コラム

 公開日: 2016-08-08  最終更新日: 2016-10-05

【路線価評価額の求め方】固定資産税評価額を求めてみよう(3/3)

【路線価評価額の求め方】路線価図の見方を知ろう(1/3)」「【路線価評価額の求め方】相続税評価額を求めてみよう(2/3)
に引き続き、今回は「“土地”の固定資産税評価額」を求めてみましょう。

土地の固定資産税評価額は相続税評価額と似た方法で計算

路線価図より算出した固定資産税路線価を基に、土地の固定資産税評価額(土地の価格)が求められます。基本的には相続税路線価のように、「路線価×面積」を用いて土地の固定資産税評価額というものを定めます。イメージを掴む場合は、具体例で土地の相続税評価額を計算してみましょう。

ただし、固定資産税の場合は(国税庁ではなく)総務大臣が定めた「土地の固定資産評価基準(総務省)」に基づき、市町村が個々の土地の事情に応じて一つ一つ補正して決定するため、相続税と固定資産税が完全に同じ手法というわけではありません。

固定資産税評価額は固定資産課税台帳や課税明細書で確認できる

具体的にどのような計算で、固定資産税の基となる土地の価格「固定資産評価額」が計算されるか、その詳細を理解しなくとも実際の生活で困ることはないでしょう。

自宅の固定資産税評価額は「固定資産課税台帳」に登録され、都税事務所や市役所の市民税課など役所に行けば閲覧することができるためです。


また、毎年役所から送られてくる「納税通知書」の中に、「課税明細書」というものがあります。そこに、「評価額」や「価格」と書かれてある部分に記載されています。具体的な読み方は、例えば横浜市の財政局主税部で以下のように解説されています。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
土地の課税証明書の見方(横浜市財政局主税部)
マンションの課税証明書の見方(横浜市財政局主税部)
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
さらに、ご自身で(都税事務所や市町村役場など)役所に行き、「固定資産評価証明書」や「公課証明書」を取ることでも確認できます(尚、路線価は広く一般に公開されていても、具体的な土地の評価額はその土地の所有者本人にしか開示されませんのでご注意くださいね)。

以下は不動産価格の理解を深めるためにご説明しますが、自分でも確認しようと思えばできるんだな、と感じてくだされば嬉しいです。

画地計算法によって評価額を補正する

固定資産税の基となる土地の評価額は、「路線価×面積」を基にそこから「画地計画法」に定められた手法によって補正します。相続税路線価から評価額を算出した時と同じような方法で計算されます。

具体的には、相続税の土地評価額を、道路からの奥行きが長すぎたり短すぎる場合は土地の活用が制限される分、奥行価格補正率を乗じて土地の評価を下げます(税金が安くなります)。これを「奥行価格補正割合法」と呼びます。


また、角地など複数の道路に面している場合には、側方路線影響加算率や二方路線影響加算率などを乗じて、土地の価格を上げます。これを側方路線影響加算法や二方路線影響加算法と呼んでいます。

そして、不整形地や無道路地、間口が狭小な住宅地の場合はそれに応じて減額します。これも相続税の土地評価額を補正する場合と同様ですね。

補正率は微妙に異なる

2016年7月現在での固定資産税評価基準における調整率表は「補正・加算率表(2016年4月1日改定、総務省)」です。これを、相続税の「相続税の調整率表(2007年分以降用、国税庁)」と比べると、ほとんど差はありません。

とても細かい点をいえば、相続税の「ビル街地区」と固定資産税の「高度商業地区Ⅰ」の数値が異なります(ビル街地区も高度商業地区Ⅰもほとんど同じ意味で使われており、「都市内の容積率の高い地区にあって、高層の大型オフィスビルや店舗が街区を形成し、 かつ敷地規模が大きい地区」を指します)。


このビル街地区(高度商業地区Ⅰ)では、相続税の方が調整率が小さい傾向にあり(土地の価格が下がり)、固定資産税の方が相続税に比べて税金が高くなる可能性があります。

このような差はあれ、基本的には相続税も固定資産税も、路線価から評価額を計算し、そこから補正を行って最終的な土地値を計算します。その考え方は同じものと考えてよいでしょう。

固定資産税路線価のまとめ

ここでは固定資産税の路線価と、そこから土地をどう評価するかをみてきました。

相続税の路線価と同じく、路線価は道路に設定され、面積を掛けて算出した土地の評価額から、その土地個別の活用度合いを考えて、補正を行うことで算出します。正確な値は「固定資産課税台帳」や「固定資産評価証明書」、「公課証明書」などで確認できます。


相続税(国税)が国税庁の管轄、固定資産税(地方税)が総務省と市町村(東京23区は都)であり、完全に一致するわけではありませんが、大まかなイメージは相続税の路線価とよく似たものです。

基本的にはプロに任せてOK。でも・・・

さて、【路線価評価額の求め方】では3回に分けて「路線価図の見方」から「“相続税評価額”や“固定資産税評価額”の求め方」をみてきました。

正確な値は税理士などに確認することになりますので、難しい事はプロに任せてよいのですが、大まかな値を知っておくことが大切なのです。不動産屋と踏み込んだ話をしたり、あなた自身の不動産鑑定眼を養うためにも、それぞれの概念や役割・大まかな値はしっかり押さえておきましょう。

また、お客様側がこのような知識を持っていると、どんな悪徳不動産屋でも襟を正して応じるようになります。もちろん、お客様によって態度を変えるような悪徳不動産屋がなくなり、どのようなお客様に対しても公平に対応する事が理想ですが、悪徳不動産屋が知識のないお客様を言いくるめている実態があるのは否めません。

このような意味でも、今回の内容は頭の片隅に入れておき、“武器”としての知識も蓄えていきましょう。

合わせて読みたい

【路線価評価額の求め方】路線価図の見方を知ろう(1/3)
【路線価評価額の求め方】相続税評価額を求めてみよう(2/3)
「公示地価」すべての基本となる土地価格。「基準地価」で補完
「相続税路線価」相続税のための土地価格(公示地価の約80%)
「固定資産税路線価」固定資産税のための土地価格(公示地価の約70%)

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