コラム

 公開日: 2014-08-27 

労使トラブルを未然に防ぐ 休職・復職関連規定のチェックポイント

私傷病休職制度の現状と問題点

 メンタルヘルス不調者の増加により、「私傷病休職制度」を社内制度化している企業が多くなっています。
独立行政法人労働政策研究・研修機構が平成25年6月に公表した「メンタルヘルス、私傷病などの治療と職業生活両立支援に関する調査」によると、約71%の企業が病気休職制度を就業規則等に規定しています。

 私傷病休職制度とは、業務外の理由で生じた疾病により就労することが困難となった労働者に対し、一定期間、就労義務を免除し、その回復を待ち、当該労働者に対する労務不提供による解雇を猶予する制度です。法律上、使用者が私傷病休職制度を設けなければならないという義務はありませんが、主に大企業などで永年勤続者の人材確保、雇用保障への配慮などを目的として制度化されています。

 ところが実情を見ると、制度の規定内容の不備を起因とする労使トラブルの発生が意外と多いのです。一昔前に作成された規定や、雛形を利用した休職・復職規定では、メンタル疾患の特徴(長期化、回復判断が困難、再発リスクが高いなど)を想定していないものが多く、また社会の変化(例えば新型うつ)にも対応しきれず、規定の不備がトラブルの原因となってしまっています。恩恵的な制度のはずが、それが原因となって、かえって企業の経営リスクとなるようなことは避けなければなりません。過去の実例、社内の実情などを考慮せずに雛形の規定をそのまま利用するなどは、あまりに危険な行為なのです。




規定作成のチェックポイント

 それでは私傷病休職制度を規定する上でどのようなことに注意すべきなのか、チェックポイントを挙げてみましょう。

①私傷病休職制度の適用対象となる社員を限定しているか。
 ⇒短期雇用のパート、アルバイト等も対象になっていないか。
②休職要否を判断するに当たって、主治医からの診断書提出や面談など、医療情報提供協力義務を明記しているか。
③休職期間満了時の退職・解雇の扱いについて明確にしているか。
 ⇒期間満了翌日に自動的に退職とするのか、改めて解雇判断をするのか。
④休職期間中の待遇や診断書の提出義務(その作成費用含む)について明記しているか。
⑤復職後の処遇について明記しているか。
 ⇒回復の状態によっては、業務の軽減措置をする。また、それに応じた職務変更・給与の減額を行う。
⑥復職可否を判断するに当たっての医療情報提供義務、会社指定専門医への受診命令について明記しているか。
 ⇒主治医の判断は、復職後の業務負荷まで考慮しているものは少ない。その点も踏まえ判断しないと、再発リスクが高まる。
⑦リハビリ出勤について明記しているか。
 ⇒復職前か後か、賃金について、事故が発生した場合の対応など。
⑧復職後に欠勤と休職を繰り返す場合の対応を明記しているか。

 まずは上に列挙した内容が、就業規則等に考慮されているかどうかを早急に確認してみてください。


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