コラム

 公開日: 2016-08-28  最終更新日: 2016-10-05

投資家は要チェック!将来の収益から価格を算出する「収益還元法」(3/3)

投資家は要チェック!将来の収益から価格を算出する「収益還元法」(1/3)」では、「収益還元法」の二つの手法である「直接還元法」と「DCF法」について学び、「投資家は要チェック!将来の収益から価格を算出する「収益還元法」(2/3)」では、「直接還元法」について深堀りしてきました。

では、最後に、「DCF法」について、具体例を使って完璧にしていきましょう♪

【具体例】DCF法で投資不動産の価格を計算しましょう

DCF法をまとめると、不動産購入後に得られる毎年の賃料収入と、それを売却して得られる収益を合算しているのです。そして単純に合算するのではなく、割引率を使って、現在の価値に直しているのですね。

具体例でみていきましょう。1年目に500万円、2年目以降は1%ずつ収益が少なくなる不動産を20年間運用する場合を考えます。割引率を2%、21年後の還元利回りを5%とします。

つまり、20年目までそれぞれ以下の収益があがります。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1年目:500万円
2年目:495万円(=500万円×99%)
3年目:490万円(=495万円×99%)

20年目:413万円(=417万円×99%)
(21年目:409万円(=413万円×99%))
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

それらを割引率2%で現在価値に直すと

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1年目:490万円=500万円÷102%
2年目:476万円=495万円÷102%2

20年目:278万円(=413万円×102%20)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

となるので、それぞれを合算すると「7,493万円」です。これに、21年目に売却する際の価格8,179万円(=409万円÷還元利回り5%)を現在価値で割り戻した「5,396万円」(=8,179÷10221%)を足すと、以下の通り、収益価格は「12,889万円」となります。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
収益価格「12,889万円」=賃料収入の合計「7,493万円」+売却価格「5,396万円」
※右辺はいずれも現在価値に割り戻した額
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

割引率の設定で大きく価格がブレる

初めに設定した賃料の下落率や、割引率、還元利回りが異なると価格も異なります。例えば、賃料の下落率と還元利回りはそのままで、割引率を2%⇒4%へ変更させると、収益価格は「9,856万円」と、3,000万円以上も下がります。


特に割引率の設定によって大きく価格が異なってしまい、割引率をどう決めるかが重要です。還元利回りの設定時と同様に、「不動産鑑定評価基準(国土交通省)」によれば、以下3種類の方法が示されています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
割引率を求める方法を例示すると次のとおりである。

(ア)類似の不動産の取引事例との比較から求める方法
この方法は、対象不動産と類似の不動産の取引事例から求められる割引率をもとに、取引時点及び取引事情並びに地域要因及び個別的要因の違いに応じた補正を行うことにより求めるものである

(イ)借入金と自己資金に係る割引率から求める方法
この方法は、対象不動産の取得の際の資金調達上の構成要素(借入金及び自己資金)に係る各割引率を各々の構成割合により加重平均して求めるものである。

(ウ)金融資産の利回りに不動産の個別性を加味して求める方法
この方法は、債券等の金融資産の利回りをもとに、対象不動産の投資対象としての危険性、非流動性、管理の困難性、資産としての安全性等の個別性を加味することにより求めるものである。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

過去の取引事例から逆算する

(ア)については、過去における近隣の取引事例から逆算するものです。つまり、成約価格=収益価格として、今後の年間収益を推測したものを以下の式に代入して、割引率を逆算するものです。
これで逆算された割引率に対して、その他の事情を加味して補正したものを使いましょうというものです。

資本コストを計算する

(イ)について、還元利回りの設定でもご説明したとおりです。補足すると、借入金の還元利回りについては、節税効果があるためその影響を取って計算することが一般的です。
詳しくは説明を省きますが、これらはCAPM(Capital Asset Pricing Model)という理論に基づく、加重平均資本コスト(WACC: Weighted Average Capital Cost)が参考になります。興味のある方は調べて理解を深めてください。

他の金融商品と比較する

(ウ)については、投資しようとしてる不動産と同じくらいリスクがあると考えられる他の金融商品(株式や債券など)をピックアップし、その商品の利回りを参考に割引率を設定しましょうというものです。

収益還元法(直接還元法・DCF法)のまとめ

収益還元法もDCF法も将来の収益から不動産の価格を計算するもので、将来に対してしっかりと検討した上で計算しなければなりません。


特に「還元利回り」と「割引率」の設定で計算結果が大きく異なりますので、不動産価格を見極める際はこれらの値が妥当かを検証することが必要でしょう。

これで販売価格(希望価格)がどのように決まるかという話をご説明しました。少し難しかったかもしれませんが、投資を考える際にはしっかりと理解しましょう。

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【「収益還元法」販売価格を将来収益から算出する】
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