コラム

 公開日: 2015-10-26 

敷地条件(接道方位、敷地面積・寸法)が決めるもの(3)

前回では、戸建住宅の日当たり条件を訴求した場合、南道路以外は敷地南北方向の寸法が重要とお伝えしました。
今回は敷地の接道面の間口寸法が何に影響するのか、また障害が少ない敷地寸法をお伝えしてみたいと思います。
敷地選択、活用の参考にして下さい。

ライフスタイルの何を優先させるかで土地の間口も決まる、駐車場計画から見る土地購入のポイント 

停めやすい駐車場、縦列駐車。敷地間口は7.5m以上の確保を。

接道面の敷地間口寸法については、まず駐車場計画に影響があります。
さらに駐車場計画は前面道路の幅員にも影響を受け、4m以下の道路幅員では縦列駐車(道路と平行に駐車する形態)の方が止めやすい場合が多くなります。また、敷地面積、間口の条件から建物を矩形にするプランの方が合理的な場合は、やはり縦列駐車の計画となり易いです。

全長4.7mの5ナンバーの自動車ですと縦列駐車とするには、敷地間口寸法が7.5m以上必要になります。

その駐車場計画は、正解? ライフスタイルの何を優先させますか

昨今、住宅地では60〜70坪あった1区画を業者が買い取り、2分割して分譲される事例も多く見かけられます。例えば道路に面して13〜14mあった敷地間口が7m以下になってしまうことです。この寸法ですと縦列駐車の必要間口7.5mが確保できず、車種がショートボディタイプに限定されてしまします。

間口が狭くとも建物シルエットを雁行させ、駐車場計画を無理やり道路と直行させる場合があります。その場合は玄関やアプローチの突出、リビングダイニングの採光低下、シルエットの変形から、1階のプランの居住性が犠牲となってしまいます。駐車場を建物に隣接して設けられるのはマンションにない戸建住宅の魅力ですが、そこまで優先にする必要があるものか悩ましいものです。

また、前面道路が袋小路で転回広場が無い場合は、縦列駐車ではバックでの進入となり、運転技量が問われます。さらに一方通行などの規制から運転席側に建物がくる縦列駐車計画などは運転席乗降の為、駐車場の幅が3m以上は欲しくなります。それは意外と建物配置計画に影響が出ます。

特に縦列駐車では外構計画は基本的にオープン外構になります。門塀で敷地を囲いたい方にはその計画は向きません。また、駐車の必要開口寸法が大きい為、電柱や支線の移設が必要になる場合もあります。電柱、支線の移設先を決めることは構造的問題、近隣問題から難問になりがちです。

南道路では駐車場計画での日当たり条件の影響は少ないですが、リビングの前面が駐車場になるケースもあり、休日の日中に車を眺める景観は如何なものでしょうか?また、建売分譲地などでよく見受ける南道路区画の縦列駐車パターンでは、通行人から室内のリビングが見通せるため、日中でもシャッターを閉めている事例も多くあります。せっかくの南道路の好条件を活かせません。難しいものです。

建物に駐車場をビルトインする計画では、車庫スペースに最低でも1台につき7.5畳スペースが必要となります。それは1階に造れるはずの居室を、1室削ることになります。場合によっては、2階にLDKを計画しなければなりません。敷地条件にゆとりがあり、車を特に大切にしたい方に向いている計画です。車庫前のアプローチスペースを考えますと、住宅展示場にあるモデルハウスのように、ゆとりがある敷地に単世帯住宅を計画するようなパターンとなります。

嗜好性の強い住宅は将来の流動性は低下しますので、相続人や中古住宅希望など承継者には評価してもらえません。残念ながら、敷地だけの評価になってしまいます。
やはり嗜好性が高い計画を望まれる方は、将来売却やライフルタイルの変化に対応するよりも、今欲しいものや今の暮らし方を優先されているのだと思います。

2、30年後、土地と建物の「行き先」を増やす土地選びとは?

一方、道路に直交する駐車場計画では北、東、西道路の敷地の場合、極力北側に建物を配置することが望まれますので、敷地接道間口が11m程あれば矩形の建物に隣接した駐車場計画が可能です。

玄関、水廻りなどに老後対応の面積を確保され、その他に1階にどれだけ居室数、収納面積を取れるかが、その物件の商品価値につながるものと思います。駐車場もまた、デイサービスの送迎車が横付け可能なスペース、その乗降配慮もあれば越したことではありません。誰もが使いやすく、汎用性の高いユニバーサルデザインが可能な敷地を選択したいものです。
なかなか2、30年後の自分を想像することは難しいですが、周りの2、30歳年上の方を参考にすることは出来ます。そこにライフスタイルの汎用性のヒントが隠されているかもしれません。

このように、敷地間口は駐車場計画に影響が多く、それに伴い外構計画、建物シルエット・配置計画にリンクし、その住宅の日当たり条件が決まってきます。

何を優先させるか、それは人それぞれかと思います。私は、「将来の土地と建物の行く末を考慮した取得」は必要だと考えています。しかしながら、将来を考えて、土地取得を選択することは、なかなか一人では判断の難しいことです。個別相談もお受けしていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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