コラム

 公開日: 2014-07-10  最終更新日: 2014-07-31

【11日目】キャッシュフロー計画の作成方法




【経営改善計画策定支援研修(理論編)11日目】

11日目のテーマは、

キャッシュフロー計画の作成

です。


売り上げ計画、利益計画と進んだら、貸借対照表の作成です。

そのうえで、キャッシュフロー計算書(C/F)の作成に入ります。

しかし、量・質ともに難しいのはキャッシュフロー計算書です。

そこで、まずはキャッシュフロー計算書の必要性や構造の解説から入りました。


一般的に、どのくらいのキャッシュが生まれたのかをみる方法として、税引き後当期利益+減価償却費の計算式が使われます。

でもこれは、簡便法と言って良いでしょう。

なぜなら、税引き後当期利益のベースとなるP/Lには、キャッシュに関係ない損益項目が他にも含まれているからです。

例えば、固定資産の評価損や除却損、貸倒損失などです。

さらに、P/Lに出て来ない資金の動きもあります。

例えば、売掛債権の増減に伴うキャッシュの増減や固定資産の購入などが挙げられます。

ちなみに、売掛債権が増加するとキャッシュが減少します。

逆に、売掛債権が減少するとキャッシュが増えることになります。


ですから、P/Lの数字だけからは正しいキャッシュフローが掴めません。

そこで、C/Fが必要になるわけです。


C/Fの構造は、

1)営業活動によるC/F

2)投資活動によるC/F

3)財務活動によるC/F

の三つから構成されます。


投資活動と財務活動は何がお金の出入りに影響を与えたのかを直接記入していきます。

例えば、借入金でキャッシュが増えたとか、建物を買ってキャッシュが減ったという具合です。

これを直接法と言います。

しかし、営業活動は直接お金の出入りに影響を与えた項目を記入する直接法ではなく、税引き前当期純利益からスタートして、P/Lのキャッシュの出入りに関係ない損益項目を足し引きしていきます。

これを間接法といいます。

そのうえで、投資活動や財務活動に表れてこない直接お金の出入りに影響を与えた項目を記入していきます。

理由は分かりませんが、税引き前当期利益と実際の営業活動のC/Fを比較すると、損益と資金収支の違いは明確になります。


C/Fは、P/Lを作ってその後にB/Sを作ってから作成します。

なぜなら、B/S増減を加味しないとC/Fは作れないからです。

P/Lに影響を与えないB/S項目だけのやり取りもあります。

上記にも記載しましたが、借入金を増やしたり返済したりした場合などがその典型です。

売掛金を回収する場合もそうですし、買掛金を支払う場合もこれに相当します。


税引き前当期利益からスタートして、P/L項目の中からキャッシュに影響を与えない項目を抜き出して足し引きします。

そのうえで、B/SからP/Lに影響を与えない項目の増減を足し引きします。

それぞれの項目は、営業活動、投資活動、財務活動に分けて記載することになります。


そして、再度P/Lを使います。

例えば、固定資産売却益は上記のどの活動に相当するでしょうか?

不動産業でない限り、これは投資活動に当たります。

すると、固定資産売却益の金額を投資活動に入れる必要が出てきます。

しかし、この売却益は税引き前当期利益に含まれています。

すると、営業活動から差し引いておかないと出入りが合わなくなってしまいます。


他にも、固定資産の増減が何によって生じたのかをC/Fでも分かるようにしておいた方が良いでしょう。

なぜなら、それが改善計画にも反映されてくるからです。

ちなみに、固定資産の増減ですが、増える場合は購入するか贈与されるかでしょうね。

減る場合は、売却するか贈与するか、また除却(廃棄)するかでしょうね。

他にも、評価損益が固定資産の増減に影響を与える場合もあります。

ゆえに、固定資産台帳から拾い出して、この増減の原因ごとに区分記載していく必要があります。


固定資産以外にも、債務免除を受けたときなどは、借入金の減少でキャッシュが出ていきます。

これは、財務活動に記載されているでしょう。

しかし、債務免除益は税引き前当期利益に含まれているのでここから除外する必要があります。

そのうえで、財務活動のところに債務免除益による収入を入れることで辻褄が合います。

このような調整も必要になるので注意が必要です。


ところで、C/Fの前提となるB/Sですが、過去のB/Sから各種回転期間を算出して将来のB/Sに反映させることになります。

特に気をつけるとしたら、設備投資計画とそれに伴う減価償却費でしょう。

やはり、適切な時期に設備投資をしないと売り上げを上げるにも上げられないことになりかねません。

さらに、減価償却費は利益の減少につながりますが、節税にも役立ちます。

その辺りも加味した計画が作れるとベストです。


最後に、C/Fを作成する総合演習です。

P/LとB/S、それに固定資産等の増減調整をして完成させます。

これで、やっとC/F作成までの大きな流れが掴めました。


疲れましたが、演習が多かったので時間が経つのが早く感じられた一日でした。


本日は以上です。

では、では。


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