コラム

 公開日: 2015-10-16 

発達障害が疑われる社員への受診命令

・仕事の納期が守れない。
・顧客との約束を忘れてしまう。
・場にそぐわない発言をし、顧客を怒らせてしまう。
・指導しても同じミスを繰り返す。

 このような問題行動を繰り返し、結果として顧客との契約取り消しなど、会社へ損害を与えてしまう社員はいませんか。本人は全く悪気が無いので、何度注意・指導しても、同じことが繰り返されます。これは、脳の機能障害である「発達障害」に原因があるかもしれません。

 もちろん、「発達障害ではないか」と決めつけることも、「発達障害かもしれないから病院へ行ってきなさい」などとは決して言ってはなりません。

 発達障害は、「自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であってその症状が通常低年齢において発言するもの」と発達障害者支援法で定義されています。その症状は、多様な症状・特性があり、その症状や特徴が重なり合っている場合も多く、個人差もあり、その診断は非常に難しいと言われています。当然、素人が判断できるようなものでもなく、専門医の診察を受けて、本当に発達障害なのか、発達障害ならば就労上どのようなことに注意が必要なのか、職場環境、上司・同僚のサポートの内容など、今後の対応方針を判断する必要があります。

受診命令は可能か

 問題行動を引き起こす社員に対しては、プライバシーに十分配慮した上で、顧客とのトラブル、納期の遅れ、上司や同僚とのコミュニケーションに支障が生じたことなど、社員の職場における言動、態度などの客観的事実(事例性)を基に、任意での専門医受診を勧めるべきです。就業規則等の規定に則り、強制的に受診「命令」を行うことも可能ですが、前述したように発達障害の診断は難しく、仮に発達障害ではなかった場合には、受診命令により精神的苦痛を受けた等、かえって社員とのトラブルリスクが高くなります。

 再三の受診命令に従わず、または発達障害では無いという診断を受けた場合には、注意・指導など改善を促して再度様子を見ましょう。それでもやはり改善が見受けられず、引き続き問題行動も継続している場合には、通常の懲戒処分の検討が必要になります。懲戒処分を正当化する材料として、どのような問題行動を起こしたか(会社、顧客にどの程度損害を与えたか)、どのような指導をしたか、それに対する社員の言動等、詳細に記録に残しておくことが重要です。


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