コラム

 公開日: 2015-07-23  最終更新日: 2017-02-21

国語を学ぶこと、教えること‐その深さについて

 本コラムでもお知らせ致しました通り、6月2日から7月16日にかけて、YouTubeで「詩の朗読」を公開しました。高村光太郎の『智恵子抄』の作品群から15篇、かつて私が大いに心を導かれ、言葉の力の恵みを受け、また一方で光太郎と智恵子の愛と生涯を如実に受けとめることのできた作品を、さらに朗読によって「音韻=ことばのひびき」を最大限にお伝えしうる観点から選びぬいて、読ませていただいたものです。

 朗読によって音韻の力をひろくお伝えする試みは、端緒についたばかりです。第一陣として、やはり私自身がもっともその力を享受した『智恵子抄』の作品を手がけさせていただいたのですが、四十年ちかく愛誦して来たこれらの詩群を、少なからぬ方々にお伝えする意図で朗読してみて、やはり最初に感じたのは、読むことのむずかしさ、学ぶことの深さであります。

 光太郎作品、とりわけ今回朗読させていただいた作品のうちでも「レモン哀歌」、「樹下の二人」、「人類の泉」、「梅酒」、「あどけない話」などは、往時、完璧に暗誦していた作品です。「レモン哀歌」については本コラム他でかなり突っ込んだ鑑賞の手引きのようなものも書き、私としては一応、「読むための解釈」は確立していた作品なのです。授業において音読する時にも、その都度できる限りの朗読を、生徒たちの前に提示して来たつもりでおりました。

 しかしそれでも、録画してその音声を聞いてみると、さらに幾通りも、読み方の工夫があることに気づかされました。ここをこうすれば、あそこをああしたら、という、「読み方」、そして「受け取り方」の違いが、無限にあることを認識させられたのです。

 この朗読の試みは、僭越ではあるが、「文学」および「国語」の立場から、ひとつの「朗読」のありようを示そうという意図を持って行なったものでもあります。そしてその限りにおいても、さらにまだ、無限とも思える「読み方」(解釈ではなく、朗読において)が考えられるということが、実感されました。

 国語を学び、知るということは、何とむずかしく、奥深いことでしょう。さらにそれを「教える」となれば、そこには自分だけでなく、こちらが教えようとする「相手」の存在があります。その場において「生徒一人一人に対し」、「一人一人が『わかるように』教える」ことをつねに心がけているのですが、自分自身のとらえ方にもまだまだ無限の可能性があるのですから、まだ知らぬ対象(文章あるいは作品)、まだ知らぬ相手(塾においては生徒)との現場にあっては、いったいどれだけの広がりがあるのでしょうか。

 夏期講習前に取り組んだ「朗読」の試みから、さらに深く遠い目標を掘り当てた7月でありました。すでに始まった夏期講習で、小学1年生から高校3年生までのすべてのクラスにおいて、この大きな課題をさらに突きつめ、実践し、生徒たちに還元して行きたいと願う今日この頃です。

ご参考として(再掲) 高村光太郎 「人類の泉」


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