コラム

 公開日: 2016-08-24  最終更新日: 2016-10-05

投資家は要チェック!将来の収益から価格を算出する「収益還元法」(1/3)

「直接還元法」簡便な計算法。還元利回りの設定を慎重に

収益還元法とは、評価する不動産が将来生み出すと期待される収益を基に価格を決める方法です。これによって決められた価格を「収益価格」といいます。収益という言葉からわかる通り、これは投資家向けの手法で、投資物件の評価に向いています。


また、マイホームの場合にも、将来貸し出したり、投資家に売る場合にも収益を考えることになりますので、ほとんどすべての不動産に関わってくるものといえます。

収益還元法には、一期間の収益を還元利回りで還元する(割り戻す)「直接還元法」と将来の収益を現在に割り戻す「DCF法」(Discounted Cash Flow Method)の2つがあります。

「~」では、収益還元法を使った価格の求め方について、3回に分けてじっくり見ていきます。この会では、「直接還元法」「DCF」について、それぞれ大まかな式をざっくりと見ていきます。しかし、同じものがこの世二つとない不動産。一概には言えないのが複雑なところでしたね。残りの2回では具体例も使って細かく見ていきます。

直接還元法は利回りの計算式を逆算したもの

さて、まずは直接還元法から。直接還元法による収益価格はずばりこの式で求められます。ここで、還元利回りとは「これくらいの利回りが欲しい」と多くの投資家が期待する利回りのことです。

--------------------------------------------
●収益価格=年間収益÷還元利回り
--------------------------------------------

例えば、直近1年間で500万円の収益が上がる不動産があったとして、その地域では利回り5%が期待される水準だったとしましょう。すると、収益価格は以下の通り「1億円」と求められるのです。

--------------------------------------------
●収益価格1億円=1年間の収益500万円÷還元利回り5%
--------------------------------------------

なぜこの収益を相場水準の利回りで割れば価格が出るのでしょうか。初めの式を変形しましょう。

--------------------------------------------
●還元利回り=年間収益÷収益価格
--------------------------------------------

これ、どこかで見たことありませんか。そうです、不動産の利回りの計算式です。

--------------------------------------------
●利回り=年間収益÷販売価格
--------------------------------------------

つまり、1年間の収益を予想し、それを「相場はこれくらいの利回りを求めてるよなあ」という利回りを算定して、収益価格(販売価格)が求められるのです。
例えば売主が先ほどのように「年間収益500万円、還元利回り5%の物件だな。なら販売価格(収益価格)を1億円にしよう」と考え、図面に「この物件1億円!年間収益500万円を想定!」という広告を作ったとします。


それを見た買主は「販売価格1億円、直近1年間の収益が500万円か。なら利回りは5%だな」と計算し、その他の物件と比較します。つまり、売主と買主、同じことを違う視点からみているということですね。

「DCF法」将来収益を現在価値に割り戻す。割引率が肝

では、次に「DCF法」について見てみましょう。ずばりこの式で求められます。


「Σ」などは無視して2行目が実際に使う式ですので、これをみてください(1行目と2行目は同じ数式を表しています)。


これは、例えば不動産を20年間運用する(上の式でn=20の場合に相当します)ことを考えると、20年目まで賃料を受け取り続け、21年目で不動産そのものを売却する時に、どれだけおカネが入ってくるかを計算するものです(厳密には、収益から費用を引いた純収益です)。

Rというのはその年ごとの収入を表しているので、


の項目は、20年目までのキャッシュイン(おカネの流入)を計算しているのですね。

つまり、入ってくるおカネを予想し、それを収益価格として算出します。評価している不動産はどれだけキャッシュを生むかを計算しているのですね。

割引率は将来の収益を現在の価値に戻すもの

R1~Rnまで足し合わせていることは分かりましたが、(1+割引率r)というもので割り算がなされています。これは、将来の収入を現在の価値に直しているのです。


例えば、今、手元に100万円があったとします。それを3年間銀行に年利3%で預け入れることを考えましょう。すると、以下のように、3年目には109万円になって帰ってきます。

--------------------------------------------
1年目:103万円=100万円×1.03
2年目:106.1万円=103万円×1.03=100万円×1.03^2
3年目:109.3万円=106.1万円×1.03=100万円×1.03^3
--------------------------------------------

つまり、今の100万円は3年後の109万円なのです。逆にいえば、3年後の109万円は現在の価値では100万円なのです。先ほどの計算を逆にすれば、

--------------------------------------------
3年後の109万円の現在価値:100万円=109.3万円÷(1+0.03)^3
--------------------------------------------

となります。これが将来の収益を現在の価値に「割り戻す」という意味です。つまり、DCF法とは、その名の通り、キャッシュ(おカネ)をディスカウントする(割り戻す)ことで価値を算出する方法なのです。

復帰価格には直接還元法の考え方が使われている

最後の項目


について、右側の項目、


はどこかで見た数式ですね。そうです、直接還元法と同じ形です。つまり、将来(21年後)不動産自体を売る際に、21年度に得られる収益を、その時の還元利回り(投資家が期待する利回り)で割り戻すことで、売却価格を算出します。

それを、先ほど説明した21年後の割引率で割り戻すことで現在価値に直しています。

さて、ここでは主に投資不動産の値付けで用いられる収益還元法、それを直接還元法とDCF法にわけてみてきました。少し難しかったかもしれませんが、まだまだこれからです。次は、直接還元法について、もう少し深堀して見ていきましょう。

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【「収益還元法」販売価格を将来収益から算出する】

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