コラム

 公開日: 2015-09-24 

地形、土地履歴から災害リスクを読み取る(1)

再考、住まう土地の選択基準。家は家族を守るシェルター

住まうエリアを選択する場合、まず交通アクセスを中心に決めることが多いと思います。
さらにその交通アクセスによるエリア選択は、当然ながら勤務先や実家の所在地も大きく影響してくるでしょう。
そのなかでも住み慣れた街、地域は高評価になりやすいと思います。既知のエリアは安心感があり、年齢が上がるにつれて新たな地域への転居は、転勤などの事情がない限り選択の機会は少なくなると思います。たとえば東京の西部に長く住んでいた方が、何の理由もなく東京の東部や千葉県へ転居することはレアケースだと思います。
やはり日本人は農耕民族で、その地域に定住するDNAを持ち合わせている気がします。

エリア選択をする場合、利便性や知っている地域という安心感の他に、災害リスクの見地もおすすめしたいです。

どうしても利便性などが優先され、災害リスクは見逃されがちです。大きな災害があった時にしか注目されません。特に街が出来上がっている状態では、海抜などの数値は、そのリスクを体感的に読み解くことは難しいものです。
家は家族を守るシェルターとして考えた場合、災害リスクは優先度を上げるべきで、尚かつ資産性の確保からも重要な視点になると思います。

災害リスクで考えられるのは、水害、地震時の揺れの増幅、液状化、斜面(崖)などの土砂災害です。
それらのリスクは地形やその土地の履歴に左右され、さらに木造密集地域などは都市形成の特徴から、地震後の延焼などの2次災害の危険も高くなります。

地球規模の地形変化、街づくりの歴史は地盤の安全性を左右する

関東平野の東京圏で見た場合、古くは縄文海進で埼玉県まで海が入り込み、その後、海面の低下により河川敷の平野が広がった履歴があります。以前、海や河川であった地域は沖積層という軟弱地盤が堆積しています。
縄文時代に陸地であったところの多くは、火山灰台地として関東ローム層が堆積し、どちらかと言えば安定した地盤が多くなっています。武蔵野台地、下総台地など、海抜15m~20m以上の標高から関東ローム層の台地が広がっているエリアです。

近世の東京でいえば、江戸幕府が開かれるまで日比谷などは入り江で海になっていました。荒川の氾濫で湿地帯の広がっていた地域も、家康の利根川東進事業で開拓が進み、浜辺も埋め立てられ平坦な陸地が広がりました。土地を乾燥させる意味合いと、水運利用が目的で堀、運河が都市部でも築造されてきました。

しかし、現在の街では堀や河川、浜辺、谷地が埋め立てられ、建物が立ち、緑道などに変化してしまい、すぐには履歴を追えません。そのため、表向きにはリスクが見えにくくなっています。

政府でも「国土交通省ハザードマップポータルサイト」の整備を進めていますし、さらに対象地域の履歴や災害リスクを読み解く便利なサイトもいくつかあります。次回はそれらのサイトとチェックポイントをご紹介したいと思います。

この記事を書いたプロ

株式会社エルディーサポート [ホームページ]

不動産コンサルタント 屋形武史

東京都中央区銀座5-6-12 みゆきビル7F bizcube(東京オフィス) [地図]
TEL:03-5931-7116

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

3
<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
サービスメニュー

サービスメニューにつきましては下記当社HPをご参照くださいhttp://ldsupport.jp詳細につきましては、お手数ですがお問い合わせお願いいたしますメ...

 
このプロの紹介記事
屋形武史 やかたたけふみ

あなたの住宅・不動産に将来価値はあるのか 資産価値を最大に残すFP(1/3)

 今ある住宅の将来価値に対する客観的なアドバイスや、資産としての住宅取得を研修セミナーで教えているファイナンシャルプランナーがいます。屋形武史さんは、30年以上に渡り大手住宅メーカーで業界に携わり、住宅相談2000件以上、具体的提案500件...

屋形武史プロに相談してみよう!

朝日新聞 マイベストプロ

顧客の条件に合わせた住宅の取得・終活(売却、賃貸)をサポート

会社名 : 株式会社エルディーサポート
住所 : 東京都中央区銀座5-6-12 みゆきビル7F bizcube(東京オフィス) [地図]
TEL : 03-5931-7116

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

03-5931-7116

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

屋形武史(やかたたけふみ)

株式会社エルディーサポート

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
日本FP協会第6回小論文コンクールで優秀賞をいただきました

突然ですが、お知らせしたいことがあります。私が所属しています日本FP協会主催の小論文コンクールに私が寄稿...

「敷地セットバック必須道路」には土地健康診断で不動産価値の確認を
イメージ

前回に続き道路種別のうち「建築基準法42条2項」の道路扱いを受ける、いわゆる「狭あい道路」「細街路」「みなし道...

やはり戸建住宅は新築も既存も耐震等級3が必須か?(2)
イメージ

前回に続き、戸建住宅の耐震性能について取り上げていきます 既存住宅にも求めたい、耐震等級3レベル 住...

やはり戸建住宅は新築も既存も耐震等級3が必須か?(1)
イメージ

平成28年4月の熊本地震では建築基準法でも想定していない前震、本震で震度7を二度記録しました。前震で倒壊を免れ...

既存住宅選択基準は新築にも共通する。劣化診断結果は最終の判断?
イメージ

日本では空き家が820万戸(不明を含めれば850万戸)となり「空家対策特別措置法」の成立や、昨年度の住生活基本計...

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ