コラム

 公開日: 2015-10-06  最終更新日: 2016-03-15

地形、土地履歴からエリアリスクを読み取る(3)

前回に引き続き、エリアリスクが読み取れるサイトのご紹介をしたいと思います。

(2)「土地条件図」(国土地理院)

国土地理院から出されている、昭和30年代から実施された土地自然条件の調査を基に土地の地形分類、形質の変更(盛土、切土など)をマップ化したものです。
地盤調査の際にも確認されるデータで、その結果も参考に地盤の判定がなされます。プロは必ず確認するデータで、一般の方も凡例を理解できれば参考になります。

主な地形分類は山地・丘陵、台地・段丘、低地、水部、人工地形です。それらを成り立ち、性質で細分しています。

自然災害と地形分類の関係では、下記のように土地条件により発生しやすい災害を推定できます。

地震被害
 液状化・・・・・・・・旧河道、後背低地、埋立地
 地盤崩壊・・・・・・山麓堆積地、高い盛土地

洪水被害
 土石流・斜面崩壊・・山麓堆積地、扇状地
 洪水、内水氾濫・・・・旧河道、後背低地、干拓地、海岸、平野、三角州、砂州
 高潮洪水・・・・・・・・・干拓地、海岸平野、三角州、埋立地、後背低地

現況が台地の平坦な地形になっていれば問題はなさそうに見えますが、浅いくぼ地、谷地を埋め立造成された分譲地も多く存在しています。同じ分譲地内でも鋼管杭などの基礎補強が必要になることも多々あります。

自然にできた平坦な台地は少なく、必ず雨水の浸食で若干でも谷地が形成され、宅地造成の際の埋め戻しで、見た目にはその成り立ちが判らなくなります。

(3)「地震ハザードステーションマップ」(防災科学技術研究所


このサイトマップの中で、地震時での表層地盤増幅率(地盤の揺れやすさを示したもの)を表示しているタグがあります。

数値的には下記分類になっています。

     1.4以上~1.6未満・・・ 場所によっては揺れやすい
     1.6以上~2.0未満・・・ 揺れやすい
     2.0以上~    ・・・ 特に揺れやすい

東京圏で1.4未満の揺れの心配が低いエリアは、武蔵野台地の広がるエリアになっています。マップ表示は250mメッシュになっていますので、その他の地理条件も参考にすればリスクの確認が可能かと思います。
やはり、縄文海進で埼玉県の奥まで海であったエリアは揺れやすいエリアになっています。

(4)「建物における液状化対策ポータルサイト」(東京都)

都内を対象に「土地履歴マップ」「地盤(ボーリング柱状図)」「液状化予測図」を検索できます。更に液状化被害軽減対策の説明、液状化被害後の復旧工法の説明があり、液状化に対する知識を高めることが出来ます。

2011年の東日本大震災の際に、関東でも埋め立て地などの地下水位が高く、砂の粒径が均一であった地盤は液状化しました。ライフラインも寸断され、街の機能が喪失されました。

戸建住宅も倒壊は免れたにせよ、6/1,000以上の傾きは排水勾配にも影響があり、生活するには実害が出てきます。また、室内では家の傾きから三半規管のバランスも崩れ「めまい」が生じたりします。液状化による被害は不動産の利用価値を大幅に下げることになります。皆さんは液状化した状態を直接見る機会も少なく実感がわかないと思いますが、事前に被害想定の有無とその対策検討を強くお勧めします。

①土地履歴マップは土地条件図、地歴情報(明治初期、昭和、現在までの地図)を透過地図で確認できます。地歴と土地条件図からも液状化の可能性は大まかに判ます。住んでいる街、住もうとしている街の歴史も判り楽しいマップです。

②地盤のタグからは、東京都にてデータ蓄積したボーリング柱状図が閲覧可能です。測点の標高、柱状図(地質を深度ごとに種別を調べたもの)、地下水位の高さ、N値(地盤の固さを数値化したデータ)などを一覧にした図です。

③液状化予想図ではボーリングデータ、過去の液状化履歴、地形分類図などから3段階評価にて液状化リスクをマップ 化したものです。

関東では関東ローム層(富士山などの火山灰が風化した土=赤土)が堆積した地盤ですと比較的、安定した地盤が多いです。それに比べ、N値が4以下の砂層でその層より地下水位が高い場合、液状化する可能性があります。地下水位は季節によっても変動しますが、都内東側の低地は地下水位が高く砂層が分布していますのでリスクが高くなります。

調べたいエリア内のボーリング柱状図を何点かピックアップするとその傾向を把握することができます。内容が不明の場合、区部建築関連部署や東京都が連携しています建築士会でも無料相談が可能です。

東京都以外の都道府県、市町村に於いても、過去に蓄積したボーリング柱状図を公開している自治体がありますので、是非情報を収集してみて下さい。

 以下に民間などの便利サイトをご紹介します

(5)「今昔マップon the web」(埼玉大学教育学部)
明治からの旧版地図と現在の地図が比較可能。同じポイントをカーソルで追うことが出来ます。また標高を透過図として明示も出来ますので地形の標高差も理解しやすいです。

(6)「遺跡ウォーカー」(たんきゅうドットコム)
奈良文化財研究所データをとりまとめ、遺跡をマップ化しています。たぶん皆様の住まいの近くにも何らかの遺跡データを検索出来ると思います。検索していると地域の長い歴史も感じることが出来ますので、一度訪れてみては如何でしょうか。

関東では埋蔵文化財包蔵地で縄文時代の住居跡がある近くは、関東ローム層である場合が多く、その層は圧密沈下量が少なく安定した地盤の可能性があります。個人的に過去に経験した縄文時代の住居遺跡近くは、住むには良い地盤が多かった記憶があります。やはり、自然と対峙して生きていた時代ですので、災害に対する知見は高かったかもしれませんね。


(7)「地盤安心マップ」(地盤ネット㈱)・「地盤サポートマップ」(ジャパンホームシールド㈱)・「住環境情報マップ」((株)環境地質他)
民間の地盤調査会社や関連会社が連携してサイトを運営しています。主に今までご紹介しました公的なデータや、自社での蓄積データから、地盤状況を簡易判定するサイトです。

公的なサイトに比べ、最寄り駅の乗降者数、地価公示、学区、医療機関の立地、騒音データなども取り入れており、地盤情報の他、不動産立地基本情報の提供を目標にされているようです。

簡易判定で安心することなく少しでも心配であれば、戸建住宅建築の際に一般的に採用されるスェーデン式サウンディング試験による地盤調査を事前に実施してみて下さい。まずは支持地盤の深さが判ります。費用は測定深さ、測定数にもよりますが、5万円前後~です。

この記事を書いたプロ

株式会社エルディーサポート [ホームページ]

不動産コンサルタント 屋形武史

東京都中央区銀座5-6-12 みゆきビル7F bizcube(東京オフィス) [地図]
TEL:03-5931-7116

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

3
<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
サービスメニュー

サービスメニューにつきましては下記当社HPをご参照くださいhttp://ldsupport.jp詳細につきましては、お手数ですがお問い合わせお願いいたしますメ...

 
このプロの紹介記事
屋形武史 やかたたけふみ

あなたの住宅・不動産に将来価値はあるのか 資産価値を最大に残すFP(1/3)

 今ある住宅の将来価値に対する客観的なアドバイスや、資産としての住宅取得を研修セミナーで教えているファイナンシャルプランナーがいます。屋形武史さんは、30年以上に渡り大手住宅メーカーで業界に携わり、住宅相談2000件以上、具体的提案500件...

屋形武史プロに相談してみよう!

朝日新聞 マイベストプロ

顧客の条件に合わせた住宅の取得・終活(売却、賃貸)をサポート

会社名 : 株式会社エルディーサポート
住所 : 東京都中央区銀座5-6-12 みゆきビル7F bizcube(東京オフィス) [地図]
TEL : 03-5931-7116

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

03-5931-7116

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

屋形武史(やかたたけふみ)

株式会社エルディーサポート

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
日本FP協会第6回小論文コンクールで優秀賞をいただきました

突然ですが、お知らせしたいことがあります。私が所属しています日本FP協会主催の小論文コンクールに私が寄稿...

「敷地セットバック必須道路」には土地健康診断で不動産価値の確認を
イメージ

前回に続き道路種別のうち「建築基準法42条2項」の道路扱いを受ける、いわゆる「狭あい道路」「細街路」「みなし道...

やはり戸建住宅は新築も既存も耐震等級3が必須か?(2)
イメージ

前回に続き、戸建住宅の耐震性能について取り上げていきます 既存住宅にも求めたい、耐震等級3レベル 住...

やはり戸建住宅は新築も既存も耐震等級3が必須か?(1)
イメージ

平成28年4月の熊本地震では建築基準法でも想定していない前震、本震で震度7を二度記録しました。前震で倒壊を免れ...

既存住宅選択基準は新築にも共通する。劣化診断結果は最終の判断?
イメージ

日本では空き家が820万戸(不明を含めれば850万戸)となり「空家対策特別措置法」の成立や、昨年度の住生活基本計...

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ