コラム

 公開日: 2016-09-29  最終更新日: 2016-10-05

固定型住宅ローンの基準「長期金利」が下落幅を拡大。今後乱高下?!

ゼロ%に誘導すると日銀が発表しても、金利が下がり続けている

日銀が9月21日の金融政策決会合で、固定型住宅ローンの基準となる長期金利をゼロ%程度に誘導する目標を立てましたが、その後も意に反して長期金利が下がり続けています。


この新たな枠組みが発表された政策変更発表後の21日時点で、前日20日における(長期金利の基準である)10年物国債の終値ベースの金利利回りが、▲0.065%から▲0.035%へと金利が上昇しました。

しかし、それから約1週間経ちますが、マイナス金利水準にあった長期金利は0%へ向けて上昇するどころか、▲0.035%(21日終値)からマイナス幅をさらに拡大させ、10年物国債利回りが9月28日には▲0.090%まで低下しています。

市場は日銀はどれまでマイナス幅を許容するのか探っている

日銀の黒田総裁は、9月26日に行った大阪市内での講演後の記者会見の中で「元々「ゼロ%程度」と示しているところでゼロ%程度で推移している」と、現在の水準もゼロ%”程度”の範疇に収まるという認識をにじませています。


市場参加者は、日銀のいう長期金利の現状維持(ゼロ%程度)の”程度”の許容幅をめぐって思いを巡らせている状況です。その多くは「節目となる▲0.1%まで長期金利が低下すればさすがに日銀が動くのではないか」とみて、下限を探っている状況です。

さすがに▲0.1%に届いてしまうと、日銀も何かの手を打ってくるのではないかという見方が大勢を占める中、チキンレースのように日銀が動くのをチラチラと確認しながら買っているのですね。

マイナス0.1%に到達すれば日銀は本当に動く?動けない?

日銀は、どれくらい市場から国債を買い入れるのかという予定を発表することが通例となっています。

9月26日が発表した、28日の「残存期間5年超10年以下の国債」の買い入れ予定額が以前と変わらない金額であったため、市場はまだまだ日銀が国債を買ってくれると考え、自分たちも安心して買い増しているのです。


▲0.1%までさがれば、長期金利をゼロ%へ戻すために「国債の買い入れ額を減らす」または「買い入れる国債の利回りを指定(下限を設定)」という手段をとってくる可能性があります。

しかし、日銀は年間80兆円を目途として国債買い入れを続ける姿勢を崩しておらず、もし国債の買い入れ額を減らせば事実上の金融引き締め効果を生み、動くに動けず板挟みになっており、まだどう動くか不明確な状況です。

金利が上昇して円高を招き、株価も下がる悪循環を避けたい

日銀はあくまで、国債の年間買い入れ量の80兆円を”目途”としており短期的には増減があることもにじませていますが、怖いのは、市場が過度に反応して一斉に国債市場から手を引く(長期金利が急騰する)ことです。


急騰とまではいかなくとも長期金利が上昇すれば、(金利の高い日本円を買う動きが高まるなどして)円高を招くことが予想され、輸出産業を中心として少なくない打撃を招く可能性もあります。

今でさえ、総括検証前より主要メガバンク株などの金融株は▲3%程度安を記録しており、株式市場でも長期金利上昇に伴う金融機関の収益改善を疑問視している状況です。

そもそもの長期金利ゼロ%という目標を引き下げる手段もある

黒田総裁は26日の講演で、今後の金融緩和の手段としては「マイナス金利の深堀り」と「長期金利誘導目標の引き下げ」が中心的な手段になるとも発言しています。

まだ発表して1週間しか経っていないため、早々に長期金利誘導目標を変更するわけにはいかないと思いますが、量から金利へ軸足を映した日銀が躊躇なく目標変更する可能性もゼロではありません。

市場参加者は、短期政策金利の深堀りは年一回程度しかできないと考えている

民間銀行が日銀におカネを預け入れた時に”手数料”として金利を取られる「マイナス金利(短期政策金利)」の深堀りについては、市場は年1回の引き下げに留まるとみています。

1年先の短期政策金利を反映する「翌日物金利スワップ」が、現在の政策金利の▲0.1%から、ほぼ0.1%低い▲0.202%(9月28日)に留まっているためです。


一回の引き下げ金利が0.1%だとすると、日銀が決定する短期金利が、一年後には今より一回分の引き下げ金利幅だけ下がっており、市場参加者は「年一回の引き下げしかできないだろう」とみています。

今回の日銀の政策変更がそもそも金融機関の収益圧迫に配慮したものであり、何度も短期政策金利を引き下げるのは銀行などから猛反発を受け現実的でないと考えているのですね。

明日発表!日銀の動き方とそれを市場がどう読み取るかがカギ

市場が今注目しているのが、明日9月30日に日銀が発表する10月の国債買い入れ方針です。長期金利の目安となる10年物国債が▲0.090%と、節目の▲0.1%目前に迫る中、日銀が姿勢を変更するかどうかが問われています。


長期金利は固定型住宅ローンの基礎となるもので、この動き方次第で今後の住宅ローン金利水準もその方向性を決めていくことになるでしょう。

いずれにせよ、数年前と比べものにならないくらい低金利となっていることに変わりはありませんが、動き方次第では乱高下する可能性もあり目が離せません!

あわせて読みたい

黒田日銀が金融緩和政策を変更。固定金利型住宅ローンの負担は増加?
固定型住宅ローンの基準「長期金利」が低下。金融政策決定会合後の市況
長期金利がマイナス0.1%目前に。今後、金利が乱れる可能性あり

【無料】「来てよかった!」の嵐!マイホームの“買い方”が劇的にわかる講演会

「資産価値を生む住宅を購入するためにゼッタイ知っておくべき“7の秘訣”」 【過去の参加者様の声

●ご意見・ご感想・疑問などなんなりとこちらへ!⇒【info@mitomi-estate.com】
こんなこと聞いても…いいんです!
ミトミの「お客様の声」

この記事を書いたプロ

有限会社ミトミ [ホームページ]

不動産投資アドバイザー 加藤豊

東京都板橋区中板橋22-8 [地図]
TEL:03-5375-4533

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

1

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
メディア取材・取組み
イメージ

ミトミは「かし保険案内宣言店」として登録(首都圏既存住宅流通推進協議会)され、家を買う”前”の検査と、買った”後”の補償がセットになった、中古住宅購入者の不安を...

ミトミのサービス
イメージ

※詳しくは「ミトミのサービスメニュー」をご参照ください。■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■【ご依頼の流れ】マイホームや投資物件をお探しの方■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■...

プロへのみんなの声

全ての評価・評判を見る>>

 
このプロの紹介記事
有限会社ミトミの加藤豊さん

中古物件の資産価値を担保し、ハッピーな売買に!バイヤーズエージェントで悩みも解決(1/3)

不動産仲介会社の店頭やHPには物件情報があるのが当たり前。その代わりに、不動産業界の裏側事情やタウン情報「名店放浪記」などを包み隠さず発信する会社があります。中古物件の売買・リフォーム・投資物件の紹介に強い「有限会社ミトミ」。加藤豊社長は、...

加藤豊プロに相談してみよう!

朝日新聞 マイベストプロ

徹底して資産価値にこだわる中古物件売買・よろず相談

会社名 : 有限会社ミトミ
住所 : 東京都板橋区中板橋22-8 [地図]
TEL : 03-5375-4533

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

03-5375-4533

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

加藤豊(かとうゆたか)

有限会社ミトミ

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
このプロへのみんなの声
H・I
  • 40代/男性 
  • 参考になった数(8

このプロへの声をもっと見る

プロのおすすめコラム
その物件、隣の不動産会社でも取り扱っています
イメージ

「あの不動産屋は気に入らないが、物件は気に入ってるんだよな。まいったなあ」そうお思いのあなた、迷うことな...

[ 不動産業界の仕組み ]

「非公開物件」が生まれる嘘のような5つの理由
イメージ

「非公開物件ですよ…」なんとも甘く魅力的な言葉でしょう。なにか自分だけが極秘情報を知った気分にさせてくれます...

[ 不動産業界の仕組み ]

掘り出し物件をみつける最も効果的かつシンプルな方法
イメージ

不動産の中には「掘り出し物件」といわれる誰もがうらやむ超好条件の物件が存在します(もちろんどんな物件も自分...

[ 不動産業界の仕組み ]

リフォームの盛んなアメリカに学ぶ!資産価値を下げてしまう修繕事例
イメージ

 資産価値を下げてしまう10のリフォーム事例(米国) 「資産価値を高めるリフォームのカギは「将来の買主が喜...

[ 質にこだわるリフォーム・リノベーション ]

英国式リフォームで高値で売れる中古住住宅に?!
イメージ

 マイホームのリフォームでも資産価値を設備ごとに考える 英国のNational Association of Estate Agents(NAEA...

[ 質にこだわるリフォーム・リノベーション ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ