コラム

 公開日: 2013-05-23  最終更新日: 2015-08-21

新入社員のメンタル不調、こんなところにも原因が

新入社員は会社に何を求めているか

 日本能率協会「新入社員意識調査2011」によると、「新入社員が今の会社への入社を選択した理由(上位3位まで選択)」は、多い順に、「(社員や風土)雰囲気が良い会社」(43.6%)、「自分が働きたい業種」(43.2%)、「自分のやりたい仕事ができる業種」(37.1%)、「自分のの能力を伸ばすことができる会社」(23.6%)となっており、「給料が高い会社」と答えたのは、全体で9番目の13.5%に過ぎませんでした。
 このことから、最近の新入社員は、収入よりも自分が「働く」こととのマッチングを望んでいることがわかります。

 次に、「働く目的は何か(上位2位まで選択)」を尋ねたところ、「自分自身の人間性を成長させること」(41.0%)、「仕事を通じてやりがい・充実感が得られること」(32.7%)、「仕事を通じて社会に貢献すること」(31.5%)という結果となりました。
 俗に、「3年で新入社員の3割が辞めてしまう」というのは、この目的が充足されないためだと考えられます。

既存社員との意識の差

 それではこの「働く目的」について、既存社員と新入社員の回答を比較し、その数値が両世代間で大きい差となっている、特徴的な項目をみてみましょう。
 
 まずは既存社員の選択率が多かったのは、「仕事を通じてやりがい・充実感が得られること」(既:41.0%、新:32.7%)、「自分の持っている力を、企業の発展に役立てること」(既:21.4%、新:9.0%)となっています。
 逆に新入社員の選択率が多かったのは、「仕事を通じ自分の能力や可能性を試してみること」(既:16.2%、新:20.9%)、「仕事を成功させ、人に認められること」(既:8.0%、新:15.4%)となっています。

 このように、既存社員は、「やりがいや会社への貢献など仕事重視」なのに対し、新入社員は、「自分を認めて欲しい」という思いが強く、世代間での「価値観の違い」の存在をはっきりと示した結果となっています。

価値観のズレがメンタル不調の原因に

 最近、その症状を訴える人が増加している、いわゆる「職場不適応症」。その症状を引き起こす最も大きな要因は、「労働者と職場との波長のズレ」と考えられています。
 すなわち、仕事内容や会社の雰囲気・風土などの職場環境が、当初思い描いていたものと違ったり、仕事内容が本人の性格や能力と合わないと、心身ともに疲弊し、メンタル不調の症状を引き起こすのです。前述した既存社員との「価値観の違い」が、まさに「職場との波長のズレ」となりうるのです。

 また、こちらも最近20~30代を中心に患者数の増加が言われている「新型うつ病」。
その特徴の一つに、「自分の能力を認めてくれない、会社や上司が悪い」という他罰的な傾向が強いと言われています。新入社員が持つ「自分を認めて欲しい」傾向を知ると、その背景もおのずと理解できます。

今後の人材育成のヒント

 では、人材育成の視点から考えた場合、社内の世代間のズレをどのように埋めて、その結果として、早期離職者やメンタル不調者を減らせばよいでしょうか。
 
 大きなキーワードは「個」です。

 個人の能力や個性を活かすこと、仕事での判断余地を与えること、仕事と個人の成長を重ねること、このような「個」を重視する考え方を取り入れ、「個」と「組織」の両方向からアプローチする、社内の仕組みづくりを構築することが重要となります。

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