コラム

 公開日: 2015-11-26 

プロも必ず最初に確認する土地の価値を決める「接道」とは

不動産業者や建築請負業者(この表現はなじみが無いかもしれません。住宅メーカーや工務店のことです)が敷地を見る場合、必ず初期段階で確認する項目が「接道」です。

土地の資産価値の要=接道

建築基準法第43条1項において「建築物の敷地は、幅員4M以上の道路に2M以上接しなければならない」と定められています。これは道路に接する条件(=接道)を満たしていない敷地には建築できないことになります。
また、宅地建物取引業法では、「宅地」の規定は合法的に建築可能な土地としています。原則的に建物を建築できない土地は「宅地」ではないので、取引の対象にならないことになります。

いずれにせよ、建築不可能な土地には価値が無く、評価も低いものになってしまいます。ですから業界関係者は、まず対象の敷地が「接道」条件を満たしているか必ずチェックします。

これは、対象の敷地に既存建物が建っていても必ず確認します。実は、合法的に建っていない場合もあるからです。たとえば、接道部分を他の所有者の土地を利用し確認許可を取っている場合があります。そうすると、名目上の借地では、新たに合法的な確認許可を取ることは難しく、権利関係の問題からも住宅ローンが使えません。ローンが使えないと購入者が限定されてしまいます。

あまり知られていないことですが、自分の所有地でない敷地でも建築確認許可を取得することが可能です。原則、建築確認申請は提出された図面・資料が基準法に適合しているか否かを審査するものであり、敷地所有者の確定、敷地境界の確定を審査するものではありません。敷地の状況によっては基準法以前に権利、境界などの民法上の問題把握も必要になってくる場合もあります。

その第一段階として、業界関係者はまず、敷地前面の道路種別を調査します。見た目が道路形態でも、建築基準法の道路扱いになっていないものもあります。皆さんが目にする機会が多い固定資産税通知書などに記載されています地目のなかで、「公衆用道路」は税制上の区分を表したもので、建築基準法上の道路とは限りません。



以下に建築基準法の道路種別をまとめました。



前面道路の道路種別が判明したとしても、水路や第三者の土地が接道部分に介在していないか、公図、道路管理台帳、申請図などで詳細の確認が必要な場合もあります。

また、路地状敷地(敷地延長、旗竿地などとも呼ばれています)では、建物用途、路地状の長さによって、必要な幅員が都道府県条例で定められています。接道幅員が2mあれば良しというものでもありません。

接道の問題解決には時間とコストが掛かる。

事前に再確認する価値あり。
土地活用に接道戦略は必須。第一歩は事前確認

道路に接道していない場合でも、救済措置的な扱いがあります。
それは建築基準法43条但し書に記載されている「空地」に面しているケースです。空地とは公園、寺社の参道などに敷地が面し、緊急時に実質的に避難可能な状態の場所です。

道路の基準を満たしていない通路などで一定の条件下で建替えしたい場合、この43条の申請手続きによって建築審査会の承認を得て建築主事の但し書扱いの許可を得られた場合、建替えができます。関係者の同意、申請図面作成などの諸条件をクリアしなければならないなど、時間とコストはかります。

実情としては、関係者の問題点の認識レベルは様々なので、同意を取り付けるのは至難の業です。さらに、専用住宅の建築、従前の建物と同じ用途の建物などの様々な制限も課せられます。


一般的に接道が合法的な状態になっていない場合でも、通常の通行や既存建物の利用が制限されることは少ないと思います。しかし、その敷地に新たに建物を建築する場合や敷地を売却しようとする場合など、いざ活用したい時に問題が顕在化します。事前に問題点を把握していれば、時間がかかったとしても解決に向けての対策が打てるかもしれません。資産価値に大いに影響する接道を再確認してみては如何でしょうか?

都道府県道、区道、市道は普段に接する機会が多いので皆さんもご存知かと思いますが、問題点を内在しやすい、位置指定道路や2項道路について次回に詳しく説明してみたいと思います。

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