コラム

 公開日: 2016-10-05  最終更新日: 2016-10-06

フラット35の10月適用金利も上昇。長期金利の動き次第で他行も追随?

固定型住宅金利の基準である長期金利が乱高下

10月4日時点で、一時若干上昇していた長期金利が再び小幅に下落(マイナス金利を拡大)し、▲0.075%となりました。


日銀が9月21日の金融政策決定会合において発表した「(固定型住宅ローンの基準となる)長期金利のゼロ%付近への誘導目標」に対し、市場は「日銀がいつ動くか」下限を探る動きをみせ、発表から1週間は長期金利のマイナス幅を拡大しました。

9月28日に(長期金利の指標となる)新発10年物国債が利回り▲0.090%まで下落したことを受け、9月30日には日銀が10月に購入する国債の予定額を小幅に減額させると10月3日には▲0.070%と+0.020%利回りが上昇していました。

一次的に長期金利が上昇しても、すぐに国債を買う(利回りが低下)動きが強い

一旦長期金利が上昇したのは、日銀が国債を買う量を減らすことで、国債が売れ残り国債価格が下落(利回りは上昇)したものです。

加えて、10月4日には財務省による10年利付国債の入札(発行)があったため(注:これに対し金融機関などが応札して国債を買います)、この結果がどうなるか市場としては状況が読めず「今のうちに利益を確定しておこう」と国債を売る動きが強まったこともあります。


実際に10月4日には、午前中には米長期金利の上昇(年内の米利上げ観測の強まり)の影響などもあり一時▲0.055%まで金利が上昇しました。

しかしながら午前中に利回りが上昇(国際価格が下落)すると午後にはそれを買い戻す動きとなり、結局、国債10年物終値は▲0.075%と前日よりマイナス幅を拡大する結果となりました。

長期固定型住宅ローン「フラット35」は10月適用金利を上昇させた

10月3日、住宅金融支援機構はフラット35の10月適用金利について、主力の借入期間21年以上35年以下の最低金利を前月より+0.04%上昇させ「1.06%」としました。過去最低を記録した2016年8月の0.9%から2カ月連続で適用金利を上昇させています。


理由としては、9月21日に実施した日銀の金融政策決定会合や総括検証に向け、市場参加者のさまざまな思惑から発表前の9月中旬(14日がピーク)に向け、20年物・30年物・40年物すべての(10年超の)超長期国債で利回りが上昇したためといわれています。

超長期国債の利回りについて、10月4日時点では9月1日時点の水準に戻しており、今後はフラット35も9月水準に戻す可能性はあります。

同じフラット35でも、借入期間20年以下の最低金利は下落させた

一方で、借入期間20年以下の10月適用の最低金利は「0.95%」と先月より▲0.01%下げており、フラット35でも借入期間によって、貸出金利の上昇と下落が分かれる結果となっています。


10年物国債・5年物国債・2年物国債など10年以下の国債利回りが、9月月初時点と比べると軒並み下がっているためです。

固定型住宅ローンは長期金利を基準として定めますが、具体的に何%とするかは各金融機関にゆだねられます。単純比較はできませんが、固定型10年の最優遇金利を据え置いたメガバンクとフラット35は動きが異なっており、現在の市況は金融機関でも判断が分かれているといえるでしょう。

依然不透明な長期金利、市場は日銀の姿勢を注視。住宅ローンは上昇傾向か

日銀は再び▲0.1%程度まで10年物国債利回りが低下すれば、(現在小幅にとどまっている)買い入れ減額幅を拡大し、市場に対してゼロ%金利へ向けた上昇へのメッセージを送るものと考えられます。

短期的には市場参加者が日銀の誘導姿勢をうかがう状況が続き、また、ドイツ銀行(注:中央銀行ではなく大手都市銀行です)の倒産懸念などによる欧州の金融不安もあり、海外マネーも安全な逃避先として日本国債を買う動きもみられるでしょう。


これらを総合すると、しばらくはゼロ%~▲0.1%程度での攻防が続きそうです。マイナス幅を拡大し▲0.15%まで許容するのではないかという市場関係者もいますが、大幅な上昇や下落は日銀として許容できず、一定の範囲内で歯止めをかけるように動くでしょう。

銀行など金融機関がそれを受けて住宅ローン金利を引き上げ・据え置き・引き下げのいずれかに動きますが、現状では日銀も誘導目標に向け注力しており、短期的には金利が上昇していく局面と予想されます。

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