コラム

 公開日: 2017-11-14 

結果と過程の両者をフォロー・評価して、現場のやる気を引き出す

頑張りの過程も評価していますか?

フォローと評価


人づくりでは、OFF-JT、OJT、自己啓発を単発で行っても効果は出ません。
フォローと評価の仕組みもあって、はじめて成果が得られます。

フォローと評価がなければ、現場での多くの業務は「作業」になってしまいます。
現場も経営者も業務の判断基準が「納期」のみになりがちです。
とにかく納期を遵守すれば仕事は終わりだ、という発想に留まるからです。

付加価値額を拡大させるならば、あらゆる活動には仕組みが必要です。
そして、その仕組みを機能させるためには、フォローと評価が欠かせません。

フォローと評価があることで、現場も経営者も共に業務を多面的に見るようになります。
「納期」以外も、大切な項目があることに気づくのです。

フォローと評価が、多面的に判断する姿勢を促します。
そして、仕事の評価を多面的にとらえる代表的な2つの視点があります。







結果だけでなくプロセスも評価する


1)仕事を結果で評価する。
2)仕事をプロセスで評価する。
これらは、人事考課における代表的な2つの視点です。

仕事の「結果」は、経営者が黙っていても、白黒はっきり出てきます。
成果を確認するのに、経営者はそれほど苦労はしません。
良かったか悪かったかは、すぐにわかります。

一方、仕事の「プロセス」は、経営者があえて見ようとしない限り絶対に見えてきません。
ですから、経営者がプロセスを評価するには、手間と技量が必要です

対象者を常日頃から見守る姿勢が無い限り、評価することはできません。
したがって、「プロセス」を評価するには、仕組みも必要になってきます。

さらに、プロセス評価は、なかなか難しいものです。
安易な評価体制では、感覚な評価となり、かえって現場の不満を引き起こします。

ただし、それでも、やはり長期的には「プロセス」評価をできるようにしたいです。
なぜなら、「プロセス」評価は、動機づけと密接な関係があるからです。





存続と成長には、現状を打破するエネルギーが必要です。
そこでは、現場の動機づけが重要な役割を果たします。

ですから、
仕事の評価を多面的にとらえる時、
・「結果」
・「プロセス」
この2つの視点をバランスよく使い分けます。

結果のみの評価も、プロセスのみの評価も、現場の納得感を得ることはできません。

例えば、難易度の高い業務に対して、若手がとてもいい仕事をした時、どのような声をかけるべきでしょうか。
・とても良い結果が出たね。
・今回の仕事はとても大変だったね。
・今回の仕事はとても大変だったけれども、良い結果が出たね。

仕事の結果は当然のこと、頑張っていた姿勢も評価してくれたと感じることで、評価への納得感は高まるのです。


プロセスを評価するということは、プロセス自体の良し悪しを判断することになります。
現場の自律性を重んじる前提がなければ、そもそも成立しない評価制度です。

仕事のやり方に、上司があれやこれやと口を出し、そのプロセスを評価するということはあり得ません。
つまり、プロセスを評価する仕組みを通じて、自律性を重視する雰囲気が醸成されるのです。

自律性が高い職場では、結果に加えて、プロセスから得られる満足も大きいことに注目します。
ですから、プロセス自体を評価の対象にすることで、現場のモチベーションが高まるのです。









3.プロセスからも満足を得るという事実
経済学には人々の満足やうれしさを指す「効用」という概念があります。

横浜市立大学の白石小百合教授はプロセスからも「効用」を得られるとしています。
スイスの政治経済学者ブルーノ・フライの言葉を引用し、次のように説明しています。





スイスの政治経済学者ブルーノ・フライは、
人々は仕事で得た
所得などの「結果」だけでなく、
「プロセス(過程)」からも効用を得ると主張しています。
米国のある研究では、
自営業者は、
所得が低く労働時間も長くても、
幸福度(仕事満足度)は高いそうです。
フライは、
自営業者は自己決定権の範囲が広いため、
雇用者より仕事の自由度が高く
仕事を面白く感じるプロセス面が寄与していると考えています。
(出典:日本経済新聞2015年5月11日)





つまり、自律性が高ければ、自己決定権の範囲は広くなり、仕事を面白く感じる機会が増えます。
それが持続するやる気を引き出すのです。

仕事は結果だけでなく、プロセスも重要であることがわかります。
ですから、フォローと評価では、仕事の結果だけではなく、プロセスも対象にした仕組みの構築を目指します。

プロセスを評価する仕組みは、簡単には出来上がることはないでしょう。
試行錯誤を繰り返すことになります。

しかし、こうして構築された評価制度は「強み」です。
納得感を得られる評価制度は、競合にとっては完全なブラックボックスです。
従業員の定着率にも関係する貴重な経営資源であります。

それだけに、自律性を生かした、仕事のプロセスを評価する仕組みの構築は、取り組む価値のある課題です。


こうした評価制度は、経営者と現場との信頼関係を強化します。
納得感の高い評価をしてくれる経営者を信頼するのは当然のことです。

仕事の結果だけではなくプロセスも評価の対象にした仕組みをつくりませんか?



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