コラム

 公開日: 2015-10-13 

敷地条件(接道方位、敷地面積・寸法)が決めるもの(1)

「日当たり」は快適で効率的な住まいプランニングのかなめ

前回では土地の地形・土地履歴からエリアリスクを読み取る方法についてお伝えしましたが、今回は戸建住宅の敷地条件(接道方位、敷地面積・寸法など)の違いによる特性をお伝えします。

戸建住宅にとっては敷地面積が限られているため、敷地条件が住まい方(敷地の使い方・プランなど)に直接的に影響してきます。

戸建住宅のプランニングの基本手順は、敷地条件によって「どこに玄関アプローチ、駐車場を計画した方が効率的か」をまず見極め、次に「より日当たり条件の良いところに居室(リビング、ダイニング、寝室など)を設ける」という手順で基本的なゾーニングを決めていきます。そのパターンを変えたシミュレーションを比較検討しながら方向性を定めます。

その中でも「日当たり」は建設地を選定した時点の敷地条件でほぼ決まってきます。土地を選んでからは解決が出来ません。日当たり改善策を取ろうとすると他の部分で目をつむることになってしまいます。一般の方にとって「日当たり」条件は図面上で理解や体感がしにくく厄介なものですが、少し探求してほしい項目です。

複数の敷地を検討している場合は土地価格と日当たりの釣り合いは難しいものですが、敷地ごとのプランコンセプトの違いだけではなく、日当たり条件の違いも敷地選定の有力候補にすることをお勧めします。

夏だけじゃない、冬の室温管理は住まい造りの大きなテーマ

以前の日本の住まいは「夏を旨とすべし」と大部分を占める温帯湿潤地帯(今は亜熱帯に近いかもしれません)に適した住まい方が「徒然草」では推奨されていました。夏の暑さは我慢できないので、少しでも暑さをしのげる通風の良い建物を基本とし「寒さは我慢」ということでしょうか。

意外かもしれませんが、エネルギー消費量は冬季の暖房の方が夏季の冷房より高くなります。
今年4月に住宅にも完全施行された改正省エネルギー基準は、住宅のエネルギー消費量の多寡が基準とされ、冬季の日当たりによるエネルギー入射はエネルギー消費の観点からも重要な要素になってきました。「冬季に日当たりが良い家=省エネの家」です。
また日本全国で「入浴中のヒートショックで亡くなる人は年間約17,000人。年間の交通事故死の約3倍」との調査研究報告もあります。(東京都健康長寿医療センター研究所2012年)
これからはますます「建物の断熱性、気密性の向上」「冬季の暖房負荷の軽減」が住まい造りのテーマになっていきます。

どの土地を選ぶか、それが戸建住宅での「住まい方」を決める

敷地面積が大きければ、敷地の接道方位(敷地の道路に面した部分がどの方位か)、日当たり条件などを気にせずに敷地内で駐車場、建物配置を決められます。
しかし、一般的に戸建住宅の敷地面積は郊外で60坪(約200㎡)前後、都心に近づくほど20〜30坪代の物件が多くなります。その敷地面積では敷地条件からのゾーニング制約は大きく、それに伴い日当たり条件も敷地選定の時点で決まってしまいます。
前面道路が坂道の場合や、敷地と道路の高低差があると更に制約は大きくなります。

一方、マンションについては、第二回目の大規模修繕を迎える築年数20数年位までは最寄り駅の属性、駅までの距離が評価の大半を占めます。築35年以上の高経年マンションになりますと、所有者の年齢層や管理に対する意識の違いにより、管理組合の活動状況が物件毎に異なってきます。このような管理状況が重要評価ポイントとして加わってきます。
上記のいずれでも、マンションの場合は住戸階数・住戸方位は評価ポイントになりますが、マンション全体の敷地条件は評価ポイントとしてのウェイトは高くありません。

こうして比較すると分かるように、それだけ戸建住宅では敷地選定が「住まい方」を決める最大の要素になります。

次回は戸建住宅の敷地条件の違いによる差を、その具体例を上げご紹介したいと思います。

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