コラム

 公開日: 2012-08-28  最終更新日: 2012-09-03

小田原漂情・言問学舎のWeb夏期講習⑮ 読書感想文の仕上げ<本年度最終回>

 さて、夏休みもいよいよあと3日、感想文も大詰めの段階です。ここまで来ると、子どもたちは、自分が考え、書いて来たことを、「どうやってつなげ、まとめるか」という点で、最後の難関にさしかかります。

 ここで大事なのは、「段落と段落のつなげ方」ではなく、「書いて来た内容に添って、全体のしめくくりをする」ことです。もちろん「つなげ方」で先へ進めない子が多いですから、それを軽視するわけではありません。

 「つなげ方」は、「つなげる」つまり「接続詞」の問題、と考えてしまうと、非常に苦しくなります。適切な接続詞が見つからなかったり、「そして」や「しかし」などがつづいてしまったりすることが多いからです。

 しかし、ここで見方を変えることが大切です。もっとも良い「切りかえ方」は、つなげにくいところで、「自分の考えを述べる」ことです。前の段落で、「主人公の・・・という言葉を読んで、わたしは悲しくなりました。」と書き、あとがつづかないとします。こういう時こそ、段落を変えて(次の行で一字下げて)、「もしわたしが、この主人公の立場だったら・・・」と、「自分の思うこと」によって、文章を展開してゆくのです。

 ですから、はじめから書いて来た内容に添うことが大事なのです。そして、つなげ、伸ばし、展開させ、最後にしめくくることで、どこにもないオリジナルの感想文が出来上がります。しめくくりの文章は、子どもの感性にまかせましょう。そこで指導する人間の考えを押し付けたり、「良い評価」を受けることを考えさせたりしては、せっかくの読書体験と感想文を書いた苦労が、台無しになるからです。

 何年か経って、「えー、こんなこと書いたの?恥ずかしい」と、思うことがあるかも知れません。それでいいのです。十一歳の時、四年生の時、三年生、九歳、八歳、それぞれの年齢で、それぞれに何かを感じ、また考えて、文章の形に書きあらわした、そのこと自体が、子どもの成長の糧になります(もちろん、子どもの個性、感性を伸ばす書き方、進め方でなければ、子どもにとっては苦痛にしかならないことも多いのですが)。

 だからこそ、最後のしめくくりは、お子さんが自分で書くようになさって下さい。短くてもかまいません。読んだ本の内容を思い出し、自分の書いて来た感想文をはじめから読み直して、最後に心に浮かんで来るもの。それが「本を読み、感想文を書く」ことで得られる果実です。できるだけ、「またこういう本を読みたい」「みなさんも読んで下さい」というような決まった形でなく、「この本を読み、文章を書いて来て、自分はいま、こうしたことを感じている」という内容が良いでしょう。文章の書き方の良し悪しに対する評価はあっても、「何を感じたか」に対する優劣としての評価は、本来あり得ません。お子さんが自分の思うところを精一杯書き上げた感想文を、どうぞご一緒にお読みになり、また次の読書への、橋渡しの材料となさって下さい。Web夏期講習・感想文の講座主宰者として、それが一番うれしいことです。

 ことし、2012年度のWeb夏期講習は、今回をもって終了とさせていただきます。多くの方にご覧いただきまして、本当にありがとうございました。この内容に触れて下さり、これから学びの道を進んで行かれる方々のお役に立てれば、幸いこれにまさるものはありません。
 また掲載した記事のうち、秋以降の受験勉強のサポートになる内容のものは、「秋期講習」「受験対策講座」などとして、内容を吟味したうえで改めてお知らせさせていただきます。かねてご案内させていただきました「センター試験・国語対策講座」とあわせ、今後ともご覧いただけますよう、よろしくお願い申し上げます。

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小田原漂情
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