コラム

 公開日: 2016-08-02  最終更新日: 2016-10-05

税金対策には必須の知識!不動産価格のひとつ、「路線価」とは?

今回は、以前お話した「7つの不動産価格」の中から、「路線価」について見ていきます。7つの価格にはそれぞれが存在する目的や役割がありますが、今回の「路線価」におけるテーマは”税金”です。

「路線価」とは国や市町村が定める税金の基準価格

路線価には大きく「相続税の路線価」と「固定資産税の路線価」の2つがあります。相続税は国税なので国税庁が、固定資産税は地方税なので市町村が決定します。


相続税路線価とは、国税庁が「道路に面する土地の1㎡当たりの価格」を毎年7月(評価時点は1月1日)に発表します。その名の通り、相続税および贈与税の計算において、土地の評価額を算出する際に用いられます。

また、固定資産税路線価とは、市町村が「道路に面する土地の1㎡当たりの価格」を3年ごとに4~6月(評価時点は1月1日)に発表します。固定資産税は地方税なので市町村(東京23区では都)が決定します。

公示地価よりも低く設定されている路線価

では、それぞれの金額についてはどうでしょうか。相続税路線価は、概ね「公示地価×80%」になるよう調整して決められます。具体的には、基準となる地点を公示価格より10倍以上多い役35万地点も設定し、相続税法に基づき公示価格や売買実例、不動産鑑定士による評価額などを基に決められます。

公示地価を参考としておりその価格設定方法も公示地価と類似しているため、基準地点が公示地価と同じであれば、基本的には評価額は公示地価と同一の評価となります。その評価額から20%減額した値が路線価となるイメージです(実際には公示地価のように個別の土地に価格を設定するのではなく、道路ごとに設定します)。


相続税≒公示価格×80%という理由については、税金を払ってもらいやすくするためというものや、評価が年に1回しかないので、1年間のうちに経済状況が変わって税金の基準となる路線価が割高になる可能性を考えて、あえて安く設定しているなど複数の理由があげられています。

では、固定資産税についてはどうでしょう。固定資産税の路線価は70%程度に設定されていますが、毎年支払う固定資産税とは異なり、一生に数回しか払う機会のない相続税はその分+10%上乗せしているという国税庁の下心を指摘する声もあります。

一方で、公示地価や基準地価よりもはるかに調査地点が多く、重ならない地域もあります。この場合、路線価の値を80%で割り戻す(路線価×面積÷80%)ことで、大雑把な売買水準(公示地価の水準)を知ることができます。

「公示地価の80%」程度と言われる「路線価」の存在意義とは

ここまでの説明を読んで、「公示地価の80%水準であれば、基準となる価格は公示地価だけでいいのではないか」という疑問がわいてくる方がいらっしゃると思います。


事実、不動産の価格がたくさんあることは複雑で分かりづらく、調査に費用がかかりすぎる(税金を無駄にしている)という声は根強く聞かれます。

一方で、公示地価は税や実際の取引の参考価格となる総合的な価格であるのに対し、路線価は本来、税金のための指標です。

税の公平性と効率性から路線価は必要か

税の公平性という観点から見れば、一つ一つの土地に対して個別にかつ効率的に税額を算出する方法を提供する必要があるため、道路に価格を設定するのです。そして、同じ道路に面していても利便性が高いものや低いものは個別に補正をかける方法を採用しているのです。


その点、標準的な土地をピックアップし、その土地の適正な価格水準を算定することに留まる公示地価には、税の公平性という観点から限界があるかもしれません(もちろん、一地点から周辺の土地の値段を算定する公平かつ効率的な方法があれば別です)。

路線価には公示地価の補完という意味合いもある

また、完全に80%と決まっているわけではなく、調査地点の数も場所も異なります(同じ地点となる箇所もあります)。公示地価は不動産取引で最も参考となる価格であり、それを別の調査(路線価)で多角的に確認・補完するという意味合いもあります。

不動産の価格はこれが正しい価格だ!という正しいものはありません。今後も税の公平性や費用面などを検証し、不動産価格の種類や計算方法が変わっていくことも十分予想されます。

踏み込むと複雑な「路線価」。大枠だけでもつかんでおこう!

路線価の基本概念と目的・使い方について説明しました。路線価は相続税・贈与税以外にも、公示地価の約80%に調整される性質を利用して、土地の取引や売買でも価格設定が適切かどうか確認する指標としても用いられます。


路線価に限らず、不動産価格には多種多様なパターンがあり、目的によって見方も変わります(だから7つもの価格があるのです)。

正確な値は税理士などに確認することになりますが、大まかな値を知っておくことが大切です。不動産屋と踏み込んだ話をしたり、あなた自身の不動産鑑定眼を養うためにも、それぞれの概念や役割・大まかな値はしっかり押さえておきましょう。

合わせて読みたい

「公示地価」すべての基本となる土地価格。「基準地価」で補完
「相続税路線価」相続税のための土地価格(公示地価の約80%)

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