コラム

 公開日: 2017-03-27 

質のいい中古住宅を認定する「プレミアム既存住宅」とは?

中古住宅の「不安」「汚い」「分からない」払拭に向け、認定マークを付与

2016年12月19日に国交省で「流通促進に寄与する既存住宅の情報提供制度検討会」が発足しました。「流通促進に寄与する既存住宅の情報提供制度」、いわゆる「プレミアム既存住宅」登録制度の在り方について検討されているものです。


具体的には、消費者が中古住宅に抱く「不安」「汚いイメージ」「わかりにくさ(情報不足)」を払拭すべく、一定の品質について要件を満たしたと認定され、かつ情報提供を行う中古住宅にわかりやすい標章(マーク)を付与する案を検討中です。


第2回の検討会は2017年1月23日に開催され、徐々に制度概要の輪郭がみえてきました。次章で示す通り「制度検討の方向性」は示されたものの、現段階では具体的な制度は確定していません。認定マークを付与する要件案としては上表のように示されています。

一定の品質をクリアすることで「不安」「汚いイメージ」を払拭し、それを分かりやすく示そうというもので、新耐震基準の適合物件など、住宅品質のレベルに応じ「納得住宅」「安心住宅」「適格住宅」「保険付き住宅」「基本スペック住宅」などを付与するのです。

マークを取得できれば、中古住宅の売却時に買主へアピールできる効果が見込めます。2017年度にも運用を開始する予定です。

「新しいイメージの既存住宅」に向け、消費者に対し丁寧な情報提供を!

今後の精度改革の方向性は、第1回検討会および事業者団体等ヒアリング結果を受けた制度検討の方向性で示されています。消費者アンケート結果から示された中古住宅への三大敬遠要素「不安」「汚い」「わからない」を払拭する制度の方向性を検討しています。

「不安」の払しょくは、耐震性や構造上の不具合・雨漏りで不具合がないことに加え、万が一の備え保険・保証をつけることを求めます。具体的には、インスペクション(建物状況調査)や既存住宅売買瑕疵保険などを活用しようとしています。


「汚い」イメージの払しょくは、特に消費者が気にしている水廻りや内装・外装など現況の写真を開示することを想定しています。「分からない」ことへは、開示するべき品質や維持管理の情報を国が決め、それをお客様に積極的に開示し情報提供の充実させようとしています。

対策(方向性)に特段目新しさはないものの、逆にいえば、お客様にとってはこれらの基本的なことが徹底されていなかったから中古住宅の取引を敬遠していたともいえ、国が主導し一定の枠組みを作ることで中古住宅の取引が活性化することが期待できます。

●団体は苦情窓口を設け、さらに購入者のアンケートに基づいて審査基準の厳格化を前提
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事業者団体も商標(マーク)を与える中古住宅の審査を客観的に実施したり、不動産会社などがきちんと情報できるよう研修・指導を行うことに加え、消費者からの苦情相談窓口を設置し、安心な取引環境を作ろうとしています。


さらに、実際に商標が付与された既存住宅を購入した消費者から業界団体が満足度アンケートを実施し国に報告することも盛り込んでいます。

それに照らし合わせて今後、審査基準を厳しくすることを前提に、運用しながら制度を改善していくことを想定してスタートさせようとしています。

国交省のアンケート結果が示す消費者の本音。既存住宅が「分からない」

中古(既存)住宅を選ばなかった理由を、国交省が2016年10月に実施したアンケートでは、大きく「分からない(情報不足)」「見た目の汚さ」「品質の不安」「価格」の4つに大別される結果となりました。

特に、「好みに合う中古住宅がない」「価格が妥当か判断できない」といった情報不足を指摘した回答(複数回答)が、それぞれ38%、31%と高い比率を占めました。




「分からない」、つまり業者や団体による情報提供不足は大きな反省点であり、一定の品質をクリアするのみならず、情報提供をしっかり行った物件に認定マークを付与する制度設計となっています。

その他の項目も踏まえ、国交省は、「中古住宅」のイメージの払拭のために従来の「中古住宅」に対する「不安」、「汚い」、「わからない」というイメージを変え、消費者が「住みたい」、「買いたい」と思う「新しいイメージの既存住宅」を市場に供給することを目指す検討を始めたのです。

●消費者は「写真」で判断するしかない状況?本当はリスク情報などを希望している
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その他のアンケート結果では、「不動産会社を選ぶポイント」「広告で魅力に感じた情報」という項目で、「写真の点数が多い」「内装・外装の写真」といった写真を求める声が強いことが分かります。

同時に、「物件のウィークポイントも書かれている」も求められています。これは、インターネットなどで物件と不動産会社を選ぶまでに重視することといえますが、見た目の情報(写真)とともに、そこからは見えないリスク情報を望む姿がうかがえます。




来店後の要望ともいえる「不動産会社に求めること」には「正解・詳細な物件の説明」がトップにきています。


今や手軽に写真をとれる時代。見た目に情報は豊富に提供できる環境が整っているといえます。それらの情報に加え、これから求められるのは、写真や図面からは読み取れないマイナス情報やリスクといったネガティブ情報を積極的に開示する不動産エージェントでしょう。

消費者が容易に読み取とれない情報を具体的にイメージできる仕組み、つまり、エージェント型の不動産サービスが今回の「新しいイメージの既存住宅」で標準化される第一歩となることを期待します!

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