コラム

 公開日: 2016-10-09 

太陽光発電が電気料金を上昇。買取価格は年々下落、廃止も?

再生可能エネルギー普及の主役「太陽光発電」

地球温暖化やエネルギー源確保などのために、国が肝いりで(自然界からのエネルギーを使って電力を創り出す)再生可能エネルギーを普及させています。

再生可能エネルギーには、太陽光、風力、地熱、水力、バイオマスなど多くの種類がありますが、度々議論となるのが太陽光発電(ソーラー発電)です。


光が届けばどこでも始めることができ、周囲に高い建物のない郊外や地方の土地の方がむしろ有利な事業という独特の特徴もあり、太陽光発電は土地の有効活用法としても注目されています。

そして、太陽光発電を支えるのは、発電した電気を電力会社に強制的に買い取らせる制度である「固定価格買取制度(フィードインタリフ制度)」です。

段々下がる買取価格。早く始めた人に利益が大きいフィードインタリフ制度

この制度は、太陽光発電を開始した年に応じて決まっている固定価格(1kWh当たりの価格)で、その後10年~20年間、電力会社が買い取ってくれることを保証する制度です。


その買取価格は、太陽光設備や設置費用の減少にあわせて年々減少し続けていますが、早く始めた方はその開始した年に決まっていた同じ価格でずっと買い取ってくれるのです。


例えば10kW以上の産業用太陽光発電の場合、2012年度に開始した人は40円/kWh(税抜)でその後20年間買い取り続けてくれるのです。一方で、2016年度に開始した人は、24円/kWh(税抜)で20年間買い取り続けることを国が保証しています。

つまり、2016年度に開始した人は2012年度に開始した人よりも約▲40%も収益が減少します。


もちろん、昔に設置した太陽光発電は効率も悪く設備・設置費用も高いため、一概にはお得といえない部分もありますが、開始当初は太陽光発電の普及に向け、今となってはボーナスのような買取価格を決めていました。

また、太陽光以外の再生可能エネルギーとの整合性もとらねばならず「なぜ太陽光ばかりにおカネを使うんだ!」という批判もあり、やはり早く始めた方が利益が多いといえる実態があります。

電力会社が買い取った電気は、電気消費者に転嫁。電気代が下がらない構造

発電した電力は電力会社が買い取り、火力や水力、原子力など他のエネルギー源より発電されたものとあわせて、私たちは日常で電気を利用しています。


あまり普段は意識しないかもしれませんが、電気料金の明細に「再生可能エネルギー発電促進賦課金」という欄があり、利用料に応じて私たち電気消費者がフィードインタリフ制度を支えているのです。

「私は太陽光によって発電された電気を使いたくない!」といっても選ぶことができません。そして年々、この賦課金の負担がズシリと重くなってきており、電力自由化でも期待ほど電気代が下がっていないのです。

長期間にわたり電気消費者に重たい負担がのしかかる

問題は、買取価格の高かった2012年度~2013年度あたりで、個人も法人も一気に太陽光発電事業に参入し、その当時の高い固定買取価格がまだ今後も十数年(2012年開始したものでも2032年まで)続くということです。


今や電気料金総額の1割弱程度をこの賦課金が占めるようになり、太陽光発電が他の電力減による発電の足を引っ張る形となっており、(買取価格を決定する)経済産業省も手を焼いている状況です。

安定的な収益を国が保証してくれ、海外より高い水準の買取価格であるなど、この制度の旨味につられて多くが参入しましたが、今後じわじわと負担がのしかかってくることが予想され、そのツケは消費者に回ってくるのです。

買取期間が終わった後は買取価格10円/kWh?制度廃止??

太陽光発電事業を行っている個人・法人は、このフィードインタリフ制度が続く10年間(産業用は20年間)は強制的に売電できるため、安定収益を確保できます。

固定価格の決定は経済産業大臣が行います。調達価格(買取価格)や調達期間(何年間買い取り続けるか)は、収支の実態を中立的な調査機関の声を参考に、おおむね10年間でコストが回収できる水準の価格を決定します。


発電事業者の強い関心は、現在の買取期間が終了した後には、買取価格や期間がどのようになっているかということです。あらためて、10年間買い取ってくれるのか、それとも制度自体が廃止されることになるのか、まだ誰にもわかりません。

一般的には、(現在のドイツの買取価格水準の)約10円/kWh程度まで落ちるのではないかという意見もあります。制度廃止は軽々しくはできないものですが、ただ実際に海外では廃止された例もあり、長期的には不透明な状況なのです。

再生可能エネルギー先進国のスペインでは買取制度が廃止に

風量や日照量に恵まれており、年間電力消費のうち4割近くを再生可能エネルギーでまかなうスペインでは、太陽光発電などの急拡大に伴って、電気料金が跳ね上がり2013年にはフィードインタリフ制度が廃止されました。

また、ドイツやイタリアでも再生可能エネルギー政策の見直しが続いています。ドイツでは、固定買取価格が約10円/kWhにまで下がっています。


日本のみならず、世界的に太陽光発電では発電コストの高さに悩まされています。環境面を度外視すれば、経済的には火力発電など既存の発電が優れており、環境面と経済面、両方のいいとこどりは極めて難しい現状があります。

最終的には電気消費者が割高なコストを負担し、発電事業者の補助をしている構図である太陽光発電。経済と環境という、現状では相反する(トレードオフの関係にある)課題と今後も長期的に付き合っていくこととなりそうです。

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