースの中で、60歳を過ぎて大学院進学をされたAさん(女性)のケースを今日はご紹介したいと思います。

Aさんからの最初のお問い合わせから始まった二人三脚

5年前の4月の末ごろにAさんから初めてのお問い合わせがありました。
Aさんからのご相談は、
    「念願の臨床心理系の大学院に進学したものの、
    講義についていけず、レポートもどのように書けば良いのかわからない。」
    「修士論文について漠然と興味をもっている題材はあるけれども、
    それをどうやって研究や論文の形にすればよいかわからない。」
ということでした。

Aさんは最初
     「2年で大学院を修了することは無理だと思っている。」
と言われましたが、
     「とりあえず2年で修了を目標に持ちましょう。」
とお話し、週二回のサポートをお引き受けして、最初は研究に使うツール、パソコンの使い方、ワードの使い方、エクセルの使い方からはじまりました。

修士論文のテーマについては、漠然とした興味関心をうかがい、先行研究の収集からはじめて、検索エンジンの使い方、キーワードのつかみ方からサポートし・・・という感じで最初は本当に小さな一歩一歩からはじまりました。

時間はかかりましたが、Aさんは非常にまじめに取り組まれ、サポートでお話したことをスポンジのように頭の中に吸収されて、そのうちまず文献検索の面白さに興味をもたれて、重要な文献をどんどん自分で見つけられるようになりました。
そしてそれらの文献を一緒に読み進めるうちに漠然とした関心が徐々に研究のテーマへと絞り込まれていきました。

英語についてはやはりブランクが長いので(数十年!!)資料文献の精読や、論文講読の講義についていくのは本当に大変で、セッションの1時間で数行しか進まなかったときもあります。
しかし、きっちりとメモを残されて整理して丁寧に読み進められたので、理解も進み、結果的には内容を自分の理解の中でしっかりと咀嚼され、論文執筆の際にはポイントを押さえた参照文献としてそれらの英語資料を活用されることができました。

修士論文のテーマ

色々な方のサポートをしていてつくづく思うことですが、やはり自分の問題意識から出発したテーマを選ばれている方は、スムーズに研究を進められているように思います。
この方もそうでした。
60代という年齢を逆手にとって、60代だからこそできるテーマに絞られ、アンケート調査とインタビュー調査の二本立ての研究を構成し、その道筋は大変な労力が必要であったものの、学術的には楽しく進められました。

そして、最終的には修士論文の内容を研究発表をし、学術論文としてまとめるまでの実力をつけられ、おこがましいようで恐縮ですが、自立されていくのにサポートさせていただいたやりがいを感じさせていただきました。
また、テーマがこの方の年代だからこそできるテーマだったので、大学院修了後もそのテーマの領域でご研究されている先生方からお声掛けがかかり、修士論文を中心に学術的な人間関係を広められている観があります。

大学院修了後

臨床心理試験をにらんで、在学中から非常勤の心理職のポストを探す根回しをいっしょに画策し、無給の研修生ではありましたが某病院のポストを確保して大学院の修了をむかえました。
大学院修了後の2年間は私どもの方では、病院勤務中はカウンセリングや臨床心理の研究についてのサポートと、臨床心理士、産業カウンセラー受験のサポートを継続して行いました。

その後、2つの資格試験も順調に合格され、60代後半となられた現在、この年代の方ゆえにお願いしたいというポストの紹介を受けつつも、仕事をを選択して、某クリニックのスターティングメンバーに起用されて仕事のスタートの準備をされてるところです。
また、私どものサポートとしては、コンサルティングいう形で引き続き、助言申し上げています。

現在は、一流の研究者の方々の並ぶ研究会へと積極的に参加されるなど研究も精力的に続けておられ、、将来的には、自分のカウンセリングオフィスをもつ設計をおもちで、着々と具体的に計画を進められている今日この頃です。

 「自分のカウンセリングオフィス」という言葉は、思い起こせば5年前に、Aさんが『実現できる気はしないのだけれど・・・」と前置きして「私の夢」として語られた内容でした。

何でもそうですが、一足飛びに夢に飛んでいくのは、本当に「夢」です(笑)。
しかし、出来るところの小さな一歩を積み重ねていけば、夢は現実になります。

「もう歳だからできない.」......は?........

確かに若い人のようにサクサクと高度な統計分析のソフトを使いこなすことは難しいかもしれません。。
非公式の研究会(いわゆる飲み会?)に度々顔を出したりする機会も十分にないかもしれません。
しかし、研究そのものに年齢は関係ありません。
むしろ、少数派の年齢層としての視点から研究に取り組むという発想を持つことも可能で、時にはアドバンテージになることもありす。

今日は60代のAさんのケースをご紹介しましたが、40代、50代でも大学院生として研究に取り組んでおられる方はたくさんおられます。

人生80年時代に突入した昨今、果敢に自分の可能性に挑戦する方々に今日の記事が参考になれば幸いです。

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