コラム

 公開日: 2015-08-25 

将来人口推計から不動産を見る

人口推計は優秀なエコノミストより確実な経済予測

人口・世帯数は国内需要の市場に直接的な影響があります。とりわけ不動産市場にとっては、国土が広がったり、縮んだりしませんので不動産の将来需要は人口・世帯数推計にリンクして読み取れます。どの業種にも当てはまることですが、人口が増加すれば需要は高まり、減少すれば需要は少なくなります。しかし、不動産に関しては、都市部に限り特別な場所があります。タワーマンション建設のように、再開発による政策誘導的な容積率緩和は、都市部の土地を広げているのと同じ効果があります。恩恵にあずかれるのは、大手デベロッパーに限られるというところでしょうか。

実は、人口推計は優秀なエコノミストの経済予測より確実に当たります。

日本の総人口は2008年(平成20年)の12,808万人をピークに減少を始めています。
当初2010年頃(平成22年)が人口ピークとみられていたのが2年程早まりました。国立社会保障・人口問題研究所の2013年将来人口中位推計では、2030年に総人口11,662万人、2055年には9,193万人と1億人を割り込みます。今から40年後には、人口は約28%の減少が見込まれます。
仮に少子化問題が解決し、2014年に合計特殊出生率が1.42だったものが、2016年には人口置換水準の2.08になったとしても(たぶんなりませんが)、不動産市場に効果が表れるのは、赤ちゃんが住宅第1次取得者になる30年から40年後の話となります。
不動産との付き合い方は、当面、人口減少と向き合いながらその変化の中身を観察する必要があります。

「東京集中化」「高齢者人口の増加」の変化をチャンスに。

日本創成会議が「自治体消滅」などのトピックを出すほどに、減少数値はエリアによって違いがあります。皆さんが報道で耳にするように、おしなべて規模の小さい地方自治体ほど人口減少率は高くなっています。そのなかで東京圏は全国の人口減少から7年ほど遅れの、2015年が人口のピークの見込みです。さらに都内23区は、その人口集中が読み切れないのでしょうか、人口推計の度に上方修正され、人口のピーク年が後ろ倒しになっています。都内の高層マンションの供給予定から見ても、「トウキョウ」集中は当面続きそうですね。

 人口減少が進む中で高齢者人口は増加します。私も仲間入りしますが、2025年には2010年より700万人ほど増加し、老年人口比率も23%であったものが30%を超える見込みです。約3人に1人が高齢者という世界です。しかし高齢者増加の内訳をみると一律ではありません。75歳以上の後期高齢者は750万人増加ですが、65〜74歳の前期高齢者は50万人の減少です。2025年以降、持ち家率の高い団塊世代が、要介護率が高くなる後期高齢者層に突入するという人口インパクトが不動産市場にどのような影響を与えるか、今後、推察していきたいと思っています。

人口の減少、高齢者の増加によるインパクトを考慮すると、不動産に関して悲観的に考えがちになってしまいます。しかしここは、「変化はチャンス」とらえ、将来を見越して不動産と賢くつき合えれば、「失敗した」と思わずに済むのではないでしょうか?

国立社会保障・人口問題研究所のHPで、各自治体ごとに将来人口推計値を閲覧できます(5年ごとの2040年まで、年齢階層別)。まずは、皆さんがお住いの自治体の推計値が、周辺自治体と比べどのようになっているか確認されてみては如何でしょうか?

次回は将来世帯推計についてまとめてみたいと思います。

この記事を書いたプロ

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