コラム

 公開日: 2013-03-12 

家事事件法の改正⑤ 審判前の仮処分

審判前の保全処分
  従来、審判前の保全処分は、審判申立てがなされていることが必要でした。例えば、これまで婚姻費用の分担について保全申立てを行うためには、審判申立てをするか、婚姻費用分担について調停を不成立として審判移行する必要があり、迂遠でした。
  この点について、今回の法改正により、8つの事項の場合(家事事件手続法157条1項等)については、調停の申立てがあれば審判前の保全処分の申立てができることとされました(同法105条1項)。
  今回の法改正により、婚姻費用分担調停を申立てた場合にも、審判前の保全処分の申立てができるようになります。婚姻費用については、当事者双方の収入に関する資料が提出されれば標準的な金額の範囲を算定表から算出できることから、保全処分として暫定的に婚姻費用の分担を命じて申立人の生活の安定を確保することも、より可能になりました。また、別の例として、離婚後の財産分与に関する処分についての調停事件係属中に、申立人に分与することが見込まれる相手方名義の不動産を相手方が勝手に処分する可能性が急速に高まった場合などについても、審判前の保全処分の申立てをすることにより、相手方が不動産を処分することを阻止できるようになりました。
  以上のように、審判前の保全処分の申立てについての今回の法改正は、迅速性が要求される上記ケースのような調停事件において、大きな意義を有するものといえます。

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