コラム

 公開日: 2012-03-23  最終更新日: 2012-03-31

都立高志向が高まり続ける今・現在の都立高入試の実情と対策について

 平成24年度の都立高校全日制普通科全体の実質倍率は、1.42倍となりました。過去でもっとも、厳しい入試結果と言えるようです。とりわけ、1000点満点の「合格の目安」が700点以上の高校は、軒並み高倍率で、1.5倍超~2倍前後となった学校がほとんどでした。
 
 さらに、その中での受験者層にも大きく変化がみられました。

 平成21年の小石川、旧都立大附属の高校募集停止のほか、その前年の白鷗にはじまる併設型中高一貫校設置校の学級減のために、750点以上の高校の総定員は大きく減っています。年度による学級増減(対象年度の中学卒業予定者数を、都立高の総定員にある程度反映させます)でも、増えることがあるのは概ね700点未満の学校です。
 
 加えてリーマンショック以降、昨春の大震災の影響でより深刻さの増した不況のために、都立志向、安全志向がはっきり強くなっています(このことは日比谷や西の当日欠席者が減少した点からも、みてとれます)。
 
 したがって、830(自校作成)→800(共通問題)、800→770、750→720、700→660などのように、より手堅い受験校を選ぶ傾向が、強くなっているのです。
 
 従来、我々が経験的に有しているデータでは、800点ラインでマイナス10~20点、750~700点ラインではマイナス20~30点、700~650点ラインでマイナス30~40点ていど、「目安」から下へ、実際のボーダーラインとの間の「幅」が存在しましたが(当然、学校・年度によって動くものです)、現在のような高倍率、かつ下ぶれ気味の受験傾向のもとにあっては、この「幅」はきわめて小さくなっているものとみる必要があります。すなわち、志望校の決め方、勉強の仕方も、それに合わせる必要があるということです。

 合わせる、とはどういうことでしょう。従来の「目安」と実際のボーダーとの「幅」を見こんでの受験を、「チャレンジ型」とします。そして手堅く行く方向を「安全型」とする時に、去年、今年の中堅校~上位校の合格者は、「安全型」が多いと考えられるため、そのことを織り込んで、受験戦略、勉強の作戦を立てるということです。

 では、「チャレンジ型」の受験は、やめた方が良いのでしょうか。その最終的な判断は、もちろん本人と家庭で、なすべきことです。けれども受験生を預かっている以上、ここで塾としての姿勢を問われることを、避けるわけには行きません。私の考えは(これは創業以来、終始一貫していることでもありますが)、あくまで本人の意思を尊重する、ということです。ただ、そのためには私立の併願対策はもちろん、場合によっては都立の分割後期も視野に入れて計画を立てますし、想定しうるすべての可能性を示し、本人(とご家庭)が十分納得した上で、チャレンジするのならチャレンジさせるということです。

 そして、これが何よりも重要ですが、チャレンジ型であれ安全型であれ、基礎の勉強を怠って、現在の厳しい状況下で合格を勝ちとることはできないということです。都立共通問題の数学では、大問2に「みんなで考えた問題」のような、決まった形でなくちょっと頭を使って解く問題が出題されます。ここでは過去問にない形の問題が出るわけですから、様々なパターンの解き方を知っていて、それを柔軟に応用して解く力が求められるのですが(難問ではなく、基本のパターンを応用して使うものです)、これに対応する力は、3年1学期の因数分解や二次方程式の応用問題あたりでかなり、養われます。この時期の勉強をどこまで頑張れるかが、後で大きく影響するのです。
 また社会では、年が明けてから地理や歴史の基礎事項の確認をしているようでは、高得点を取るのは難しいです。特にこれから一層、「問題を読み解く能力」が求められる方向に進むと考えられるので、最低限押さえておくべき基礎知識は、やはり夏休みには身につけなければなりません(基礎知識用の用語問題集の渡し方、目標設定を、年々前倒しして来ましたが、今年はさらに強化する予定です)。
 
教える側が変化に対応するのはもちろんですが、とかく勉強というものは、勉強する本人の意識がしっかり目標を見すえて集中していないと、当然やるべき、もしくはできて当然のことがらでも、なかなか身につきません。だから言問学舎として、中3受験生は国数社の3教科を、私が直に教えているのですが、受験生自身にも、意識を強く持つよう呼びかける(または誘導する)ことを、さらに工夫して進めて行くことを計画しています。追って今年の新機軸として、改めて発表する折りがあると思います。
 
 塾というもの、当然、合格させるのが一番の仕事です。しかしながら、本人や家庭の意思を曲げさせてまで、安全策を取らせたり、逆に無理に上位校を狙わせたりしたことは、これまでに一度もありません。今後も断じて、しないつもりです。それは教育者のすることではないと考えますし、信念を曲げた教育者に、子どもを預かる資格はないと思うのです。
                      (本年度データについては、各社発表を参考としました。)

文京区の総合学習塾・言問学舎

この記事を書いたプロ

有限会社 言問学舎 [ホームページ]

塾講師 小田原漂情

東京都文京区西片2-21-12 B1F [地図]
TEL:03-5805-7817

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
お客様の声

一年間ていねいに指導していただき、無事合格できました。最後の2ヶ月は毎日徹底的に見ていただいたので、その効果があったようです。ありがとうございました。

合格実績

 今日は東京都立高校の合格発表日(分割前期)。朝一番で、うれしい合格の報が届きました。小山台高校に合格した生徒は、遠方から受験対策に通ってくれました。これを...

プロへのみんなの声

全ての評価・評判を見る>>

 
このプロの紹介記事
国語力に定評がある文京区の総合学習塾教師 小田原漂情さん

子どもに国語力をつければ、将来の選択肢が広がります(1/3)

 東京・文京区。地下鉄・南北線「東大前」で下車。東京大学農学部の正門から徒歩1分という学習環境には最高の場所にあるのが緑色のあざやかな看板が目印の総合学習塾、言問学舎(ことといがくしゃ)です。 文京区内や南北線沿線など、地域に住む幼稚園生...

小田原漂情プロに相談してみよう!

朝日新聞 マイベストプロ

文学から評論、古文漢文まで、全領域で「本物の国語」を教えます

会社名 : 有限会社 言問学舎
住所 : 東京都文京区西片2-21-12 B1F [地図]
TEL : 03-5805-7817

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

03-5805-7817

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

小田原漂情(おだわらひょうじょう)

有限会社 言問学舎

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
このプロへのみんなの声

もしまたお世話になることがあったら・・・

おだわら先生!! おだわら先生にはすごくお世話になりまし...

K・S
  • 20代/女性 
  • 参考になった数(0

このプロへの声をもっと見る

プロのおすすめコラム
冬期講習説明会第3週は12月10日(土)開催です!

 12月に入って一週間。区立中学では、続々と内申点の内示があり、連日私立高校との連絡に明け暮れる時期となり...

[ 総合学習塾・言問学舎 ]

「国語力.com」をリニューアルしました!作品別に検索できます!

 2013年7月の開設以来、2~3学期の高校の定期テストの期間には毎日数百人の方にアクセスしていただいてい...

[ 国語 ]

受験生のみなさんへ 言問学舎・小田原漂情がお手伝いします!

 受験生のみなさん。師走、すなわち12月になりました。はじめて受験を経験する方も、またそうでない方も、いよ...

[ 総合学習塾・言問学舎 ]

次回説明会は12月3日(土)・4日(日)開催!平日のご来訪も受け付けます!

 朝方は好天だった日曜日、午後から雨となって、ところによっては、夜は本降りとなりました。すでに観測史上初の...

[ 総合学習塾・言問学舎 ]

受験直前のこの時期、「何とか国語の得点を上げたい」方たちへ

 真冬のような寒さとなり、東京では観測史上初という11月の積雪となった、今週でした。まもなく12月。いよい...

[ 国語 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ