コラム

 公開日: 2016-06-21 

実家の相続を考える

核家族化で実家を相続しても住まないケースが増加





最近、多いのが、親から実家を相続したけど自分たちも持家があるので住む予定も無いし・・というご相談です。最近は核家族化が進んでいて、実家を相続する頃には子供世代もすでにマンションなどを購入して持家があり、また、子供の学校の事や通勤などを考えると今の持家から相続した実家に住替えるという事にはならないケースが多いようです。

不動産相続における小規模宅地特例の恩恵


このようなケースで、子供が親と同居していない場合、「小規模宅地特例」など、土地の相続税評価を大幅に減免してもらえる制度の適用が受けられません。(※適用を受けられる場合、自宅などの特定居住用宅地は面積の上限を330㎡としてその相続税評価額の80%敷地の相続税評価額を減じてもらう事が出来ます。)

ということは、例えば実家の敷地が300㎡で不動産の相続税評価額が、建物0円、土地8000万円、その他に現金預貯金などが2000万円という内容で相続になった場合、相続財産は合計1億円ということになりますが、この制度の適用を受けられると土地の8000万円が1600万円になりますので本来1億円の相続税評価だったのが、3600万円に圧縮できるという事です。

相続財産の中に不動産がある場合、これは非常に大きなアドバンテージになります。しかし、相続する子供が全員非同居で持家の場合、この特例の適用を受ける事ができません。恩恵が大きいだけに出来れば何とか小規模宅地特例の適用を受けたい所ですね・・

相続対策は早めの準備が肝心


その場合、可能であれば事前に兄弟のどちらかが持家のマンションを売却して実家を2世帯住宅に建替えて同居すると言うのも一つの選択肢です。

例えば、兄弟2人のうち、長男が2世帯住宅を建てて同居した場合、将来相続になったときに長男が実家を相続すれば、小規模宅地特例の適用を受ける事が出来ます。

ただし、この場合、実家を相続しない次男は、残る預貯金2000万円しか相続する遺産がありません。本来、1億円の遺産を半分に分けるとすると5000万円ですので、長男が8000万円の実家、次男が2000万円の預貯金では非常に不公平な遺産分割になってしまいます。例えば、実家を相続した長男が自分の預貯金などで次男に3000万円の代償金を支払う事ができれば問題はありませんが、そのような資金が無い場合あらかじめ、2世帯住宅建設時に代償金相当の敷地(約112㎡)を測量、分筆して駐車場などにしておき、その部分と現金預貯金を次男が相続する事にするなどの対策を講じておくと良いと思います。

そうすると、2世帯住宅の敷地188㎡については80%減で約1000万円の評価、駐車場部分112㎡については50%減で約1500万円の評価になり、現金預貯金2000万円と併せて相続財産の合計は4500万円という事になりますので、小規模宅地特例の恩恵を十分受けられる事になります。

それ以外でも、生命保険で契約者・被保険者が親、受取人が子供の場合、法定相続人一人あたり500万円の非課税枠があります。例えば、それを長男が支払う代償金の引当てや、次男の相続分の補完に活用するのも一つの考え方です。

実家を相続する際のチェックポイント


実家を相続する場合、少なくとも以下の3点は、あらかじめチェックしておきましょう。

(1)所有者は誰か?
実家の土地や建物の名義が必ずしも親名義とは限りません。亡くなったお父さんの名義のままお母さんに相続登記がなされていない、敷地の一部が借地の可能性もあります。まずは登記情報を確認して問題があれば早めに専門家に相談しましょう。

(2)隣地境界に関する問題
隣地との境界塀はどちらのものか?境界杭や境界標などはちゃんと入っているか?親や祖父母の代で隣地と取決めはないか?このような問題を把握していないと相続した後お隣とトラブルになるケースも少なくありません。親が元気なうちに話を聴いておく、また、そういった問題でお隣と話し合う必要のある事項がある場合も親が元気なうちに話し合いの場を持った方が良いでしょう。

(3)価格の把握
不動産を売却すると原則、譲渡益に対して、所得税と住民税が課税されます。譲渡益とは買った価格と売れた価格の差額ですので重要なのが、取得費の把握です。例えば、代々所有していた自宅敷地で取得費が不明な場合、売却価格の5%が取得費とみなされます。購入時の契約書などが残っている場合、取得時に支払った不動産の仲介手数料、登記費用なども取得費として加算できます。

このように、親から実家の不動産を相続する場合、様々な注意点があります。自分の家の場合どのような対策が必要なのか?今、出来る事は何か?将来実家を相続する予定の有る方は一度確認しておいた方が良いでしょう。

この記事を書いたプロ

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