コラム

 公開日: 2016-01-26  最終更新日: 2016-02-01

ストレスチェック集団分析を職場環境改善にどう活用するか

 ストレスチェック検査の結果を集団ごとに集計・分析することは、今回の制度では事業者の努力義務となっていますので、
必ずしも実施しなければならないことではありません。しかしながらストレスチェック制度の目的を考えると、集団分析まで実施しその結果を職場環境改善まで結びつけることが、社員の健康増進と企業の生産性向上につながりますので、出来る限り実施すべきだと思います。

仕事のストレス判定図とは

 集団ごとの集計・分析の具体的な方法は、使用する調査票(ストレスチェック項目)により異なりますが、国がストレスチェックの標準的な項目として示している57項目の「職業性ストレス簡易調査票」を使用する場合には、「仕事のストレス判定図」によることが適当とされています。

 「仕事のストレス判定図」は、事業場全体、部や課、作業グループなどの集団を対象として心理社会 的な仕事のストレス要因の程度と、これらが労働者の健康に与える影響の大きさを評価する方法です。

 「仕事のストレス判定図」は、仕事の量的負担と仕事のコントロール(仕事の裁量権)を要因としてプロットされる「量-コントロール判定図」と、上司の支援と同僚の支援から作成される「職場の支援判定図」の2つの図から構成されています。
「仕事のストレス判定図」上の斜めの線は、仕事のストレス要因から予想される疾病休業などの健康問題のリスクを標準集団の平均を100として表しています。

 例えば、ある集団の位置が健康リスク120の線上にある場合には、その集団において健康問題が起きる可能性が全国平均と比べて20%増加していると判断できます。健康リスクが20%を超えている場合には何らかの、仕事のストレスに関する問題が生じている場合が多いので、評価の際の参考となります。



 ※厚生労働省 ストレスチェック制度説明資料より



ストレス判定図から読み取れる傾向

 では、仕事のストレス判定図より読み取ることができる、職場の傾向と改善ポイントを以下に挙げてみます。

(1)量-コントロール判定図
 ①仕事の量的負担(横軸)のポイントが高い場合
  ・業務量に対する人員の確保は十分であるか。人員増強、システム化推進、アウトソーシングの検討。
  ・業務に対応する社員の能力は十分であるか。
  ・複数の業務を処理する際に業務の優先順位は明確になっているか。
  ・業務量が増加する時期、時間帯に対する人員投入の調整は出来ているか。

 ②仕事のコントロール(縦軸)のポイントが低い場合
  ・業務の目標、内容を具体的に示しているか。
  ・管理職が部下の能力向上をサポートしているか、部下の能力に相応したレベルの裁量権を与えているか。
   
(2)職場の支援判定図
 ①上司の支援(横軸)のポイントが低い場合
  ・部下に対して話を聴く姿勢を示しているか。一方通行のコミュニケーションとなっていないか。
  ・上司からの一方的な指示、命令の伝達になっていないか。
  
 ②同僚の支援(縦軸)のポイントが低い場合
  ・コミュニケーションが取りにくい環境となっていないか。
  ・新設部署やプロジェクト
  ・中途採用者が多い職場
  ・競争関係が激しい職場


 いずれにしても「仕事のストレス判定図」の結果のみだけで、職場環境改善までを検討するには情報が少なすぎます。
健康リスクが高い部署・グループについて、その特性(業務内容、中途採用者が多い、新規事業担当部署など)を加味し、さらに管理者、部下それぞれにアンケートを実施するなど、総合的な分析・検討から職場環境の問題点を明確にすることがまずは重要です。そこから次のステップとして、明確になった問題に対する改善策を全社的に検討することになります。


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