コラム

 公開日: 2015-09-14 

エリア環境を決める「用途地域」から読み解く将来的不動産価値

「用途地域」が街並みと景観を創る

皆さんのお住まいの地域はどのような環境でしょうか?
エリア環境に影響がある建築法規制に都市計画法の地域地区の一つとして「用途地域」があります。

この用途地域は住居系、商業系、工業系の3つの地域から細分化され、合計12の地域があります。
「用途地域」は高度規制などの地域地区と合わせ、その地域に建築可能な建物用途、建物規模を制限するものです。そして不動産価値にも影響ある規制です。
都市計画情報としてお住いの自治体HPで確認できるかと思います。地図上に地域ごとに色分けをされていますので、現在の住まいと周辺地域がどの用途地域に指定されているか、一度ご覧になると新たな発見があるかもしれません。

地域は、概ね5年毎に見直しされます。新駅周辺、再開発地域がまず見直されて、住居系の地域は大きく規制緩和されることはなさそうです。

「用途地域 一覧」

第一種低層住居専用地域  低層住宅の為の地域。指定面積が一番多い
第二種低層住居専用地域  主に低層住宅、150㎡までの一定の店舗など
第一種中高層住居専用地域 中高層住宅、500㎡までの一定の店舗、病院、大学など
第二種中高層住居専用地域 主に中高層住宅、1,500㎡までの店舗、事務所、病院、など
第一種住居地域      住居、3,000㎡までの店舗、事務所、ホテルなど
第二種住居地域      住居、店舗、事務所、ホテル、カラオケBOXなど
準住居地域        住居、沿道の自動車関連施設など
近隣商業地域       住居、店舗、事務所、小規模工場など
商業地域         住居、銀行、映画館、飲食店、店舗、小規模工場など
準工業地域        住居、店舗、軽工業工場、サービス施設など
工業地域         住居、店舗、工場(学校、病院、ホテルは不可)
工業専用地域       工場の為の地域(そのほかの建物は建てられません)

上記をご覧になり、何かお気づきになるでしょうか。
用途地域制限だけで見た場合、「住居」は工業専用地域以外であればどこでも建築可能です。以前、工場が多く建っていた「豊洲」「武蔵小杉」は現在タワーマンションが乱立しています。商業、工業系地域は高さ制限、面積制限がゆるく、高層建築が可能です。都心回帰現象と相まって新たな街が出来ています。

この用途地域は、平成4年の都市計画法改正で住居系の地域が3種類から7種類に分かれ、合計8つの地域から12の地域に細分化されました。開発が進みすぎることへの抑制と住環境の保全目的のための改定だったのか、イマイチ理解に苦しみます。

規制の細分化は町の多様性を失いかねません。自分の若い時代は大規模開発などの「一律なもの」に対し「近代的」「躍動的」な感覚を持っていましたが、今は不自然さや不便さも感じてしまいます。「味」が判る世代になってきたのでしょうか。
混沌と規律の塩梅が、街並みや景観の持ち味を決めてくると思っています。


国内外の政治・経済に左右される「用途地域」。そこから見通す不動産価値

産業構造に裏打ちされている建築規制はその地域の建物用途に大きく影響します。しかし、規制は時代の流れを先行することは難しく後追いしがちです。
特に産業構造の変化は国内事情だけで決まることでもなく、先読みは難しいものです。
円高の影響で工場が海外移転し、20年後にタワーマンションが乱立していることを、誰も予想できなかったでしょう。また、1964年制定の工場等規制法や文部省の方針で23区内の都市部に大学が建築しにくくなり、各大学は八王子などの郊外に新校舎を建築していきました。現在は小泉政権時代の規制緩和で2002年に工場等規制法が撤廃され、皆さんもご存知のように、大学の都心回帰が進み高層の校舎に建て替えが進んでいます。真逆の現象です。

こうした外的要因に左右されるとはいえ、皆さんも、ご自分が住んでいる街、住まいを求めようとしているエリアの産業構造の変化に着目されては如何でしょうか。将来その地域がどのように変化していくのか、将来的不動産価値の予測の一助になると思います。

この記事を書いたプロ

株式会社エルディーサポート [ホームページ]

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