コラム

 公開日: 2013-07-22  最終更新日: 2015-08-21

会社は新型うつを発症した社員にどう対応すればよいか

 いわゆる「新型うつ」の特徴として、薬物療法の効果があまりないこと、休職・復職を繰り返し慢性化することが多いなど、治療期間の長期化があげられます。

 「治療期間の長期化」=「会社(人事担当者など)の負担(費用・対応時間等)の長期化」と読み替えることができます。
 また、他の社員のモチベーション低下⇒作業生産性の低下等にも波及することから、新型うつ社員への対応方針を、事前に決定しておくことが重要となります。

必要な人材なのか

 実際に対応方針を検討する場合、その方向性を決定づける大きな要因が二つあります。

 まず一つ目の要因は、「その社員が会社にとって必要な人材か」ということです。
 
 新型うつのパーソナリティ傾向として、「自己愛が強く、他罰的」といわれています。つまり、「自分が病気になったのは、会社の責任だ。」「自分は何も悪くない。認めてくれない上司が悪い。」というように思っています。
 このような社員に対しては、「叱って理解させる」のではなく、「褒めて認める」対応が必要になります。まさに自分の子どもを育てるように。
 会社が入社後の社員に対して、業務に関する指導・教育をするのならわかりますが、このようなレベルの指導・教育をしなければならないというのは、全く筋が違うような気がしますが、これが現実なのです。

 そこで「その社員が会社にとって必要な人材か」という問いに答えることになります。

 新型うつ社員には、周りとのコミュニケーションは取れないが、専門的な仕事、興味のある仕事に対しては、優れた結果を出すという事例も多々あります。そこで、じっくりと(まさに自分の子どもを育てるように)教育しながら、該当社員を育てることに対し必要性があるのか、つまりその社員が会社にとって必要な人材なのかを判断しなければなりません。そして必要性が無いならば、退職を前提とした対応をすることになります。

会社規模も要因の一つ

 先ほど述べましたように、新型うつ社員に対しては、会社として長期間の対応が必要となります。特に復職後の対応については、再発リスクが高いことから、慎重な対応が求められます。

 そこで問題となるのは、復職支援の枠組みの中で、復職者の体調に合わせて業務の質・量を調整できることが出来るのか、社内にそのような業務を行える部署が存在するのか、ということです。
 また、休職中の対応も含めて、復職後の支援体制を構築・維持できるかどうかも大きなウエイトを占めることになります。

 つまり、これらの問題の解決には、会社の規模に大きく左右されてしまうことになります。
 
 大企業であれば、社内にいくつも部署があるでしょうし、人事部門にもメンタルヘルスに関する専門知識を持った社員を配属することが可能で、会社としてのバックアップ体制を充実させることが出来ます。

 しかしながら、中小企業では、専門部署も人材も確保することは困難であり、バックアップ体制を構築することはかなり難しいでしょう。そうすると、時間も費用も掛けられないので、結局、退職を前提とした対応をするしかないのではないでしょうか。


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