コラム

 公開日: 2015-08-31 

世帯数推計から読み解く将来の「生活スタイル」の課題点

「人口減少・世帯数増加」の意味するところ

世帯数は賃貸も含めた住宅需要に人口数より直接的に関連します。
国立社会保障・人口問題研究所の世帯推計(2014年推計)では、日本の世帯数は2020年に5,305万世帯をピークに減少する推計を出しています。人口推移と同じように、地方圏の世帯数減少が始まるのは早く、今年の2015年が世帯数のピークを迎えます。三大都市圏では、ピークは2025年とされています。

人口が減少していく中で、世帯数が伸びると言うことは単身世帯の増加を意味しています。

世帯類型別では、すでに2010年に単身世帯数が1,679万世帯と全世帯数の36.4%を占め、「夫婦と子」31.4%、「夫婦のみ」22.2%、「ひとり親と子」9.8%を抑え主力世帯となりました。以後、2030年の1,846万世帯まで単身世帯の増加が見込まれています。さらに、2035年には37.2%と4割近くが単身世帯となる見込みです。

2005年には「夫婦と子世帯」は「単身世帯」と肩を並べていました。しかしそれ以降逆転、以前は標準世帯といわれていた「夫婦と子」という類型は減少の一途をたどる見込みです。2035年には23.3%まで比率が下がってきます。そして世帯人員も2010年に2.42人/世帯であったものが、2035年には2.20人/世帯まで減少の見込みです。

独り住まい増加の傾向は北ヨーロッパと同じ

皆さんが感じているように、夫婦と子供2人という家族4人世帯はすでに標準形ではありません。私が若いころのドラマは『時間ですよ』『寺内貫太郎一家』『岸辺のアルバム』『渡る世間・・・』などの家族が多い設定であったかと思います。最近はTVドラマを見なくなってしまいましたが、その家族設定は時代を反映していると思います。

単身世帯率の増加、世帯人員の減少はそんなにビックリする数値ではなさそうです。すでに北西欧諸国(ドイツ、デンマーク、フランス、オランダなど)は将来の日本の状況と同じになっているようです。ちなみにドイツの世帯人員は2.2人、単身世帯率が40%になっています。「大家族主義が、核家族に、さらに主力は単身世帯へ」は自立した人が多くなっていくという意味でしょうか。個人的には自立というより孤立が心配です。

増えていく高齢者の独り住まいとその課題

ここで懸念される内容があります。それは高齢単身世帯の増加です。今までの単身世帯のイメージは「独身の若者・学生」でしたが、これからは高齢者が増加する見込みで、単身世帯の4割以上を占めていきます。2010年に15歳〜64歳の生産年齢単身世帯が1,181万世帯、高齢単身世帯が498万世帯であったものは、2035年推計で前者は1,084世帯と減少する一方、後者は1.5倍以上の762万世帯と増加する見込みです。

特に都市近郊での高齢単身世帯は急増する推計となっています。さらに都市部では医療、介護施設不足、スタッフ不足が重なり、高齢単身世帯のケアは社会問題になると予想されています。また、地域との孤立、肉親不在、人付き合いの減少など、単身高齢者の精神的な孤独にどう取り組むかも重要になってくるでしょう。日本創成会議は、こういった社会問題を防ぐために高齢者の地方移住を提言していますが、都市近郊で育った単身高齢者が地方移住に順応できるか大いに疑問があります。やはり、既知のエリアで集住するしかないかと懸念しています。仮に自分がその状態に置かれた場合、どのような住まいの選択をするのか、考えるところです。まずは孤立しないよう地域と接点を待たなければと思っています。

次回は、人口世帯推計から見た住まいの変化についてまとめてみたいと思います。

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