コラム

 公開日: 2016-08-06 

【遺産が未分割の場合の相続税の申告及び納税への影響について】千代田区/相続/相談/税理士

相続税の申告のお手伝いをしている中で、被相続人の遺産について相続人間で意見が分かれ、相続税の申告期限(相続開始日から10ヶ月以内)までに遺産分割協議が調わないこともございます。その様な場合の、相続税の申告や納税への影響について纏めてみました。

本来は、各相続人にて自身が相続した財産に対して相続税を申告及び納税をすることとなりますが、遺産分割協議が調わない場合には、各相続人が民法上の法定相続分で財産を相続したものとして、相続税の申告及び納税を行うこととなります。

被相続人の遺産を一切相続していない場合でも、自身の法定相続分に相当する財産に対する相続税を納付期限までに納付しなければなりません。(仮に、その相続税を期限までに納められない場合には、国から「延滞税」という利息を請求されます。)なお、申告期限後、遺産分割協議が調った段階で、申告のやり直しを行い、相続税の精算を行うこととなります。

また、相続税においては、税の軽減特例措置や納税の特例措置が種々設けられていますが、特例の中には、遺産分割協議によりその取得者が決まっていなければ適用できないものもございます。以下、遺産分割を前提とした代表的な特例措置をご紹介します。

①配偶者の税額軽減
配偶者が相続した財産のうち、配偶者の法定相続分又は1億6千万円とのいずれか多い金額まで相続税が減額されます。
②小規模宅地の評価減
被相続人の事業用及び居住用の土地等について、一定の要件を満たした相続人が相続した場合には、一定の面積を限度としてその宅地等の評価額が50%又は80%減額されます。
③物納 
相続税の納付につき金銭で納付することが困難で、延納でも困難である場合、不動産等の財産で納付することができます。

※特例①②については、申告期限までに遺産が未分割の場合、相続税の申告書に「申告期限後3年以内の分割見込書」を添付して提出し、その後遺産分割が決まり次第、税務署に対して更正の請求を行うことにより特例の適用が可能となり、一旦納付した相続税が還付されることとなります。

遺産分割協議が長期化した場合、納付期限までの納税資金の確保が難しくなるだけでなく、特例を受けることができないため、納付税額も多額になることが予想されます。
遺産分割協議には法律上の期限はありませんが、相続税が課税される可能性のある方は、相続開始日から10ヶ月という期限を意識して手続きされることをお勧めいたします。
なお、将来の相続時に遺産分割協議が調わないと予想される場合には、生前に遺言書を作成しておくことにより、このような事態を避けることが可能となります。残されるご家族のために、生前からできる対策を講じておくことも大切かと思います。

当事務所は、相続税、相続対策、事業承継対策を専門的に扱っている事務所です。
弁護士事務所との協力関係のもと、遺言書の作成のご相談にも随時対応しております。
初回の相談は無料で行っております。また、相続税の簡易試算も無料にて実施中です。
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