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人事労務Q&A

Q. 基本給の中に残業代を組み込んで支払う場合の注意事項を教えてください。

A.この場合、基本給に残業代が含まれる旨を就業規則等に明記するとともに、基本給のうちどの部分が残業代に相当する部分なのかを明確に区分する必要があります。

 また単に「基本給に残業代を含む」というような規程ではなく、次のように金額や割合によって残業代部分を明確にしなければいけません。

 ・基本給30万円のうち5万円を時間外・休日・深夜の割増賃金として支払う。
 ・基本給のうち20%を時間外・休日・深夜の割増賃金として支払う。

 残業代の固定払いに関する有効性が否定された裁判例をみると、「就業規則等への明示」や「残業代部分の金額や割合による明確な区分」がなされていない場合となっています。

 言うまでもなく実労働時間による残業代が固定払いの金額を超えた場合には、その差額を支払わなければいけません。

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Q.採用内定者(大卒)の内定取り消しはできますか?

A.大学を卒業することが出来なかった、あるいは私傷病で4月1日から2ヵ月を超えて就労できる見込みがないなどの場合を除き、内定取り消しについては正社員を整理解雇することと同じレベルの要件を求められます。

すなわち、
①内定取り消しを行う業務上の必要性
②取り消しの回避に向けた努力をしたか
③取り消し対象者の選定に妥当性があるか(内定者が複数の場合)
④本人に十分に説明をしたか、です。

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Q.入社後のトラブルを防ぐためにも、採用時に身元調査を実施したいのですが?

A.採用の際に提出してもらう書類は、トラブルを起こさない人を採用するために非常に重要なものです。その反面プライバシーに関する情報が多いので、収集・管理は慎重に行わなければいけません。

身元調査を含めた事前調査は、差別につながる可能性が高いとして厳しく批判され、大阪府・福岡県などは条例で禁止しています。よって、身元調査は絶対に実施してはいけません。

その代わりに身元保証人をつけて「健康状態と誠実な労務提供」を保証してもらいます。身元保証人は、両親のうち1名と、他の親族から1名をつけ、5年間の保証期間を設定しましょう。

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Q.試用期間中の社員の本採用を拒否することはできますか?

A.試用期間中の社員に対する本採用拒否理由は、正社員の解雇理由よりもハードルが低くなります。そしてその拒否理由の正当性については、事案ごとに裁判所が判断しています。

<裁判事例>
①試用期間中の出勤率が8割 ⇒ 本採用拒否可
②新卒一括採用者の能力不足 ⇒ 本採用拒否不可
③私傷病にて試用期間満了時に療養中。以降の就労の目途が立たない ⇒ 本採用拒否可
④私傷病にて試用期間満了時に療養中。症状固定で復帰の目途はたっているが、本来の正社員としての労務提供が見込めない ⇒ 本採用拒否可
⑤協調性がない ⇒ 本採用拒否不可。一度配属変更を行い、様子を見る必要がある

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Q.突然社員が出勤しなくなりました。連絡もつきません。社会保険料負担や他の社員への考慮から、解雇したいのですが。

A.いわゆる行方不明の社員に対する解雇の取り扱いですが、その手続きは非常に難しいです。
法律的な解釈から言えば、「解雇」という使用者側からの一方的な意思表示による労働契約の解消行為が効力を得るためには、労働者側にその意思表示が到達することが必要になります。よって、行方不明の場合には、その意思表示を労働者に到達させることが出来ないために、解雇手続きが非常に難しいのです。
行方不明だからといって、使用者側が勝手に解雇手続きをしてはいけません。その後に「不当解雇」と訴えられるリスクが非常に高くなってしまいます。

行方不明者に対しては、裁判所に「公示による意思表示」を申し立て、解雇した事実を2週間裁判所の掲示場に掲示することにより、意思表示の到達があったとみなす手続きを行います。

それよりも有効な手段としては、就業規則等に、「会社に連絡がなく、50日を経過して会社も所在をしらないとき」という、「当然退職」の基準を明確に規定することです。

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Q.休職を繰り返す社員を解雇することはできませんか?

A.この場合、就業規則の「身体・精神が業務に耐えられないとき」という普通解雇事由に該当すると考えられます。

一方で、休職の繰り返しを防ぐために、「復職後6カ月以内に、同一ないし類似の事由により、欠勤または職務に耐えられないと認められるときは、休職とする。その場合の休職期間は残存期間とするが、3カ月に満たない場合には、3カ月とする。」という内容を、就業規則に規定することが重要です。

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