コラム

 公開日: 2016-06-28  最終更新日: 2016-10-05

中古住宅の品質を見定めるための「かし保険」

「一念発起して購入したマイホームが欠陥住宅だった…」こんな事態になってもそれを保証するのが「瑕疵(かし)保険」。

新築のみならず中古でもこの制度が始まりましたが、その制度の違いをみることで「既存住宅売買かし保険」の真意を理解しましょう。

中古の場合は保証期間が半分も、付保そのものに意味がある

新築住宅の場合、引渡しから10年間は売主が責任をもって修理するもので、保証対象は、「構造耐力上主要な部分(柱や基礎など)」と「雨水の浸入を防止する部分」に関する部分です。

一方で中古住宅の場合、対象はほぼ同じですが期間が1~5年と新築の場合に比べ半分です。新築とは異なり、程度の差はあれ劣化した住宅を保証するものですので期間が短くなることは理解できます。


それに加え、中古物件の場合は、かし保険が付帯“できている”こと自体に意味があるという側面もあるでしょう。かし保険制度は、加入前に保険法人の専門的な「検査」にパスしなければ入れません。

新築の場合も検査があることは同じですが、特に中古物件は不安がつきもの。かし保険に加入している時点で、一定程度の品質は認められたというお墨付きがあり、安心材料の一つとして機能する側面も強いのです。

新築は義務。耐震偽装問題の反省が始まり

新築のかし保険制度の発端は2005年の耐震偽装問題です。当時、耐震性が偽装されたマンションを建設したディベロッパーは多額の建替え・補修費用が賄えず倒産しました。最大の被害者はマンションを購入した消費者です。結局、月々支払う住宅ローンに加えてこれら費用を負担する羽目になりました。

元々、躯体部分などに欠陥が生じれば、事業者が費用負担して修復する義務は、住宅の品質確保の促進等に関する法律(住宅品質確保法)で定められていました。しかし、この偽装問題で判明した課題は、義務があってもおカネがない場合に、結局はそのしわ寄せが消費者にいってしまうことでした。


そこで、住宅瑕疵担保履行法が定められ、あらかじめ保険金(保険法人)や保証金(供託)という2つの方法でおカネを確保しておき、倒産した場合にも消費者を保護する制度に強化されたのです。

つまり、新築の場合は、かし担保責任に加えて、資力を確保すること(倒産時にも補修費用を用意すること)が義務として課されているのです。

中古住宅は任意。中古には取引の目的もさまざま

一方で、中古住宅の場合、売主が業者の場合には最低2年間のかし担保責任が義務付けられていますが、資力を確保(保険に加入)することまでは求められていません。つまり、既存住宅売買かし保険への加入は任意で、万が一業者が倒産した場合、事実上の泣き寝入りなのです。

さらに売主が個人の場合には「現況有姿の引渡し」といって、そのままの姿で引渡し瑕疵(かし)が見つかっても買主自身で直さなければならないという、一方的な契約が一般的です。リスクを避けたい業者が個人名義に変更して売買するという悪質な取引もあるようです。


売主が業者・個人いずれにせよ、保険加入が任意となっているのは、(ほとんど業者が売主の新築住宅と異なり)中古住宅は売主が個人ということも少なくないことが一因かもしれません。

また、ボロ物件を購入して買主自身で修繕する場合には、瑕疵(かし)を引き受ける代わりに安く買いたいという場合もあるでしょう。その場合、加入を義務としてしまうと自由な取引の幅を狭めることにもつながるため、中古の場合は任意となっているという背景もあります。

かし保険という選択肢を利用して、中古物件の品質を判別

資力の確保(保険加入)が義務か任意か、よりも、検査を前提とした既存住宅売買かし保険という武器があることをうまく利用しましょう。

日本の中古住宅は、ボロ物件だろうとピカピカ物件であろうと、現状では築年数で評価のほとんどがなされてしまう慣習があります。買主からすれば、中古住宅の品質が極めて分かりづらいのです。


それならば、売主に「既存住宅売買かし保険を付けてくれ」と打診するよう仲介業者にお願いしましょう。その依頼に売主が応じなければ、その住宅の品質は言わずもがなということです。逆に、かし保険に加入してもらえる住宅は、少なくとも住宅の主要な部分については、一定程度の水準が保たれていることが期待できます。

今後、ますます中古住宅が主流となっていなく中、保険の付保が義務であろうとなかろうと、優良な中古住宅を求めるマーケットがかし保険など、住宅性能を担保する仕組みを能動的に利用していくことでしょう。

マイホームは買った後から始まるお暮らしこそ大切です。「こんなはずではなかった…」とならないよう、安心安全な制度を積極的に利用してきましょう。

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