コラム

 公開日: 2016-08-14  最終更新日: 2016-10-05

【土地+建物の値段】金融機関が担保評価に使う「積算価格」(1/2)

これまで「土地のみ」の不動産価格や、「家屋(建物)のみ」の不動産価格についてご説明するコラムがありましたが、両方を決める際はどうでしょう。単に足し算をすればいいのでしょうか、土地の価格はいくつかありましたが、どれを使用するのでしょうか。

という訳で、今回は「土地+建物」両方の価格の決め方をご紹介します。つまり、実際の取引で使われる価格です。

積算価格は単純な合算金額。保守的に見積もられがち

「積算価格」とは、主に金融機関がおカネを貸し出すかどうか審査する際に、担保物件の評価に用いられる不動産の評価額で、土地と建物を別々に評価したものを単純に足し合わせたものです。


土地であれば「公示地価」「基準地価」「相続税路線価×面積」「固定資産路線価×面積」などを用います。建物は「家屋(建物)の固定資産評価額」は使い勝手が悪いため、後述する通り「建物の再調達価格」を計算します。

尚、この価格を融資額とするのではなく、他の情報と総合的に勘案して融資額は決定されます。積算価格は、資産性がどれくらいか見積もるために算出するものです。

土地価格は「相続税路線価×面積」がよく使われる

土地価格は、もちろん公示地価を使用してもよいですが、多くの銀行で使われているのは、相続税路線価といわれています。公示地価は実際の売買取引の価格水準に近く、リスクを嫌う金融機関としては保守的な評価が望ましいため、公示地価の80%水準の路線価が好まれるためです。


また、路線価はそのまま使うのではなく、相続税路線価の場合と同様に形状などによってその価格を補正します。また、商業地域など土地活用の可能性が高い場合には10%の増額など、担保評価をあげることもあります。

尚、固定資産評価額は公示地価の70%水準ですが、これでは担保評価が下がりすぎる(融資額が下がる)ため、金融機関にとっても商売になりません。さらに、固定資産税評価額を取得するには物件の所有者自らが行うか、委任状を書いてもらう必要があり、実務上業務が煩雑になることも一因でしょう。

建物価格は再調達価格に経年劣化を加味する

建物価格については、固定資産評価額が参考となりそうですが、上記で述べた業務が煩雑になることや、法定耐用年数を過ぎても最低価格が20%で下げ止まることがあるため適しません。

よって、以下の計算方法を利用することが多いようです。計算の考え方自体は、家屋の固定資産税評価額と類似していますが、かなり簡略化したものといえます。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
建物価格=再調達価格×延べ床面積×残存年数÷法定耐用年数
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
つまり、建物の構造から新築を建て直す場合の費用(再調達価格)を算出し、残存年数(=法定耐用年数-経過年数)を計算して建物の劣化具合に合わせて評価を減額するのです。ここで、再調達価格と法定耐用年数は以下の通りです。


再調達単価は、一律に決まっているというわけではなく、金融機関によってどの値を使用するかは変わります(上記はあくまで目安です)。リスクを取りたくない金融機関は低めに設定するということですね。

さて前半では、実際の取引で使われる「土地」+「建物」の価格について見てきました。後半は、具体例を用いてより実践的に見てみましょう。

次は、【土地+建物の値段】金融機関が担保評価に使う「積算価格」(2/2)へ続く・・

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