コラム

 公開日: 2014-11-10 

企業に義務付けられているセクハラ対策と対応

 セクシャルハラスメント(以下、セクハラ)の予防、実際に発生した場合の対応などについて、企業側は何をどこまで実施しなければならないのでしょうか。それについては、厚生労働省の指針、「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針」(平成24年10月1日施行)において、具体的に例示されています。

厚生労働省指針とその対応例

1. セクハラに関する方針の明確化及びその周知・啓発
 (1)職場におけるセクハラの内容及びセクハラがあってはならない旨の方針を明確にし、労働者に周知・啓発すること。
 (対応例)
 ・就業規則等に方針を規定し、セクハラの内容と併せて周知・啓発する。
 ・セクハラの内容及び方針を周知・啓発するための研修、講習等を実施する。

 (2)性的な言動を行った者について、厳正に対処する旨の方針及び対処の内容を就業規則等に規定し、周知・啓発すること。
 (対応例)
 ・就業規則等に性的な言動を行った者に対する懲戒規定を定め、周知・啓発する。
 
2. 労働者からの相談(苦情を含む。以下同じ。)に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
 (1)相談窓口の設置
 (対応例)
 ・相談に対応する担当者を定める。
 ・外部機関に相談対応を委託する。

(2)相談窓口の担当者が、相談内容や状況に応じ適切に対応できるようにすること。セクハラが現実に生じている場合だけでなく、その発生のおそれがある場合や、セクハラに該当するか否か微妙な場合であっても、相談に対応し、適切な対応を行うようにすること。
 (対応例)
 ・相談内容や状況に応じて、相談窓口の担当者と人事部門が連携できる仕組みを構築する。
 ・相談窓口の担当者が、あらかじめ作成した留意点などを記載したマニュアルに基づき対応する。

3. セクハラに係る相談の申出があった場合における、事実関係の迅速かつ正確な確認及び適正な対処。
 (1)事実関係を迅速かつ正確に確認すること。
 (対応例)
 ・相談窓口の担当者、人事部門等が、相談者及びセクハラの行為者の双方から事実関係を確認する。
  また、相談者と行為者との間で事実関係に関する主張に不一致があり、事実の確認が十分にできない場合には、第三者からも事実関係を聴取する。
 
(2)事実が確認できた場合、行為者に対する措置及び被害者に対する措置を適正に行うこと。
 (対応例)
 ・就業規則等の規定に基づき、行為者に対して必要な懲戒その他の措置を講ずる。さらに内容や状況に応じて、被害者と行為者間の関係改善に向けての援助、被害者と行為者を引き離すための配置転換、行為者の謝罪等の措置を講ずる。

(3)再発防止に向けた措置を講ずること。
 (対応例)
 ・セクハラに関する意識を啓発するための研修、講習等を改めて実施する。

4. その他、必要な措置
 (1)相談又は事後対応に当たっては、相談者・行為者等のプライバシーを保護するために必要な措置を講ずるとともに、その旨を労働者に周知すること。
 (対応例)
 ・プライバシー保護のために必要な事項をマニュアルに定め、当該マニュアルに基づき相談対応をする。
 ・相談窓口の担当者に、プライバシー保護のための研修を行う。

 (2)労働者が相談をしたこと又は事実関係の確認に協力したこと等を理由として、不利益な取り扱いを行ってはならない旨を定め、周知・啓発すること。
 (対応例)
 ・就業規則等において、セクハラに関し相談をしたこと、又は事実関係の確認に協力したこと等を理由として、解雇等の不利益な取り扱いをされない旨を規定し、周知・啓発をする。
 

社内教育の必要性

 今回お話したように、事業主には、セクハラに対しての方針の周知・徹底、相談窓口等の社内体制の構築などが求められていますが、一番重要なのは、社員、特に管理職層への教育です。
 現在の法令では、相手が「セクハラを受けた」と感じると、その行為は「セクハラ」となります。自分はそのような気持ちではなかったとしても、受け取る側の気持ちは違うこともあるです。
 どのような言葉や行為がセクハラとなるのか、統一した尺度での教育・研修が、セクハラの発生を防ぐ上での第一歩となります。

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